北極しろくま堂メールマガジン

vol.228 ジャカード織りってなに?


ジャカード織りってなに?


北極しろくま堂でも、2016年から日本初の国産ジャカード織りBabywrap(wrap you?)を製造販売しています。また、昨年からポーランドのベビーキャリーを製造販売する会社「LennyLamb」とのコラボレート商品として、ジャカード織りのへこおびを販売しています。

LennyLamb社とのコラボレート商品。ジャカード織りのへこおび。

で、このジャカードってなんでしょう? 今回はジャカード織りを入り口に、織機と織物について簡単に解説します。
 

インターネットの百科事典、Wikipediaにジャカード織機のページがあります(注)。それによると、ジャカード織機は1801年にフランスで発明されたと書かれています。200年前からある技術なんですね。

ものすごく簡単にいうと、ほとんどの織物はジャカード機かドビー機で織られていて、北極しろくま堂では両方の機械を使っています。一般的に、ジャカード機で織られた織物を「ジャカード織り」といい、ドビー機で織られたものは「ドビー織り」と呼んでいます。

ジャカード機は複雑な柄物を織ることができる織機で、ジャカード機よりも後にできたドビー機はジャカード機のように複雑なパターン(柄)を織ることができません。織物にも様々な需要があるので、いつも複雑な柄が必要になるわけではないので、複雑な模様と簡単な模様で機械を使い分けるようになりました。
 

日本では紋紙と呼ばれる穴が空いたカードを使って、ジャカード機の経糸横糸を上げ下ろししていきます。発明された当時は手作業で上げ下ろししていたのでそれはたいへんな作業だったと思いますが、現代ではもちろん電気などの動力を使って上下に動かしているわけです。
 

 
20世紀後半になると電子ジャカード機が誕生し、それまでの紋紙を使った指示からフロッピーディスクやUSBメモリなどの外部記憶装置が使えるようになり、現代ではコンピューターからダイレクトにデータを取り込むことができるようになっています。紋紙を使うジャカード機ではせいぜい30cm四方くらいの柄を繰り返すしかないのに対して、電子ジャカード機では大きな複雑な柄を織ることができます。

 

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たくさんの色をつかっているように見えますが、黒と白の色糸だけで織り上げています。
(写真提供:静岡県浜松工業技術支援センター)

 

ジャカード機はものすごく複雑なパターンも最も基本的な平織りの一色だけの生地も、なんでも織ることができる万能な織機なのです。紋紙を使う古いジャカード機でも、二重織りで表裏のパターンを変えたりすることもできるので、制限はあるけれどもそれをどう乗り越えるのかというのも企画の楽しみではあります。
 

Bondingという生地は水玉とチェーンでつながったマルが表裏になっています。

 

一方で、近年のアパレルではあえて古い織機をつかって織った製品が注目されるようになりました。例えば、浜松の古橋織布では古い機械を直しながら使って、非常にクオリティの高い生地を作っており、海外の大手アパレルから生地を受注しています。北極しろくま堂が織物を依頼している機屋(はたや:織物工場の呼称)でも、昭和40年代の機械も使うことがあります。
 

織物の業界では、高額なジャカード機を使って単純なパターンの布を織るのは機械がもったいないので、機械の棲み分けが進んできたと言われています。
 

アパレルでよく言われる古い機械が「やさしい」生地を織れる理由は、織るスピードが遅いからです。高速で織る機械は糸を限界まで張り詰めておかないと機械のスピードに負けてしまい、糸が切れやすくなります。そのため仕上がった生地は硬くなります。古い機械は速く織ることができないため(調整も難しいそうです)、ふんわりと空気を含むように織られていきます。生産効率は悪いですが、昔ながらの包み込まれると優しい肌触りの生地ができあがります。

 

 
さて、これまでずっと「ジャカード」と書いてきましたが、ジャガードじゃないの? ともやもやした方もいらっしゃるでしょう。ジャガードは日本だけで使われている言い方のようです。織物の本来の名称は「jacquard(ジャカード)」なので、機屋さんで「ジャガード」と言うと訂正されてしまいます。

 

 

注:「増補新版図解服飾用語事典」では、ジャカード織機の発明は1804年とされています。

参考資料
増補新版図解服飾用語事典/杉野芳子・編著/ブティックムック通巻414号/ブティック社/2003
服地の基本がわかるテキスタイル事典/閏間正雄・監修/ナツメ社/2016


ジメジメした梅雨の時期にもさわやかな抱っこひも・おんぶひも


キュット ミー!
しじら織り/水色

価格:11,000円(税込)
長く愛されている明るい水色しじら織り。寒色系のさわやかさの中に、しじら織りの優しい風合いが加わってパパママ共用スリングとしても選ばれています。

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キュット ミー!823
しじら織り/紺碧

価格:10,450円(税込)
ぐっと深い海の色のようなスリングが出来ました。緑の中、青い空の下、溶け込みながら存在感のある生地です。

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兵児帯は新生児からの抱っこ、首すわり以降のおんぶが1枚でできます。オリンピアード/オーシャンライン

へこおび
しじら織り オリンピアード/オーシャンライン

価格:6,050円(税込)
オリンピアードシリーズの「青」。オーシャンラインは深い藍色に浅葱色のラインが映えて、スマートな印象です。

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おんぶひも
ライトグレー/ミコノス

価格:6,050円(税込)
真っ白の背当ての生地には、ブルーのラインで格子が描かれています。ライトグレーとの色合わせもすっきりでこれからの時期にさわやかです。

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次号予告
ちっちゃい赤ちゃんの抱っこの仕方、他

ShirokumaMail 6月号次号予告。小さい赤ちゃんの抱っこについて特集します。

特集1:ちっちゃい赤ちゃん(低体重児)の抱っこのしかた
少し小さめで生まれた赤ちゃんの抱っこ、緊張しますよね。股関節を広げて、でも踵はつけているようなスリング抱っこの方法があります。気を付ける点などをまとめて改めて解説します。

特集2:暑い時期の抱っこやおんぶの工夫
夏になると抱っこするのも汗だく、おんぶするまでに滝汗ということもあります。そんな時期に涼しく抱っこできる工夫や、方法などをご紹介します。




【編集後記】

今回は、「生地」についての特集でしたが、いかがだったでしょうか。
北極しろくま堂のジャカード生地はふんわりと柔らかく、布での抱っこが初めての方でも扱いやすいのが特徴です。
その「ふんわり」した布づくりの秘密は昔ながらの織機にあったなんて驚きですね。
複雑・スピード化していく私たちの毎日。でも、子育ての中でも限られた抱っこ・おんぶの時間だけでも、この織機のように少しスピードを落としてママと赤ちゃんの柔らかい時間を紡ぐことが出来たら素敵だなと思いをはせました。

SHIROKUMA mail editor: NK

EDITORS
Producer & Creative Director Masayo Sonoda
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano, Masayo Sonoda, Asami Yagi
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima