Wrap you?の使い方解説 第2弾 赤ちゃんを背中に乗せる方法&シートの作り方

ベビーラップは究極のベビーウェアリング。1枚の長くて大きな布をたくみに扱って抱っこやおんぶをします。へこおびの布の扱い方とスリングのテールの引き方の両方のテクニックが必要です。
ベビーラップ使い方解説の第2段はベビーラップを使ったおんぶの方法。どのおんぶにも共通する、赤ちゃんを背中に乗せる方法とシートを作る方法をご紹介します。

赤ちゃんを背中に乗せる方法

ベビーラップで赤ちゃんを乗せる方法は、昔ながらのおんぶひもやへこおびとは違っています。

ベビーラップ:赤ちゃんの肩まで布で覆ってから背中に乗せる。
昔ながらのおんぶひも、へこおび:赤ちゃんの脇の下にひもを通してから背中に乗せる。

北極しろくま堂では、安全性を考慮してヒップ・スクート(Hip scoot)という方法をご紹介します。

1. 赤ちゃんの背骨に布の中央(タグの部分)を当てます。(おんぶの方法によっては背骨に当てる位置が異なる場合があります。)赤ちゃんの肩まで布で覆います。

ベビーラップのヒップスクートの方法

2. 布と一緒に赤ちゃんを腰に抱き上げます。

【参考】へこおびの場合は、赤ちゃんの脇の下にひもを通します。

へこおびのおんぶの方法
ベビーラップのヒップスクートの方法

3. 赤ちゃんを抱いている方とは反対側の肩に布をかけます。

ベビーラップのヒップスクートの方法

4. 片方の手で赤ちゃんを支えながら、もう片方の手で両側の布をつかみます。慣れないうちは1回結んでしまうと安心です。

ベビーラップのヒップスクートの方法

5. 布を持つ手を緩めないようにしながら、脇の下をくぐらせるようにして赤ちゃんを背中に乗せます。

ベビーラップのヒップスクートの方法

6. 背中の真ん中に乗ったら、一度脇の下を通る布を肩にかけ直し、両肩の布を引っ張りながら赤ちゃんを揺すり上げて位置を高くします。

ベビーラップのヒップスクートの方法
ポイント

ヒップ・スクートは背中に赤ちゃんを乗せた際に少し位置が低くなりやすいです。

乗せ終わったタイミングで赤ちゃんのお尻を片手で支えながら揺すり上げて位置を高くしましょう。

ヒップ・スクートの他にもサンタ・トス(Santa toss)やスーパーマン・トス(Superman toss)があります。海外ではスーパーマン・トスが主流のようですが、日本のお母さんには少し乱暴に見える方法かもしれません。トスをお試しになる場合は赤ちゃんの肩だけでなく、腕の上部まで一緒につかむようにして持ち上げるようにしてください。

おんぶの時のシートの作り方

赤ちゃんが布に深く座っている状態にすることを「シートを作る」と言います。ベビーラップのおんぶの大きな特徴であり、一番難しいところがこのシート作りです。

1. 赤ちゃんを背中に乗せます。

ベビーラップのシートの作り方

2. 前かがみになりながら、トップレールをあごか歯ではさみます。

ベビーラップのシートの作り方

3. ボトムレールを下に引っ張り、赤ちゃんの背中を覆っている布のたるみを取ります。

ベビーラップのシートの作り方

4. 赤ちゃんの脚の間に手を入れ、使用者の体と赤ちゃんの体の間に布を挟み込むようにしてボトムレールを上にひっぱりあげます。

ベビーラップのシートの作り方

5. 赤ちゃんのお尻がしっかりと布で覆われ、布の上に座っている状態になったら、ボトムレールを肩の上から前に回し、テールを下に向かって引きながら一度体を起こします。

ベビーラップのシートの作り方
ポイント

赤ちゃんの背中で布がたるんでいるとおんぶし終わった後に位置が下がる原因になります。③でしっかりとたるみをとるようにしましょう。

④で使用者の体と赤ちゃんの体の間に布を挟み込んだら、テールを引いて全体のたるみをとります。トップレール→真ん中→ボトムレールの順に3〜4回にわけて引くようにしましょう。ボトムレールは強く引きずぎるとシートが崩れる原因になるので、ほどほどにしておきます。

しっかりとシートが作れていると、赤ちゃんの膝はお尻よりも高い位置にあり、体重がお尻にかかっている状態になります。

ベビーラップのシートに座る赤ちゃん

ベビーラップのおんぶは、おんぶひもやへこおびに比べて密着感とホールド感が高く、体への負担が少ないのが特長です。

涼しくなっていたこれからのシーズン、ベビーラップデビューしてみませんか?

