BLOG ブログ

おんぶはいつまでできるか問題

おんぶはいつまでできるか問題

おんぶっていつまでするんだろう? いつまでおんぶができるんだろう? メーカーの説明では○○㎏までと書かれていますが、実際は? 今日はおんぶのやめ時期について解説します。

夕ご飯を作ろうと思うタイミングで子どもが泣き出したり、ぐずったり。「電車みたい〜」なんて言って、こちらの都合はお構いなし。そんなときはおんぶで乗り越えるとママもやりたいことができるし、子どもも満足することが多いようです。

おんぶがつらいと思ったら

おんぶが辛いからおんぶをしたくない! 肩が痛かったりするとそう思いますよね。

身体への負担がかかりにくいおんぶのしかた

おんぶは低い位置になればなるほど、使用者側の負担が増します。
重くなってきた場合は、おぶい方(紐のしばり方)を工夫すると良いでしょう。胸の前でばってんするのがスタンダードなやり方ではありますが、『リュック式+フィニッシュをチベタン』で紐をしばると比較的楽に過ごせる方が多いようです。また、おんぶしている途中で揺すり上げて、ずり下がらないようにするとラクになります。
チベタンというのはチベット式という意味で、紐が交差していることを指すようです。詳しくは以下の動画で確認してくださいね。

使用者が背中をまっすぐに、あるいは反らせるような姿勢をとっているならそれはやめましょう。特に日本式のおんぶは背中で重みを支えるものです。少しかがむように肩を入れるとラクにおぶえることがあります。

こうやってラクな位置ができてもおんぶが辛いなら、親都合で止めるのはアリです。

言い聞かせてみる

何をやってもママの身体がもたない、つらいと思ったときには、正直にお子様に話してみてはいかがでしょうか。子どもは言葉のひとつひとつは理解できなくても、状態を理解することは得意です。表情やしぐさでわかるのです。
おんぶしているとママの肩が痛いの、だから今日はこれで遊んでくれるかな? などと話し合ってみましょう。もしこちらの言うことが理解してもらえないなら、しかたない。おんぶしなくてもいいじゃないですか! おんぶは子どもにたくさんの利益ももたらしてくれますが、どちらか一方がつらい思いをしてまでしなければいけないことではありません。

おんぶをしなくなるタイミング

自然と子どもからおんぶをせがまなくなった場合はいわゆる「卒乳」と同じで、問題なくバイバイできますね。残るのは美しい思い出だけ…? \(^O^)/
まずはおんぶがママと子どもにとって嫌になってくる事例やタイミングをご紹介します。

身体の成長が要因になる

赤ちゃんが成長してだんだん子どもらしさがましてくると、いろんな感想を言ってくれたりします。その時におんぶやめると言い出す場合があります。

意外に多いのが男の子特有の痛みや違和感。2歳すぎくらいの男の子をおんぶしている場合、おんぶ紐の形状によっては性器が痛いと訴える子がいます。緩くて腰で支えるおんぶ紐ではこのようなことはないようですが、きっちりおんぶできる昔ながらのものやギュッと密着できるへこおびは時々痛みを訴える子がいます。この場合は、おんぶ紐の形状を変えると良いでしょう。下記画像のおんぶひもは生後4カ月から使えますが、1歳以上の大きなお子様だとお尻の部分が少し沈み込むので2〜3歳でも痛くないようです。

幅広の昔ながらのおんぶひも
ニートゥーニー(幅広)サイズのおんぶ紐

ひとり(またはきょうだい)遊びができるようになる

ひとりでも飽きることなく十分遊べるようになったり、きょうだい間で遊びが成立するようになるとおぶわれているより遊んでいる方が楽しくなります。それもおんぶをやめるタイミングのひとつです。
でもテレビや電子機器に《長時間》お世話をさせるのは感心しません。ヒトは人と人との交わり、”群生環境”で育つことがとても大切であり、特に社会心理面の発達が期待できます。
テレビやデバイスの決まりきった反応や一方的な情報は子どもを成長させてくれることはありません。それならば音楽をかけて楽しんだり、踊ったりという方が良いのかもしれません。

危険なことがわかる

赤ちゃんはハイハイしてしばらくすると、落ちそうな高いところとそのまま進んでも大丈夫なところを判別できるようになります。落下についてはおおよそ判断がつくようになるのですが、危険なものに関しては学ばないと判断できません。赤ちゃんが学ぶ? どうしたらいいのかと途方に暮れるかもしれませんが、やり方は簡単です。見せていれば良いのです。もしママが生活の中で危険なものに対処しようとしたときにそれを隠すよりも、安全な場所から見せておくことが大切です。

南アメリカ大陸の原住民族は生まれてすぐから身体の脇(腰骨あたり)に抱っこされて育ちます。その子ども達は危険な場所や道具などは小さいうちから理解して、それなりの所作で対応できるようになっていくそうです。アフリカの赤ちゃんは生後10カ月ごろには鉈(ナタ)を使ってモノを叩く真似ごとをします(Rogoff, 2006)。
日本式のおんぶの良さは背中から親がやっていることが見えることです。お湯が沸いたら鍋がぐらぐらすること、それは熱いこと、湯気も熱いこと、包丁は切れること…。改めて言葉で教えようとすると難しくなりますが、見てなんとなく理解することは赤ちゃんでもできます。
そうして育った子どもは生活のいろはも危険なことも理解していますので、あまり大きな怪我を負うような危険なことはしなくなるでしょう。

まとめ

おんぶの話しを中年以上の方にすると様々な感想を話してくれる方がいます。男性が多いです。
・母親の肩で聞いた声が懐かしい(身体を通じて聞こえる声は対面で聞く声と違いますね)
・暖かかった
・いつも○○ができあがる様子をお母さんの背中から見ていたことを急に思い出した
など。

製品としてのおんぶひもは15キロ前後まで使えるようになっていますが、製品の安全性と使用者の体力はイコールではありません。おんぶがつらいなと思ったら上記のやり方を試してみて、それでもたいへんだったらお子様と話し合ってみてください。それもひとつのコミュニケーションではないでしょうか。

参考:
『アフォーダンスの心理学』(エドワード・S・リード著/細田直也訳、佐々木正人監修/新曜社/2000年)
『野生への旅ーいのちの連続性を求めて』(ジーン・リードロフ著/山下公子訳/新曜社/1984年)
アイキャッチ画像は『紀州名勝圖繪/天保8年(1837)編纂』より