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災害時に親子で避難したときに役に立つ情報まとめ

災害時に親子で避難したときに役に立つ情報まとめ

被災して命からがら避難したあと、次の困難は避難生活です。当事者の目線から何が必要か考えてみると荷物が小山くらいの大きさになりそうです。それを持って避難するのは無理そうですよね。おむつのがないときの対処法赤ちゃん連れの避難の仕方はすでに書きました。この記事では、避難生活に役立つページや情報をまとめました。チェックしてくださいね!

この記事では、特に災害時に役立ちそうな、専門家が発信している信頼できる記事を紹介します。

役に立つページ

まずは、避難児の栄養や親子避難のための情報として役立つ団体と個人を紹介します。ぜひブックマークをしてください。

○日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)
災害時のリンク集はこちら
ラクテーション・コンサルタントは国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)とその他母乳育児支援専門家で作られている非営利団体です。ラクテーション・コンサルタントは非常に高レベルな資格で、認定された方はプロ中のプロです。日本ではほぼ医療者が占めています。

IBCLCはひじょうに信頼されている団体です。母乳だけでなく、災害時のミルクのつくりかたや飲ませかた、衛生についてなど詳細にまとめられているで、必要なページをブックマークしておくと良いでしょう。

赤ちゃんの栄養については上のサイトを参考にしていただくとして、以下は事前にチェックしておく、あるいは事前に試しておくための情報です。

○アウトドア防災ガイド あんどうりす さん
あんどうりすの 防災・減災りす便り
ん? いきなり個人? と思われるかもしれませんが、あんどうりすさんは2003年からアウトドアでのスキルを防災に活かす工夫を紹介してます。ひじょうに研究熱心な方で、疑問に思ったことはなんでも調べて、わからなければ専門家(大学の先生など)に質問して(時には会いに行ってまで)、それらをアウトドアのスキルでパッケージしてわかりやすく教えてくれます。
講演も大人気! テレビやラジオでも活躍しています。

近年はアウトドアブームということもあって、アウトドア用品を持っているご家庭も多いでしょう。りすさんのサイトを参考に、いざという時にアウトドア用品をどう役立てるかを予習しておきましょう。

あんどうりすさんのサイトではマンガで紹介しているページもありますよ! スクショしておくといいかもしれませんね。
災害時の乳幼児栄養についてのページはこちら
水害時の早期避難についてのページはこちら

○ベビーウェアリングコンシェルジュ
だっことおんぶの研究所
だっことおんぶのスペシャリスト、ベビーウェアリングコンシェルジュのなかには、防災系の資格を持つ方もいます。講座によっては、抱っこ・おんぶの仕方と防災と両方学べますよ。
上記ページのキーワードに「防災」と入れてみてください。

乳幼児をつれて避難した親子のために

避難所の設営や管理に携わる皆さまへ。

○親子のための場所の確保
避難所運営を担当する方は、まず親子のためのまとまったスペースを確保していただきたいです。大きな場所をよこせということではなく、目隠しがされた、できれば声が届かない(でも人の気配は感じられる)ような場所を確保していただければと思います。

なぜなら、赤ちゃんは行動のコントロールができないので、昼夜問わずに泣きますし、授乳もします。親子のグループであればお互い様という意識も生まれやすいですが、赤ちゃんとの生活に慣れない方たちのなかで過ごすことになると、親(特に母親)の心理的な負担が増します。

母親の心理的負担が大きくなることは、赤ちゃんにとってもマイナスに作用しやすく、悪循環を招きやすいと考えられています。泣く→親が困る→赤ちゃんが察してまた泣く→どうしようもなくなる、というカタチになりやすい。親は赤ちゃんを抱いて避難所の外にでたり、車に籠もったりします。
他に避難する場所があればいいですが、避難所にしかいられない親子もいるので、ぜひ配慮していただきたいです。

○母乳の親が直接授乳を継続できるように支援
災害時に母乳で育てている方はそれだけでアドバンテージがあります。消毒しなくても栄養たっぷりなお乳がでてきます。それには栄養だけでなく抗体が含まれたり、水分量を調整したりと、赤ちゃんにとってオーダーメイドの状態が保障されています。

また、母乳育児の親が母乳を続けることで、混合栄養やミルクで育てる方にミルクを融通することができるのです。液体ミルクの数を確保することに通じます。ほ乳瓶の消毒をするにも水が必要になります。母乳の親子が母乳を続けるだけで、助かる親子がたくさんいるのです。

母乳を続けるためには、お母さんじしんがリラックスすることがとても大切です。緊張していたり強い不安を感じ続けていると授乳量が不安定になりがちです。そして、授乳中の女性はふだんよりもたくさんの水を必要とします。ですから、そのケアをしてください。避難所管理者ができなければ、そのケアを医療者や理解のある年長の女性に任せてもよいでしょう。

○ほ乳瓶がなくても授乳できます
日常生活では赤ちゃんに何かを飲ませるときにはほ乳瓶がマストですが、赤ちゃんは実際にはスプーンやコップ(紙コップが最適)でも飲むことができます。
上記のラクテーション・コンサルタント協会のサイトおよび、あんどうりすさんのサイトに情報があるので一度確認しておいてください。

また、母乳もミルクもない場合は、砂糖水を飲ませることもできます。飲ませられるのは5%糖水ですが、計量カップ1 にスティックシュガーが2本と覚えてください(湯冷ましで作りましょう)。これも平常時にいちど作って、味見しておくとよいでしょう。筆者はかなり甘いと感じました。

不適切なマーケティング

母乳育児に詳しくない医療者や親は、災害時にはミルクが必要だというような主張に接すると「なるほど!」と思ってしまいますが、これらの情報は赤ちゃんの栄養についてちゃんと理解しないまま発信していたり、企業の思惑が強く入り込んでいることがあります。
WHOでは液体ミルクや人工乳の不適切なマーケティングを規制していますが、日本ではあまり守られていないようです。出産後の母親に無差別に人工乳のサンプルを渡したり、乳業メーカーの栄養士が個別に相談を受けるのも禁止されています。

感想など

いぜんに東京都が出した防災マニュアルで、災害時のために母乳の母親も外出するときにはほ乳瓶とミルクを持ち歩きましょう、みたいな提案がありました(今は消されていると思います)。家にほ乳瓶を20本用意するべし、も意味不明でした。な、なんで? これには筆者は椅子から転げ落ちました。
四角四面で考えるとこんな非現実的な対策になります。身近にあるもので工夫したいものです。

これまで、赤ちゃんのいるご家庭の防災はあまり検討されてきませんでした。赤ちゃんがひとりいるだけで、健常の大人だけ、あるいは走れる小学生以上の子どもがいるご家庭とは違う対策が必要になります。数年間のことですが、ぜひ自分事として考えてみてください。

あと、筆者がいつも気になっているのは、避難所や災害時の性暴力です。ほんとうに許せません。被害にあったら二重三重の苦悩を背負うことになります。
そうならないような社会になってほしいし、安全な避難所であってほしいと願っています。

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