北極しろくま堂メールマガジン

vol.225 店主が見た、ハンガリーとイタリアのベビーウェアリング


店主が見た、ハンガリーとイタリアのベビーウェアリング


ベビーウェアリングという言葉がどこで生まれたのかはわかりませんが、論文などで使用されるようになったのは概ね2015年以降のようです。もともと欧米では抱いて(おぶって)育てるという慣習がないので、あまり関心を持たれなかったかもしれません。

ところが、2020年の現在では欧米には様々なベビーウェアリングのグループやスクールがあります。今回、店主はハンガリーとイタリアでOnbuを解説するセミナーを行いました。その時に見聞きしたそれぞれの国のベビーウェアリング事情をレポートします。(店主:園田 正世)

 

●ハンガリー:セミナーの様子

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ハンガリーでは国内だけでなく、イギリスやポーランドから国を超えて参加して下さった方もいました。それは欧州においてOnbuに関する情報が少ないことを表しています。クリスマス直前の日曜日にブタペストの中心地に20名ほどの方が集まってくれました。Onlineでライブ配信も行われており、20名位の方が見ていたようです。

日本ではあまりない状況ですが、言語をどうするかが少し複雑でした。というのは、ハンガリー語だけの方と英語と両方話す方、英語だけの方がいたので、けっきょくは私が日本語で話したことを通訳さんがハンガリー語で話し、英語話者のかたは英語の詳細な資料をお読みいただくことにして時間を節約しました。資料にない内容を私が話した時には日本語(私)→ハンガリー語(通訳)→英語(ハンガリー人の主催者)ということになり、ひとつのことを説明するのにかなり時間がかかりました。

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セミナーでは主に、おんぶの歴史(と日本の子育ての変遷)や地域に伝わるおんぶ具の紹介、おんぶによる共同注意や共視、愛着形成についてお話ししました。

活発な質問タイムがあり、クリスマス直前というママとしてはめちゃくちゃ忙しい時期に参加してくれたからにはぜんぶ吸収して帰りたい! という意気込みが伝わってきました。
会場はママ向けの講座をよく開催するというカフェで、写真にあるようにとても雰囲気がよく、かわいいおもちゃがたくさんありました。

 

●ハンガリーのベビーウェアリング事情

驚いたことがありました。主催者のベルナデットといっしょにショッピングセンターにいく機会があったので、赤ちゃん用品の売場でどんな抱っこひもを取り扱っているのか見に行きたいと言いました。

「ほしいの?」
「買わないと思うけど、どんなものがあるのか見たい。」

というと、抱っこひもは一般的なお店では売っていないというのです。よほどの専門店にしかないそうです。

ハンガリーでもベビーウェアリングの価値を再びみいだして勉強する機運が高まっているとはいえ、まだまだベビーカーの国ということを思い知らされました。

 

●イタリア:セミナーの様子

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ミラノの郊外にある、地区のコミュニティセンターのようなところで開催しました。靴を脱いであがる(といっても靴ぬぎのスペースはないので適当に笑)お部屋で、フレンドリーな雰囲気です。そこで私もみなさんも車座になってくつろいでお話しをしました。イタリアには4つのベビーウェアリングの団体があるそうですが、このセミナーを契機に、共に学ぶ機会を増やしていくのだそうです。こちらもライブストリーミングで配信しており、30名位の方が見ていました。

全員がイタリア語話者だったので、私が話したことをイタリア語で専門の通訳が説明するという流れになりました。途中でおやつタイムがあり、エスプレッソなども出るという、普段日本にはない雰囲気。楽しかったです。

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私が受ける反応はハンガリーと同じ感じでしたが、若干イタリアの方がリアクションが濃かったような…。太陽の国ですからね。
2ヶ所でセミナーをしてみて気付いたのですが、共同注意(joint attention)についてはあまり知られていませんでした。共同注意をするには日本式の高い位置でのおんぶがしやすいのですが、Back carry(腰おんぶ)だとそれがしにくいのです。今回はOnbuの内容だったので、背中にしょう状態の違いというものや、それを長く続けてきた文化や時間の厚みを感じました。

また、反対に宗教画のbabywearingのことを教えてもらう時間もあり、私にとっても充実したセミナーになりました。
終了後には時間がある人たちで近くのモールにランチを食べに行きました。途中、有名なアパート「ボスコ・バーティカル(垂直の森)」が見えました。 

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●イタリアのベビーウェアリング事情

イタリアには4つのベビーウェアリングの団体があり、400名ほど活動しているそうです。日本よりも人口は少ないけれども、専門家の人数は多いという印象でした。イタリアは織物の国です。産業としては伝統的にウール素材が使われていました。それらをそのままベビーラップにつかうことはできないのかもしれませんが、お土産でいただいたラップ素材のショールはとても軽くてかわいいデザインでした。日本の織物とはまた違う雰囲気で、さすがにファッションの国という印象を持ちました。

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最後に主催してくださったベルナデットとキアラには感謝しています。本当にありがとう。私も学ぶことが多かったです。

ベルナデットにはお家に泊めていただいて、普通のハンガリー人の生活を楽しませてもらいました。家庭菜園のお野菜もものすごく美味しくて元気になった気がしました。ドナウ川が青くなかったのはちょっとショックでしたけど。

キアラはとても明るくて楽しい人でした(そしてかっこいい!)。集まっていた皆さんも気さくに話しかけてくれて、嬉しかったです。お財布をホテルに忘れた私に2ユーロ貸してくれたあなた! ありがとう、助かりました。今度行ったときにお返します。

ヨーロッパの人たちがクリスマス直前や冬休みに集まるというのは、よほどのことだとそれぞれの通訳さんに言われました。そのように忙しいシーズンにみなさんの時間を使わせていただき、熱心な姿に心を打たれた店主でした。

ほんとうにありがとうございました。

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20周年で20柄に挑戦! おんぶひもの新柄。キュット ミー!は落ち着いた寒色系を。

昔ながらのおんぶひも
grove/パープル

価格:6,050円(税込)
北欧のデザインにありそうなドローイングの模様です。シックな色合いとミックスして大人かわいい感じに仕上がりました。

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昔ながらのおんぶひも ニートゥーニー
grove/カフェオレ

価格:7,150円(税込)
grove/パープルと同じ柄の色違いは赤ちゃんの〈お膝からお膝まで〉の幅があるニー・トゥー・ニーの背あてで作りました。北欧風で落ち着いた色合いが使いやすそうです。

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キュット ミー!
しじら織り/紺碧

価格:11,000円(税込)
昨年の初夏に発売した深いブルー系の「紺碧」。少しだけ復活して再販しています。生地がもうすぐ終わるので、これで最後の販売になります。これからの季節にぴったりなすっきり系のいろ。男性にもお似合いです。コンパクトな823もあります。

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キュット ミー!
しじら織り/カンパニュラ

価格:11,000円(税込)
カンパニュラの花言葉は「高貴」。鐘のようなかれんな花をつけるキキョウ科の植物は世界中で愛されています。少し深めの紫色を横糸にしたら、日本のスミレ色になりました。そういえばもうすぐスミレの季節ですね。

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次号予告
セレモニーの日の抱っこひも

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入学式や結婚式など、下の子を連れて参加する機会もあります。そのような時にはどんな抱っこひもがスマートでしょうか。お祝いの席にぴったりなコーディネート例や普段のキュット ミー!がゴージャスに見える工夫をご紹介します。




【編集後記】

先月の編集後記に新型コロナウィルスのことを書きましたが、1カ月経過して更に混乱してきました。こういう時は普段以上に落ち着いて冷静になりたいものです。うがいや念入りな手洗いなどが有効だそうなので、せめて家庭の中ではウィルスから守りたいものです。親が不安になったりうろたえると赤ちゃんが察します。どっしりいきましょう!

授乳中の方はその専門家の意見を聞きましょうね。母乳で育てている方はこちらのサイトが参考になります。
ICBLC(国際的な母乳育児の専門家)の戸田先生のブログはこちら

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