Wrap you? Bonding/オレンジ×薄灰

Wrap you? 
Bonding/オレンジ×薄灰
深みのあるオレンジとグレイッシュなベージュの組み合わせ。秋の景色になじむ色の組み合わせです。
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Wrap you? 
Bonding/オリーブ×ダークグレー

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Bonding/オリーブ×ダークグレー
スモーキーカラーの組み合わせも秋にぴったり。落ち着いた雰囲気で抱っこ姿がかっこよく決まります。
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Wrap you? Bonding/薄灰×ライトイエロー

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Bonding/薄灰×ライトイエロー
Bondingシリーズでいちばん人気の色。ライトイエローがコーディネート全体を明るくしてくれます。
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Wrap you? suzume/aka×sand beige

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suzume/aka×sand beige
Wrap you?で最初に登場したのがこちらの柄。コーディネートに赤が入るとぐっとおしゃれになります。
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心を育てるベビーウェアリング オリンピアードシリーズ 第2弾 サンド

北極しろくま堂のしじら織り・オリンピアードシリーズは2020年オリンピック招致を記念して、五輪マークの色(青、黄、黒、緑、赤)をテーマに展開するデザインです。

五輪マークは5大陸の連携を表しているとされ、この5色と地色の白で、世界中の国旗のほとんどを描くことができると言われています。オリンピアードシリーズでは、このシンボルカラーを主役にしたおしゃれで使いやすい配色を提案します。

※オリンピアードシリーズでも、強く美しい、肌触りのよい生地作りを実現した、北極しろくま堂オリジナルのしじら織りを採用しています。

第2弾は“黄色”をテーマにした「サンド」です。

五輪マークの中で“黄色”は“砂”を意味するとも言われていることから、この名前をつけました。(オリンピックマークの色の意味については諸説あります。)

“黄色”は多くの文化において、太陽の輝きや熱を表し、特に鮮やかな黄は春に咲く花、秋に実る穀物、黄金を連想させます。インドでは、婚姻と幸せな結婚生活を象徴する色でもあるそうです。

1枚の生地に3つの色が配置されています。

北極しろくま堂の生地オリンピアード/サンド

黄色部分はカナリア、グレー部分は薄いオリーブ系のグレー、真ん中のライン部分はジェイブルー。

オリンピックという華やかでアクティブな舞台、そして、元気な赤ちゃんにふさわしい、明るく快活なイメージの黄色をベースとした配色です。

穏やかさとクールなイメージを併せ持つグレーを合わせることにより、黄色の派手な印象を程よく中和し、全体が落ち着いた都会的な印象になりました。また、青のラインは黄色の色みを引き立て、かつ、爽やかな印象をプラスしています。

今回のオリンピアード/サンドについてカラーデザイナーさんからコメントをいただきました。

オリンピアードシリーズの、次のテーマカラーは黄色とのお話しをいただいた時、「難しいなあ」と感じました。黄色は明るく元気な印象を与えますが、子どもっぽく、安っぽい印象を与える色でもあります。その子どもっぽい印象を避けるために、はじめは、イエローオーカーや芥子色などの落ち着いた色を使用することを検討しました。しかし、主役としての黄色には、やはり輝くような、いかにも黄色らしい色調による表現がふさわしいと思いました。黄色を主役にするためには、やはり輝くような黄色らしい色調に仕上げたいと思いました。「少女」ではなく「女性」が使うスリングの黄色を探していた時、マリー・ローランサンの「三人の若い女」が浮かんできました。彼女の作品に使われる黄色は、グレーの中で柔らかくエレガントな印象に描かれています。黄色は、グレーと組み合わせることによって、パリの街並みのような、洗練された都会的なイメージが表現できると感じました。

