へこおびとベビーラップを徹底比較する〜あなたはどちらを選びますか?〜


北極しろくま堂では2019年より厚みのある生地を使ったへこおびを発売しています。主にジャガード(織り)を採用していますが、なかにはドビー(織り)の製品もあります。これまで厚みのある生地はベビーラップに採用することが多かったのですが、へこおびに使うようになった流れには理由があります。子どもの重みがかかっても使用者の負担になりにくい、体重の分散がしやすいというメリットがあるからです。

へこおびとベビーラップはカタチも用途も似ているので悩んでいる方も多いと思います。この記事を読めば、あなたがへこおびを選ぶべきかラップに行くべきか、どちらを選んだらよいのかすっきりわかりますよ!

目次

    1. へこおびとベビーラップの比較
      1-1.大きさと重さ
      1-2.できること、できないこと
      1-3.それぞれの起源
    2. へこおびをお勧めしたい方
      2-1.始めて布製の抱っこひもを使う方
      2-2.結び方や巻き方に悩みたくない方
      2-3.コンパクトに持ち運びたい方
    3. ベビーラップをお勧めしたい方
      3-1.抱っこやおんぶを徹底的に楽しみたい方
      3-2.布製抱っこひもに慣れた方
      3-3.ファッションとして楽しみたい方

1.へこおびとベビーラップの比較

1-1.大きさと重さ

抱っこやおんぶをする「へこおび」はだいたい大きさが決まっています。幅38~42センチくらい、長さは4.5メートルあります。両端は切りそろえられ、全体を俯瞰して見ると帯状の長方形です。詳細はこちらをご覧ください。もともとは絹で作られていた呉服としてのへこおびですが、育児用品として作るにあたってお洗濯のしやすさや経済的な面から綿製品にしました。

北極しろくま堂がへこおびの販売を始めたのは2003年でした。当時は楊柳という生地を使って、周囲をバイヤステープ(このテープもオリジナルで作っていました)を巻いていましたが、その後しじら織りで製造するようになっていきました。重さはしじら織りのものは215グラム程度、Lenny Lambとのコラボ商品でジャガード織りのものは495グラムあります。写真のコラボ商品は布デザインによって織り方が異なっており、重さがそれぞれ違うので一律ではありません。

2020年1月現在、北極しろくま堂での製造および取り扱いのあるへこおびはすべて綿製品です。今後は多素材の混紡も検討していきます。

ポーランドのLenny Lambと共同制作したへこおび。今後も様々な色やデザインを展開します。

一方、「ベビーラップ」の幅はへこおびの約2倍弱、68センチあります。長さは270〜520センチと幅があり、サイズが分かれています。詳細はこちらをご覧ください。ベビーラップのサイズはだいたいどのメーカーも同じようなものなので、使用者のベースサイズがわかっていれば、どこのメーカーのものでも自分に合ったものを探すことができます。

布の両端は斜めにカットされています。これは様々な巻き方・結び方で布が足りなくなったときにも結べるようにという配慮から工夫されたものですが、斜めになっていることで結びやすさにも繋がっていると感じられます。ベビーラップのほとんどの生地は厚みがあるため、端が直角になっていると布のボリュームが多すぎて縛りづらいのです。

布の組成については、北極しろくま堂は取り扱いのしやすさを勘案して綿で織っています。他社製品には麻や絹、ウール、指定外繊維(竹)などがブレンドされた布もあります。どれがよいかは甲乙付けがたく、使用する方の使い方や考え方によって、洗濯のしやすさを考慮するのか滑りの良さや繊維の美しさを優先するなど、様々な基準があるでしょう。絹やウールといった動物性の繊維は洗濯や保管が難しいため、当社では今のところは導入していません。

1-2.できること、できないこと

「へこおび」はおんぶと抱っこができます。抱っこする巻き方は主な方法が2種類、それに慣れてくるとあと数種類の巻き方を楽しむことができます。新生児から使えます。北極しろくま堂でへこおびを発売した2003年当時は、おんぶでの使い方のみをご紹介していましたが、2006年頃から抱っこひもとしても使えることを紹介し始めました。当社の取り扱い説明書には胸の前で抱っこする方法が2つとおんぶする方法が1つ掲載されています。

