「赤ちゃんに快適な室温は、どれぐらいなのだろう」「室温が不快なときに赤ちゃんが出すサインを知りたい」とお考えではありませんか? 赤ちゃんは、まだ言葉でうまく表現できないため、室温が快適か不快かをさまざまなサインで伝えようとしています。しかし、実際にどんなサインにどんな意味があるのか、よく分からないこともあるでしょう。靴下を履かせる? 履かせない?問題についても解説します。

今回は赤ちゃんが快適な室温について詳しく解説します。

  1. 赤ちゃんと大人では快適な室温が違う(靴下問題)
  2. 赤ちゃんが暑いとき・寒いときのサインをチェック
  3. 赤ちゃんの快適な室温を季節ごとに解説
  4. 赤ちゃんの快適な環境作りに役立つアイテム
  5. 赤ちゃんが快適な室温に関するよくある質問

この記事を読むことで、赤ちゃんが快適な室温に整えるコツがよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

赤ちゃんと大人では快適な室温が違う

最初に,赤ちゃんと大人で快適な室温が違う理由についてみていきましょう。

体温機能が発達していない

赤ちゃんは、体温調節機能が未発達です。したがって、暑い・寒いと感じても、すぐに自分で対応することができません。そのため、大人なら問題なく過ごせる室温でも、赤ちゃんにとっては暑過ぎたり寒過ぎたりすることがあるのです。かといって、暖房や冷房を強くすればよいというものではありません。まずは、赤ちゃんの体に負担をかけない程度の室温にコントロールすることが大切です。

また、靴下を履かせるかどうか悩みもあると思いますが、よほど寒くないなら室内では履かせなくても大丈夫です。
理由は事故予防と体温調整です。特にお座りからハイハイの時期、歩き出しの頃など移動が不安定なときには滑ったり転んだりしやすいので、室内では靴下は不要です。寒い時期のベビーカーは足全体をくるむようにして防風していればOKです(寒冷地を除く)。

体温が高い

赤ちゃんは、大人より体温が高いことも、快適な室温が異なる理由の一つといえます。赤ちゃんの体温は、36.5~37.5℃程度です。そのため、大人には少々肌寒いと感じる室温でちょうどよいことがあります。また、寒いだろうと考えて厚着をさせるのも、赤ちゃんには負担になることがあるので注意しましょう。とはいえ、ガンガンに冷房すればよいということではありません。冷房が強過ぎると、赤ちゃんの体が冷えてしまうので気を付けてください。
昔の人は、「1歳までは一枚多く、1歳すぎたら一枚少なく」と言っていました。冷暖房のない時代と現代は違いますが、迷ったらこの言葉を思い出して調整してみるのもいいですね。

からだが小さく室温の影響をうけやすい

赤ちゃんは体が小さくて室温の影響を受けやすいことも、大人と快適な室温が異なる理由といえます。特に注意したいのが、熱中症です。赤ちゃんは、大人よりもはるかに暑さに弱いので、熱中症になりやすくなります。夏の電気代を節約しようとして冷房を使わないでいると、あっという間に赤ちゃんが熱中症になることがあるので注意してください。

赤ちゃんが暑いとき・寒いときのサインをチェック

赤ちゃんは、暑いとき・寒いときに何らかのサインを発しているものです。それぞれどんなサインを発しているか、具体的にご紹介しましょう。

暑いときのサイン

赤ちゃんが暑いと感じているときのサインを、具体的にみていきましょう。

汗をたくさんかいている

赤ちゃんがいつもより汗をたくさんかいているときは、暑いと感じているサインです。赤ちゃんは、たくさん汗をかくことで体温を調節しています。暑過ぎると、体温を下げようとして大量の汗をかくのです。室温を調整すると共に、汗でびしょびしょになった衣類を交換してあげましょう。また、脱水が心配なので、水分補給も忘れないでください。

顔が赤い

赤ちゃんの顔が赤いのも、暑いと感じているサインの一つです。赤ちゃんは、体調の変化が顔色に出やすいので、普段より赤いと感じたときは室温が高過ぎないかチェックしてください。なお、赤ちゃんは、眠いときにも顔が赤くなることがあります。眠そうな様子ではないのに顔が赤くなっているときは、室温を調整してみてください。

体幹や足の裏を触ると熱い

おなかや背中などの胴体に加え、足の裏を触ると熱くなっているのも室温が高過ぎるサインになります。赤ちゃんの足の裏は、夏でもヒヤッとする程度が通常です。しかし、足の裏に触れてあたたかいと感じる場合は、赤ちゃんが体温調節をうまくできず、熱がこもっている状態と考えられます。室温を下げると共に、涼しい場所に移動させたり、涼しい衣服に交換したりしてください。
また、ねむくなると手足が温かくなります。顔を見てねむそうなら寝かせてあげましょう。

寒いときのサイン

赤ちゃんが寒いときにはどんなサインを出しているか、詳しく見ていきましょう。

おなかや背中に触れると冷たい

赤ちゃんのおなかや背中に触れて冷たいようなら、室温が低過ぎて寒いと感じているサインです。赤ちゃんのおなかや背中は、常にほんわか温かいのが正常になります。大人の手で触れてヒヤッと感じるようではいけません。室温を上げたり、上着を羽織らせたりして調整してください。
また直前に汗をかいて冷えている場合もあります。そのときには下着を交換しましょう。おむつを長時間替えないとおしっこで股が冷たくなり、下半身が冷えてきます

唇があおくなっている

赤ちゃんの唇が青くなっているときは、寒いと感じている証拠です。同時に、元気がなくなっていることもよくあります。すでに体が冷えきっていることも多いので、早急に室温を調整したり保温性の高い衣類に交換したりしてください。

赤ちゃんの快適な室温を季節ごとに解説

赤ちゃんに快適な室温について、季節ごとに詳しく解説します。なお、いずれの季節も併せて湿度を50~60%に維持するよう心がけてください。

春は外気温20~25℃前後で穏やかな天候の日が多く、エアコンを使用しなくてもそのままで赤ちゃんに快適な室温となることが多いでしょう。ただし、春の初めには肌寒い日があるので、赤ちゃんが寒いと感じないような工夫が必要です。また、夏に近づいて梅雨に差しかかると蒸し暑い日が増えてくるため、除湿対策を含めて快適な環境に整えましょう。

夏は、高温と多湿に注意です。適度にエアコンを使用して室温を快適な状態に維持しましょう。夏の室温は、26~28℃程度が赤ちゃんにとって最適です。室温が高過ぎると、赤ちゃんが熱中症になる原因になります。また、湿度が高いと体内に熱がこもって体調を崩しやすくなるので注意してください。適宜窓を開けて新鮮な空気を入れたり、扇風機を使って風の流れをつくったり、エアコンや空気清浄機の除湿機能を使用したりするとよいでしょう。
夏場でも外で汗をかいて濡れた衣類を冷房内で着せ続けていると冷えることがあるので、注意しましょう。

秋は、比較的過ごしやすい季節なので、室温を調整するのに夏や冬ほど大変ではありません。具体的には、室温が20℃を下回らないようエアコンなどで調整する程度で大丈夫です。ただし、朝と夜で寒暖差が激しい季節なので、寝冷えしないように気を付けてあげる必要があります。特に、夜に寝かせるときは、軽くて暖かな寝具を用意するとよいでしょう。

冬は、暖房の使い過ぎに注意してください。大人が暖かいと感じる室温では、赤ちゃんには暑過ぎることがよくあります。大体20~25℃がちょうどよい室温です。特に、温かい上着を着せていたり、保温効果の高い寝具を使用していたりする場合は気を付けましょう。赤ちゃんが真っ赤な顔をしていたり、大汗をかいていたりするときは、室温が高過ぎます。なお、冬によくあるのが、赤ちゃんにたくさん着せ過ぎてしまうことです。赤ちゃんは体温が高く、着せ過ぎは熱がこもって暑いと感じる原因になるので注意してください。

赤ちゃんの快適な環境づくりに役立つアイテム

赤ちゃんの快適な環境作りに役立つアイテムをいくつかご紹介しますので、参考にしてください。

温湿度計

室温の環境を正確に把握するには、温湿度計を用意するとよいでしょう。同じ室温であっても、湿度が高いと不快指数も高まります。赤ちゃんにとっても、高温多湿な環境は好ましくありません。乾燥しすぎも心配です。温湿度計を活用し、こまめに室温と湿度をチェックして常に快適な環境に整えてあげることが大切です。

スリーパー

スリーパーがあると、赤ちゃんの快適な環境作りに役立ちます。スリーパーは赤ちゃんが動いても、はだけることがないのが大きなメリットです。また、寝冷えを防いで、快適な眠りをもたらしてくれます。ガーゼや綿素材でできたスリーパーなら、肌ざわりもソフトで赤ちゃんにも安心して使うことが可能です。冬だけでなく夏も上手に活用して、冷房の影響から赤ちゃんを守ってあげましょう。寝返りできるようになると布団をはねてしまうことがあるので、スリーパーは役に立つでしょう。
冬のあいだは腹巻きも効果的です。腹巻き付きのパジャマなどもあるので、購入時には検討してみてください。

抱っこひも・おんぶ紐

冬に限らず、夏でも冷房が効いた場所では、抱っこひもやおんぶひもが役に立ちます。赤ちゃんと親の体が密着することで、親の体温が伝わって温かいからです。また、赤ちゃんが親の体温を感じることで、精神的に安定する効果があるのもメリットでしょう。なお、当北極しろくま堂でも、数多くの抱っこひもやおんぶひもをお取り扱いしています。また、赤ちゃんをすっぽり包めるスリングもおすすめです。ぜひ、ご検討ください。

ちなみに筆者は抱っこしていて赤ちゃんの発熱に気付いたことがなんどもあります。

赤ちゃんが快適な室温に関するQ and A

最後に、赤ちゃんが快適な室温に関する質問に回答します。

Q.エアコンを使うほうが赤ちゃんの体によくないのでは?
A.エアコンの風が直接赤ちゃんに当たらないように設定すれば大丈夫です。弱風設定にしておけば、赤ちゃんに負担を与えることなく、快適な室温に調整できます。冬場は加湿も同時にしてください。
里帰りのご実家などでエアコン使用を反対されたら「お医者さんが使った方がいいって言ってた」と言ってみてください。けっこう効果があります。

Q.真夏にベビーカーで赤ちゃんと外出するときの注意点は?
A.真夏は、ベビーカー内部の環境が悪化しやすく、赤ちゃんが熱中症になりやすいので特に注意する必要があります。ベビーカーは地面から近いため地熱の影響を受けやすく、大人が想定するよりも内部環境ははるかにハードで、真夏は40℃以上になることもあります。たとえば、ベビーカー内に保冷剤やミニ扇風機を設置するなどして工夫しましょう。また、こまめに赤ちゃんの様子を確認し、異常がないかチェックしてください。

Q.冷房を使うと赤ちゃんのおなかが冷えないか心配なのですが?
A.おなかが冷えないように工夫すれば、問題ありません。おなかの冷えを心配して冷房を控えると、室温が高くなり過ぎて赤ちゃんが熱中症になることがあるので注意してください。

Q.室温を十分に下げても赤ちゃんが暑そうにしているのですが?
A.赤ちゃんが発熱している可能性があります。まずは、体温を測定してみてください。発熱しているようなら、安静にさせて様子を見ましょう。赤ちゃんの機嫌がよく、すぐに体温が下がるようなら心配ありません。ただし、夏は、発熱以外にも赤ちゃんが熱中症になっている可能性があります。熱中症は重症化すると命にかかわることもあるので、早めに受診しましょう。

まとめ

今回は、赤ちゃんが快適な室温について詳しく解説しました。赤ちゃんと大人では、快適な室温が異なります。大人が快適だと感じる室温に調整しても、赤ちゃんには暑過ぎたり寒過ぎたりすることがあるので注意しましょう。赤ちゃんは、まだ言葉で自分の気持ちをうまく表現できません。そのため、赤ちゃんが暑いときや寒いときのサインを見逃さないことが大切です。
また、赤ちゃんに快適な環境を作るのに役立つアイテムなども活用してみるとよいでしょう。この記事を参考にして、赤ちゃんが快適に過ごすことができるよう、室温や環境を整えてあげてください。

*この記事は2020年10月に公開したものを2021年9月27日に修正して再公開しました。