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スキンシップが赤ちゃんの認知能力を高める〜赤ちゃんと心地良くスキンシップをする方法〜

スキンシップが赤ちゃんの認知能力を高める〜赤ちゃんと心地良くスキンシップをする方法〜

赤ちゃんを抱っこしたりおんぶすると直接的なスキンシップ(skin to skin)につながります。ベビーマッサージも良いけれど、ふだんから抱っこやおんぶで「触って」いれば、それだけで赤ちゃんは癒されているんです。
抱っこやおんぶの時間を絆づくりにかえられたらより良いと思いませんか。スキンシップの利点と抱っこやおんぶでその利点を活かす方法をご紹介します。

スキンシップが赤ちゃんの成長に大切な理由

スキンシップの効果

スキンシップは親子の精神的なつながりを強化する方法としてとても有効だと考えられています。
触れることで愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが放出され、より母親らしい行動をとるようになります。実はスキンシップを促しているのは赤ちゃん側だという研究報告もあります。赤ちゃんが泣いたりすることで、自分への世話を促し、養育者(日本の場合はだいたい親が多いですが)にオキシトシンを放出させる→親はより赤ちゃんをかわいいと感じる→子の生存確率が高まる・・・という具合に。オキシトシンはよい養育行動を促し、それが世代間を越えてよい連鎖を生み続けると考えられています。その基底にあるのがスキンシップです。
いずれにしても、ヒトはスキンシップがないとうまく生きていけない動物です。それは心の成長だけでなく、大きくみるとスキンシップが不足している悪循環から手を掛けてもらえないということによる身体の発達にも影響するようです。

スキンシップが不足することによる悪影響

これまでいくつかの研究では以下のようなことが明らかになっています。いずれも100-80年近く前の事例です。
・中欧の孤児院では接触不足によって、赤ちゃん(小さな子ども)が亡くなってしまった、正常に育たなかった
・アメリカの病院(小児科)で人から感染するウィルスを避けるために赤ちゃんに触れなかったら死亡率が急激にあがった
など…。痛ましいですね。
心理学者のハーロウが針金で作ったミルクが供給される母猿模型と、お腹は満たされないけれども毛布で作った母猿模型で実験をしたのは有名です。赤ちゃん猿はお腹が空いたときだけ針金+ミルクの模型に行き、それ以外はずっとタオルの模型にしがみついていました。その後にボウルビィが愛着理論を完成させました。

身体の栄養がないと死んでしまいますが、心の栄養も大事です。それを与えるひとつがスキンシップです。

スキンシップのとりかた

どんな方法があるのか

触れるといわれて思い浮かぶのはベビーマッサージではないでしょうか。
最近は子育て支援センターなどの公共施設でもお教室が開催されていることがありますので、利用してみてはいかがでしょう。youtubeなどで公開されている動画を見ながらでもできますが、あえて出掛けて自分の子以外のたくさんの赤ちゃんをみることも思いも掛けない発見がありますよ。(今はコロナ禍でお出かけは難しいですね)

もちろん、抱っこやおんぶをすることもスキンシップのひとつです。
以前は抱きぐせはよくないもののように言われていた時期がありましたが、抱きぐせというものはありません。気にしないでたくさん抱っこやおんぶをしましょう。ただし、赤ちゃんの発達にとっては同じ姿勢を続けるのはあまり褒められたことではありません。寝たら降ろす、布団やバウンサー、なにも敷かない床に直接寝かせてみるなどの経験を積ませてあげましょうね。抱き癖に関してはこちらの記事もご覧ください。
意外に思われるかもしれませんが、どこか身体にふれながら唄を歌ったり、話しかけるのも大切なスキンシップです。しかも赤ちゃんにとっては触れられながら新しい経験を積むことで、脳の学習機能が促進されることがわかってきました(Tanaka et al.,2018)*。体に触りながら言葉を聞かせると言葉の覚えが良くなるのです。

抱っこやおんぶの効果について

抱っこやおんぶをすると、親は自然に揺れたりリズムをとったりする方が多いです。直立不動で抱くほうが難しいかもしれませんね。どうしても泣き止まない時に抱っこして歩き回ったら泣き止んだ、寝てくれたという経験がある人もおおいでしょう。
これは科学的に証明されている、赤ちゃんの本能を利用したやり方なのです。
理化学研究所では”赤ちゃんを抱いて座っているとき”と”赤ちゃんを抱いて歩いたとき”の赤ちゃんの心電図をとりました。その結果、赤ちゃんは抱かれているだけではなく、抱かれて+歩いているとリラックスするということがわかりました。詳細はこちらです。

親が抱っこして揺れているのは、赤ちゃんを泣き止ます/落ち着かせる効果があることを、親になると経験的に学んでいるからですよね。抱っこ・おんぶ+揺れというのは、赤ちゃんにとってとても心地良いことなのです。
その時に忘れてはならないのは、密着して抱っこするということです。詳しくはこちらの抱っこを解説したページを見てくださいね。写真入りでわかりやすく解説しています。

スキンシップに抱っこ紐やおんぶ紐を活用するポイント

よりスキンシップにつながる使い方

触れられるということが良いならば、触れる面積が大きいものがよいですよね。一般的にSSC(ソフト・ストラクチャー・キャリア)と呼ばれている腰ベルトがついてすとんと赤ちゃんを入れるものよりも、布製のスリングやへこ帯などのほうが密着する分、触れる面積は大きくなります。もともと運搬のために設計された抱っこ紐と子育てと仕事を両立するために使い続けられてきたものは、根底に流れる意味が違うのです。

更に触れながら見たり聞いたりしたことがより赤ちゃんの学習に繋がるとなれば、親と子が同じものをみながら生活するという二重の効果が生まれるかもしれません。
反対に長距離を移動する(昔なら市場に行くとか、隣村に行くとか)のばあいは、運搬目的で作られた道具の方が合理的でエネルギー消費量が減る可能性が大きいです。長時間の運搬とスキンシップとは別の話なのですが、同じ「抱っこひも」のカテゴリーに入っているのでわかりにくいですね。

スキンシップ重視の抱っこひもー選び方のポイント

スキンシップを赤ちゃんの成長に役立てたいならば、スリングやへこ帯、おんぶ紐などの布製の抱っこ紐・おんぶ紐がぴったりです。
布製のものは安全ベルトなどが付いていないので、密着してつかわないと危険です。ですからいつでもママ/パパと赤ちゃんがぴったりくっついています。

最近はベビーラップも流行っています。これはサイズもいろいろ、素材もいろいろあります。Shortサイズなら、リングを使ったり縛ったりしてスリングのように使うこともできるので、抱き/降ろしも簡単です。
都市部で長時間電車で移動するような場合は、身体の負担を考えてベビーラップもお勧めです。商品はこちらから。

まとめ

普段から自然に親子が触れる機会として抱っこやおんぶをお勧めしました。たまには親子で気分転換するのにはベビーマッサージも良いですね。
筆者が以前ベビーマッサージ教室を受講した時に、その部屋にいた10人くらいの赤ちゃんが全員寝てしまったという経験があります。講座が終わるまでひとりも目覚めなかったのです。触れるというのは赤ちゃんをリラックスさせるんだな、ということを身をもって体験しました。

*Y. Tanaka, Y. Kanakogi, M. Kawasaki, and M. Myowa, The Integration of Audio-Tactile Information Is Modulated by Multimodal Social Interaction with Physical Contact in Infancy, Dev. Cogn. Neurosci. 30, 31 (2018).

北極しろくま堂では科学の知見を正確に理解し、皆さまにご提供できるよう日々努力しています。単にうちの商品はいい、かっこいいではなく、それぞれの親子にあった製品をお手元にとどけられるようにしたいです。