マリー・ローランサン「三人の若い女」

そして、印象的な製品となるよう、ローランサンのイメージよりも鮮やかな黄色を使った配色を提案させていただきました。

ラインには、青を選びました。黄色と青は、その対比が美しいと評されることの多い組み合わせです。

今回のオリンピアード/サンドは、ネイビーやベージュ、グレー、白などのベーシックなファッションに映える色みです。パステル調のくすんだブルーと合わせても素敵だと思います。

黄色という色のイメージの通りに、楽しんで使える色に仕上がったのではないかと思います。

今回の配色で苦労したのは、黄色の隣にグレーを発色させることでした。
織物はたて糸とよこ糸が交差し合ってできています。たて糸よこ糸がお互いに影響しあうため、糸の色の微妙な違いが、織り上がった時の色の印象を左右します。

北極しろくま堂の打ち合わせの様子

数度にわたる打ち合わせを重ね、やっと納得のいく織りが完成しました。

こうして織りあがった生地でできたキュット ミー!がこちら。

右肩にかけた場合と左肩の場合とで、正面から見た印象が違います。
1つのスリングで2つの表情が楽しめます。

《右肩にかけた場合》黄色が全面に出ます。

北極しろくま堂のスリングキュット ミー!オリンピアード/サンド

《左肩にかけた場合》グレーが全面に出ます。

北極しろくま堂のスリングキュット ミー!オリンピアード/サンド

オリンピアードシリーズ 使いやすさのポイント
布の位置によって色が異なっているため、テールとポーチの関係がわかりやすくなっています。テールのどの部分を引けばポーチのどのあたりが締まる/緩むのかが一目でわかります。
美しいのはもちろん、使う人にやさしいデザインが自慢です。

へこおびは2柄展開となっています。

オリンピアード/サンド

北極しろくま堂のへこおびオリンピアード/サンド

オリンピアード/サンドライン

北極しろくま堂のへこおびオリンピアード/サンドライン

「使いやすく美しい抱っこひもを作りたい」という北極しろくま堂の思い、カラーデザイナーさんの色の知識、織物職人さんや染色工場の技術がひとつになって、できあがったオリンピアード/サンド。

オリンピアードの名にふさわしく、ベビーウェアリングで育てられた子どもたちが成長して、平和で笑顔のあふれた未来を作っていくことを願います。

今月のおすすめ商品②

キュット ミー!しじら織り あか

キュット ミー!
しじら織り あか
派手すぎず、地味すぎず。あざやかすぎない赤色で、しっとりとした雰囲気もだせます。
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キュット ミー!しじら織り ゆずりは

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しじら織り ゆずりは
秋めいてきたこの時期からぐっと人気が出てくるゆずりは。男性にも使いやすい色です。
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キュット ミー!しじら織り どんぐり

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しじら織り どんぐり
どんぐりのようなやさしい茶色。どんな服とも合い、コーディネートしやすいです。
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キュット ミー!しじら織り TOIRO

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しじら織り TOIRO
ベーシックカラーの服が多い方は、マルチカラーでブロックチェック柄のこちらがおすすめ。コーディネートが明るくなります。
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次号予告

Wrap you?の使い方解説 第3弾 セキュア・ハイ・バック・キャリー
今月号に引き続き、Wrap you?の使い方解説!第3段はおんぶ編。首すわりすぐからできるおんぶをご紹介します。

べビーラップのセキュア・ハイ・バック・キャリー

編集後記

9月30日(金)と10月1日(土)に東京ビッグサイトで開催された、ベビー・キッズ&マタニティショーに今年も参加してきました。株式会社オンフィリアのディディモスさん、ダマヤカンパニー株式会社のおもいでおんぶさんと北極しろくま堂共同でベビーウェアリングブーストしての出展です。このブースを目当てにご来場くださった方も多く、ベビーウェアリングが日本でも広がりつつあるのかなとうれしく感じました。しかし!ブース看板が右の写真のような記載でした。これではちょっと意味が違ってしまいます…。キュッと文字を詰めて「ベビーウェアリング」を一続きにするのは難しかったのかもしれませんが。いずれにせよ、ベビーウェアリングのよさがもっともっと広まるよう、がんばりたいと思います!
ご来場くださったみなさまありがとうございました。
SHIROKUMA mail editor: MK②

ベビー・キッズ&マタニティショーベビーウェアリング・ブース

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mai Katsumi
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima