北極しろくま堂メールマガジン

vol.198 2017.12.06 助産師さんに聞く、育児のヒント:後編


助産師さんに聞く、育児のヒント:後編


11 月号に引き続き、12 月も助産師の近藤亜美さんに育児のヒントをお伺いします。

→→11月号の記事はこちらから→→

みなさんのお近くには気軽に悩みを相談できる助産師さんはいますか?普段気になっていてもなかなか聞けないことを、北極しろくま堂がインタビューしてきました。
今月は、妊婦さんのうちから知っていただきたいお話や、現代の育児ツールについて、抱っこひもについてなど情報もりだくさんです!

 


【妊婦さんと助産院】

Q.
妊娠中におっぱいのことで気をつけたほうがいいことはありますか?

A.
ある程度母乳が出る仕組みなどを知識として知っておくことは自分にとって助けになります。妊娠中は「出産後母乳はなんとかなるだろう」とか、「出なかったらミルクで」と考えている人が多いように思います。しかし実際出産すると、予想以上に母乳のことで悩んでしまう方が多いので、授乳のための準備をしておくと良いです。
出産後、母乳が出始める時地下水脈から水が湧き出てくるようにじわじわと出始めます。この時乳頭の先が硬いとスムーズに出ません。そこで「乳管開通」といって妊娠中から乳首の先端を丁寧にマッサージして、出産後母乳が作られた時に流れやすい状態に準備しておくことが大切です。入浴時等ご自身でマッサージします。指の方向、力のかけ方等は直接助産師に聞いて習うことをお勧めします。

 

Q.
妊婦さんのうちから助産院にいらっしゃる方はいるのでしょうか?

A.
いらっしゃいますよ。私は出産前に一度助産院に来ることをおすすめしています。
例えば妊娠中に母親学級に参加されるお母さんは多いと思いますが、1 回聞いただけでは理解しきれないんですね。ですから、もう一回助産院に来て復習すると、「そういうことだったんですね!」ってみなさんおっしゃいます。

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他には、出産前にしておくべき買い物のご相談にも乗っています。どうしても買いすぎてしまうことが多いです。「チャイルドシートはどんなもの準備している?こういうものがいいんだよ。」といった具合です。その時に抱っこひもについてお話しすることもあります。さらには「うち犬を飼っているんだけどどうしよう」といった相談を受けることもありますね。そういった個人的な相談の後に、赤ちゃんのお世話のことや、おっぱいの説明などを合わせてしています。

病院で出産する人は助産院に行くなら産後に相談するところというイメージがある方が多いかと思いますが、赤ちゃんが生まれる前の余裕のある時に産後の話を落ち着いて聞いておいてくださると、生まれてからの安心感が違います。一度会ってお話ししておくと生まれた後にも来やすいですよね。

「おっぱいが痛くなったり、子育てが大変になったら行ってもいいですか?」とよく聞かれるのですが、子育てをしたことがない人が最初からうまくやるといのは難しいと思います。だから大変になる前に来てね、とお伝えしています。出産前に小児科に行って育児のこと等を習うペリネイタルビジットという制度もありますが、助産師の方が気軽に相談できると思います。

 


【現代の育児について思うこと】

Q.
スマートフォンの普及で育児関係のアプリも様々出てきています。例えばおっぱいの専門家から見て、授乳アプリについてはどのように考えていますか?

A. 確かに使っている方は多いですね。授乳アプリについていうならば、初めて母乳育児をする人にとっては授乳時間や授乳間隔の目安を知るきっかけになって便利なのだと思います。タイマーで授乳するタイミングと時間を教えてくれて、記録まで残りますしね。

でも子どものおっぱいの飲み方は毎回一緒ではないんですよ。お腹が空いていてごくごく飲む時もあれば、おしゃぶりのようにただくわえて満足する時もあります。同じ分数飲ませても実は子どもの要求は違います。そういう違いを感じ取る力がアプリを使ってくると弱くなってくるように感じています。子どもの様子よりもアプリの画面が気になってしまうんですね。

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あとは、アプリで授乳を管理しているとスマホに1 日の流れが全部記録として残るので、毎回きっちり記録しなければと完璧を追求してしまうお母さんもいます。記録漏れがあると「虫食い」になってしまい「きちんとやっていないママ」になってしまったように感じるようです。

そこでAmi 助産院に来てくれたお母さんには「少しずつアプリを使わないでやってみよう」とお声がけしています。そうすることで自分の体の感覚や赤ちゃんの様子に集中できますし、一度虫食いを作ってしまうと「漏らさず記録しなければ」という脅迫観念も薄らいできます。アプリがなくても授乳ができるんだ、ということにも気づけます。

 


【北極しろくま堂商品について】

Q.
Ami 助産院では北極しろくま堂の商品を勧めてくださっていますが、あらためてその理由を教えてください。また使用した方の反応はいかがですか?

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A.
北極しろくま堂の商品をおすすめしているのは、やっぱりいいものだと思うからです。赤ちゃんを抱くということの本質を理解した上で、それを助けるツールとしてきちんと研究がされています。糸1 本からこだわっていると聞いて驚きました。だから使ってみるとお母さんも子どもも楽です。もう少し具体的に言うと身体に負担がかからず、抱く人抱かれる人の心が自然に育ちます。

そしてただ商品を作って売ることだけではなく、ベビーウェアリングのよさを日本のお母さんたちに伝えたいというコンセプトを会社自体が一生懸命伝えようとしている姿勢が好きです。ビジネスとしてだけでなく商品に責任を持ち、ベビーウェアリングよさを伝えるための努力を惜しまないことに敬意を表しますし、助産師として教えていただいていることがたくさんあります。

助産院に来たお母さんたちにお勧めしたり試着してもらったりしていますが、正直反応は
様々です。
スリングもへこおびも少し練習して慣れればそれほど面倒ではないのですが、見慣れているもの、周りの人と同じものを優先して選ぶ人もいます。お母さんと赤ちゃん双方の心身にメリットがあることやコンパクトで、気軽に洗濯できるなどのメリットをお伝えしていますが、響く人と響かない人がいるのは事実ですね。

第一子の時は買わなかったけれど第二子の時はやってみたいという方もいらっしゃいます。第二子の時の方が子育てに対して柔軟な考え方ができるからでしょうか。


Q.
Ami 助産院さんでは特にへこおびをおすすめしてくださっている印象がありますが、いかがでしょうか?

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A.
そうですね。へこおびが多いかもしれません。

へこおびをおすすめしたくなるポイントとしてはいろいろな使い方ができることと、扱いが楽なことですね。抱っこもおんぶもできますし、工夫次第でスリング状にも使えます。気軽に洗えるところもいいです。それに最近はマザーズバックとしてリュックを使う方が多いので、リュックが背負いやすいという点でもへこおびは評判がいいです。

スリングを勧める場合のポイントは「かわいい」ですね。赤ちゃんが入っている時の見栄えがとてもかわいいです。ファッション性が高いものが好きそうなお母さんにはスリングを最初に紹介して、そのあとにへこおびを紹介します。実用性重視の方かな、と思った時はへこおびが先です。お母さんの服装や持ち物、雰囲気を見て先におすすめするものを決めています。

パパが気に入って自分のへこおびを買った方もいらっしゃいましたよ。自分のことを「へこおびマスター」と言って笑っていました。

 


【お母さんたちにメッセージ】

Q.
今子育て中のお母さんたちに接していて、こんなところがすてきだなと思うところはありますか?

A.
自分のやりたいことや目指す姿をしっかり持っているところですね。子育てしながらも自分のやりたいことも実現しているパワーはすごいなと思います。

昭和の時代は子どもを産んだら仕事もやめて、家に入って「母」に専念することを求められていたようなところがありましたが、今は時代が違います。私自身も、何もかも捨ててお母さんにならなくていいんだよってお母さんたちには伝えています。

今のお母さんたちは多くの顔を持っていますね。母、妻、娘、職業人…どのシチュエーションでどの自分でいるかをうまく使い分けているなと思います。そして価値観が多様化してきているなとも感じます。人それぞれ、大切にしたいことやりたいことが違って、多くの情報の中からうまく選択して自分の生活、人生を豊かにしようとしている姿はすてきですね。

 

Q.
最後に助産院に行ってみたくなるような(笑)メッセージをお願いします。

A.
情報化社会にあって、何かあったらスマホで簡単に調べられる時代になりました。でもその一方で直接人に聞くことに慣れていない人も多いように感じます。メールの相談はできるけれど人と話して相談するのが苦手という声も聞きます。しかしあえて、私はメール相談を受け付けていません。実際に声に出して誰かに相談することで、自分の殻を破ってほしいと思っているからです。

 

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「あのね、亜美さん、今こうなんだけど」と、声に出して人に聞く練習がほんの少しでもできるとその後の子育てすごく楽になると思うのです。

子どもが大きくなって特に学校へ行くようになると、親だけでは解決してあげられない子どもに関する悩みも出てきます。その時にしかるべきところに相談できる親力をつけるためには、人に相談したり聞いたりする練習を早いうちからやっておかないと急にはできないです。些細なことでも自分の言葉で発して相談する練習をお子さんが小さいうちから練習してほしい、その練習の場所のひとつとして助産院に来ていただきたいです。助産師はいつでもお母さんの味方ですから「人に頼る力」を養って欲しいと思います。

インターネット上で調べるとなぜか不安が掻き立てられるような感覚になることがありますが、そうなる前にまず助産院に来てください。実際に会って、もしくは電話でもいいので「大丈夫だよ」と言われるととても安心できると思います。

そして、ぜひ妊婦さんのうちに一度助産院に来てほしいと思っています。今は出産ギリギリまで忙しく働いている妊婦さんが多くて、みなさん出産後に自分がどうなるかイメージができないまま出産の日を迎えてしまうようです。赤ちゃんといえば、あのスヤスヤ寝ているかわいい姿をイメージされるかと思いますが、どうして泣き止まないのか困惑する感覚までは想像が及ばないと思います。出産前に産んだあとの生活を想像できるようなお話ができれば、知らないよりもずっと赤ちゃんとの時間がしあわせに感じられるのではないでしょうか。

 



 

いかがでしたか?「助産師さん」と聞くと産む時と産んだ後にお世話になる人というイメージがある方も多かったかと思いますが、ぜひ妊婦さんのうちから一度会いに行っていただきたいです。もちろん、育児に迷ったり困ったりしたお母さんも、躊躇せずに助産師さんを訪ねていただきたい…そんな思いを込めてインタビュー後編をお送りしました。みなさんの育児のヒントになればうれしいです。

 

へこおび
オリンピアード/バンブー

価格:5,940円(税込)
オリンピアードシリーズの新色、バンブーは明るめのグリーン2色の組み合わせ。布の上下がわかりやすく、ねじれ防止にも。

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へこおび
オリンピアード/バンブーライン

価格:5,940円(税込)
オリンピアードシリーズの新色、バンブーラインは、グリーンとブルーの配色。真田織りのラインがおしゃれです。

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へこおび
遠州綿紬/富士山

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生地の美しさに定評のある遠州綿紬。ハリのある素材なので、一度お洗濯するとぐっと肌になじみやすくなります。

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へこおび
renkon/オレンジ×あさ黄

価格:8,640円(税込)
パッと目をひく明るい配色です。ジャガード織りは生地に厚みがあるので肌に食い込みにくく、重たくなってきた子の抱っこ&おんぶにピッタリです。

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次号予告
Academic Babywearing Conference Technique 2017 Report

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11/29〜11/30に大阪、12/212/3に東京で開催されたベビーウェリングカンファレンスに北極しろくま堂スタッフも参加してきました!パパママ向けから指導者向けまで幅広いクラスが開かれ、海外からも講師を招いてのカンファレンスです。次号でその様子をレポートします!




【編集後記】

年々、秋が短くなっているように感じます。ちょっと前まで暑かったのに、急に寒くなってしまい、薄手のコートの出番がほとんどありませんでした。体調も崩しやすい時期ですので、お母さんも赤ちゃんもどうぞお気をつけくださいね。

さて、2ヶ月に渡ってお送りした助産師さんインタビューの特集はいかがだったでしょうか。今子育て中の方はもちろん、妊婦さんやこれから赤ちゃんを授かりたいと思っている方、もっと言えばすべての女性に読んでいただきたい!という思いで編集しました。

子育てに関する悩みは、実際に赤ちゃんのお世話をしている現役ママさんだけでなく、見方を変えればすべての人の悩みに当てはまることだなと思いながら助産師の亜美さんのお話を聞いていました。私自身、人に相談するのが少し苦手だなとか、なんでもメールで済まそうとしてしまうなとか、自分で作ったルールにがんじがらめになっているな、など…。自分のことを客観視するよい機会になったように思います。

声に出して話をするというのは、特に女性にとってはよい気分転換やストレス発散になるのでしょうね。みなさんもかかりつけの助産師さん、ぜひ見つけてみてはいかがでしょうか。

SHIROKUMA mail editor: MK②

EDITORS

Producer  Masayo Sonoda
Creative Director  Mai Katsumi
Writer  Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer  Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer  Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration  823design  Hatsumi Tonegawa
Web Designer  Nobue Kawashima