へこおびと聞くとおんぶするもの(1-3参照)とイメージするのは昭和40年代までに子育てした世代でしょう。確かに昔はおんぶをするためにも使用していましたが、それはおんぶがマストだったからだと考えられます。当時、抱っこで外出するなんて、ちょっと珍しいお母さんと思われたかもしれません。

へこおびにできないことは、日本式以外のおんぶです。欧米のおんぶ、つまりBack Carryは安全上やらないほうがよいでしょう。もともと海外のおんぶは腰に赤ちゃんを乗せて深く座らせるものです。その時の安全は赤ちゃんの首から膝まですっぽりと布の中にくるむことと、しっかり座らせていることで確保します。へこおびは布幅が狭いので体全体をおんぶで包み込むことは難しいです。

「ベビーラップ」は数えきれないくらいの抱き方(巻き方)とおぶい方があります。日々新しい巻き方が開発されていると言ってもまちがいではないでしょう。新生児のうちは基本的なFWCC(フロント・ラップ・クロス・キャリー)くらいしかできませんが、4カ月からの首すわり以降は様々な巻き方で楽しむことができます。

ベビーラップにできないことはほとんどないと思われますが、できるようになるまではへこおびの数倍の練習が必要でしょう。特に日本ではベビーラップでおこなうような「引き締め」はあまりしません。日本では「赤ちゃんの体をぐるぐる巻きにして動けなくする」ということはこれまでやってこなかったと思いますが、ベビーラップはそのあたりの動作が不可欠です。また筆者個人の感想なのですが、体格が大きく握力がありそうな外国の女性は布さばきがラクラクできているように見えるのですが、筋力の少ない小柄な女性が出産後にいきなりチャレンジするのはちょっと体力的にも難しいように思えます。

1-3.それぞれの起源

「へこおび」はもともと薩摩藩の少年兵が使っていた柔らかい帯です。マンガ「サザエさん」では、波平さんが帰宅すると着物に着替えていますが、その時に腰に巻いているのがへこおびです(ときどき角帯を締めているときもあります)。日本のもともとの機織機は小幅という着物の反物の幅までしか織ることができなかったのですが、昭和初期にはヤード機(約90センチ)が普及し、その後には幅広のへこおびも作られていました。

へこおびは正絹で作られています。今でも呉服屋さんで購入することができますし、堅い帯の代わりに使ってもかわいいです。現代では子どもの浴衣用のへこおびがたくさん販売されていますが、だいたいポリエステルなどの化繊でできているため(長さも足りないので)おんぶには向きません。

「ベビーラップ」は1972年に創業したドイツのディディモス社が、メキシコで行われていたレボゾという布で抱っこする風習に感銘を受けて開発したものです。世界中で布で赤ちゃんを抱っこしたりおんぶする風習はありますが、ベビーラップという名称で明確な使用目的をもった製品を作ったということは革命的なことだったでしょう。ちなみに日本でおんぶ紐が発売されたのは1930年代(昭和10年前後)でした。それまではへこおびやさらしのような細長いものを使っておんぶしている地域が多くありました。

幅はメーカーによって変わりますが、狭いものでは65センチ程度、広いものでは75センチ程度まであります。これは織機の大きさ(織れる幅)にも由来しているように思います。

2.へこおびをお勧めしたい方

2-1.始めて布製の抱っこひもを使いたい方

布製の抱っこひもは赤ちゃんが気持ちよさそうにしていると感じたことはありませんか? ヒトは布でくるまれると安心するそうです。ぜひ布製の抱っこひもで子育てしたいと考える方は、最初はへこおび(またはリングスリング)をお勧めします。新生児〜生後2ヶ月くらいまでは家の中で過ごすことが多いと思いますが、へこおびは朝巻いてしまえば、赤ちゃんを降ろすときにもほどかずに降ろすことが可能です。次に抱っこする時には再度巻き直す必要はありません。

2-2.結び方や巻き方に悩みたくない方

へこおびは幅の狭さ故にできることが限られています。基本的には抱っこが2種類、おんぶが1種類です。逆にそれしかないので、巻き方に悩む必要がありません。もしあなたが毎日インスタに抱っこやおんぶの様子をアップしたければ、迷わずベビーラップをお勧めします。しかし日常生活として抱っこやおんぶをするのであれば、やり方に悩まない方がすっきりするでしょう。そういう意味ではへこおびはミニマリスト向けかもしれません。

慣れてくると他の巻き方もできるようになります。結んでスリングのように使ったり、リングを使って調整しやすくするなどの展開が可能です。

2-3.コンパクトに持ち運びたい方

へこおびはベビーラップの半分の幅しかないので、コンパクトに持ち運べます。しじら織り以外の国産ジャガード織りを使ったへこおびや2019年12月からポーランドのLenny Lamb社とコラボして作っているへこおびは厚みがありますので、しじら織りよりは嵩張りますが、それでもベビーラップに比べると半分程度と言えるでしょう。

※へこおびのデメリットとして、重くなった子をおんぶすると肩に食い込みやすいという点がありましたが、厚みがある布でそれを解消しました。

ジャガード織りのベビーラップとしじら織りのへこおびの大きさ比較。いずれも北極しろくま堂の製品

3.ベビーラップをお勧めしたい方

3-1.抱っこやおんぶを徹底的に楽しみたい方

へこおびでは基本的に抱っこの巻き方2種類とおんぶしかできませんが、ベビーラップはそれこそ数百のパターンがあると言って良いでしょう。生まれたばかりの赤ちゃんは首がすわっていないのでFWCCのみになりますが、首がすわったら、腰がすわったら、それぞれできることが格段に増えていきます。ベビーウェアリングの愛好家のなかには、1ヶ月間毎日違う抱っこやおんぶの方法をやってインスタにアップするというイベントもあります。そういう意味で抱っこやおんぶを楽しみたいという親御さんにはうってつけです。

また、一枚の布を巻き付けて抱っこやおんぶをしていると、よい意味で目立ちます。赤ちゃんも布に巻かれると落ち着いてくれることがほとんどなので、スマートな親子にみられるかもしれません!!

ただでも負担が大きく思うように物事が進まない子育て期ですが、今はソーシャル・ネットワーキング(SNS)で世界中の人と繋がって楽しめる時代です。これをベビーラップを通じて楽しむという選択もあるのです。

3-2.布製抱っこひもに慣れた方

筆者は抱っこやおんぶのご相談にいらっしゃった親御さんに最初からベビーラップをお勧めすると言うことはまずありません。導入としては難しいと感じるからです。ふにゃふにゃの赤ちゃんに戸惑っている状態なのに、5メートルちかくもある分厚い布をばさばさと巻き付けるのははっきり言って至難の業だと思います。

でも、へこおびやリングスリングを使ってある程度慣れた段階なら、赤ちゃんの体がどういう姿勢であればご機嫌になるか、自分がどのていど布を引き締めれば快適になるかがわかりやすくなっているはずです。そういう状況なので、セカンドチャレンジとしてベビーラップは最適だと思います。

3-3.ファッションとして楽しみたい方

ベビーラップの楽しさはなんといっても多彩な布デザインです。北極しろくま堂のジャガードは(自分で言うのはなんですが)おとなしめです。日常的に使うことをイメージして色や柄を決めています。海外にはもっと派手で楽しいデザインがたくさんあります。

デザインや糸の混率にはまってしまうと散財することになるかもしれませんが、ベビーラップはセカンドユースやサードユースなども盛んに行われていますので、飽きたら売るという選択肢もあるでしょう。その場合はいつ購入してどのくらい使用したかをちゃんと記しておくことをお勧めします。布はいつまでも耐性があると思われがちですが、紫外線によって目に見えないダメージを受けています。また動物繊維が混ざっている布は虫食いなどに気を付けてください。

まとめ

2019年ごろから、静岡のカスタマーセンターにもベビーラップを試しに来店する方が増えてきました。試着からご説明に20分くらいはかかるのですが、ちょっと難しいと言って諦める方もいます。そういう方には段階的にへこおびを使っていただき、スムーズにできるようになったらベビーラップに進むようにアドバイスしています。

初めて使うベビーラップはできるだけ軽くて厚みのあるものがお勧めです。軽くて厚みのあるというと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、二重織りになっているものが該当します。当社製品もどちらかというと初めての方に使いやすい織り設計になっています。お値段の都合もあると思いますが、へこおびやラップが使えるとほんとうに便利ですし、いざという時にも応用がききますよ。ちょっと練習してみませんか。


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