選ぶのに迷う? スリングの種類と特徴、選び方


「よく寝る」と評判のベビースリング。実は「ベビースリング」といっても様々な種類があり、選び方にも方向性があるのです。1枚で何通りにも使えるタイプや、パパと共有はできないけどコンパクトでフィットするものもあります。
リングスリングは赤ちゃんを抱いたり降ろしたりするのにとても便利です。
この記事を読めば、スリングについてご理解いただけるでしょう。

1.ベビースリングについて

ベビースリングが商品として出回り始めたのは1980年代後半のアメリカ。日本に本格的に紹介され始めたのは2000年でした。

1-1.ベビースリングとは

ベビースリングとは養育者の身体に布を袈裟懸(けさが)けにして使用する抱っこ紐です。ベビースリングのように抱く方法は昔から存在し、エジプトのピラミッドの壁画にも描かれています。

以前は布を縛ったりねじって止めていましたが、そこにリングを付けて大きさを調整しやすくしたのは小児科医のレイナー・ガーナー氏でした。彼はヨットのロープを見てこの方法を思いついたそうです。1980年代後半からリングがついたスリングが主にカリフォルニア州の数社で製造販売されるようになりました。それを広めたのはLLL(ラ・レーチェ・リーグ:日本語で表すと「おっぱい同盟」という感じ)のお母さんたちでした。母乳育児を続けるには赤ちゃんをシッターに任せるのではなく連れ歩こうと主張し、そのためにラクでコンフォータブルな抱っこ紐としてリングスリングに注目したのです。
リングのついていないパウチタイプの原型のようなものは、主にアマゾン地域の原住民族が使用していました。

アマゾンに暮らす先住民族は輪になった帯をたすき状にして抱っこする姿がよく紹介されています。

このような輪の状態のスリングも製品として販売されていますが、アマゾンのお母さんたちが使うたすきのようなものではなく、より安全になるようにポケット状に工夫されています。

1-2.『抱っこ紐』となにが違うの? どう違うの?

抱っこ紐には様々な種類がありますので、一概に規程するのは難しいです。
特徴をいくつか挙げてみましょう。

  • 抱っこ紐はた複数のベルトなどで支えられているために、密着していなくても使える。あるいは密着しない設計の製品もある。
  • 抱っこ紐はBaby Carrier。
  • リングスリングは密着して使用するのが基本。お母さんの腕のかわりに布を使う。
  • リングスリングは赤ちゃんを身にまとうように使用する。Baby wearingする道具。
  • パウチやバックルスリングは密着しなくても使える製品もある。Baby Carrierに近い。

赤ちゃんを運搬するのか、あやしたり抱きしめたいのかによって道具が違ってきます。また、Babywearingする道具は密着しているが故に、赤ちゃんと移動することを可能にしています。

1-3.スリングの魅力

抱っこ紐に比べてスリングの魅力はなんでしょう。布をたくさん使っていることによるファッション性の高さもありますし、リングスリングの場合は準備不要でパートナーとの共有も可能です。リングスリングはもともとパートナーと共有しやすくするために考えられた商品なのです。
赤ちゃんにとっては理想的な姿勢を保てるため、抱かれているあいだも快適に過ごすことができます。「スリングに入るとよく寝てくれる」と寝かしつけにスリングを使う方も多いのですが、その理由は姿勢と位置にあります。姿勢がよく、大好きなお母さんやお父さんの胸に抱かれて安心するから眠くなるのではないでしょうか。

1-4.スリングのメリットとデメリット

リングスリングのメリットは姿勢の保持と密着性にあります。かんたんに調整できるのも魅力のひとつでしょう。
デメリットは、調整に慣れるのに少々時間がかかるという点でしょうか。初回からばっちり快適にできる方は少ないので、使用者であるママも赤ちゃんにも少しがんばって練習につきあってもらわなければなりません。
パウチタイプのメリットは調整が不要なことです。デメリットはサイズが合わないと使用者の身体への負担が大きいことと、赤ちゃんが密着しないので姿勢を保持することが難しいという点が挙げられるでしょう。
バックルタイプはサイズさえ調整しておけばバックルをパチッと留めるだけで抱っこが完成するという簡便性にあります。一方で、ポーチ(赤ちゃんがはいる部分)の調整が難しいことや、体格の違う誰かと共有する際にはあらかじめ数カ所の調整が必要になります。またたいていの場合はポーチが深すぎるため、横抱きにしても日本人の小さめの赤ちゃんは布にすっぽり隠れてお顔が確認しづらくなります。

2.スリングの種類ー素材と主な特徴

数種類あるスリングを種類ごとに紹介します。

2-1.リングスリング

長さ180cmくらいの一枚布の片側にリングがふたつついています。リングに反対側の布を通すことによって輪の状態で使います。

リングに布を通すことによって輪状にして使います。

素材は綿が多いですが、海外のものにはウールやシルク、麻が入っているものもあります。これは生産メーカーがBaby wrapと共通の生地を使用しているからです。

リングから垂れた布をテールと呼びますが、これが流れるようにドレープになるので美しいと評されることもあります。またテールを使って赤ちゃんの首枕にしたり、授乳時の目隠しに使用することもできます。
上級者になるとリングスリングでおんぶすることもできるようになります。
リングはプラスティック(ナイロン)の他にアルミニウムやステンレススチールで作られたものもあります。いずれも布との相性があるので、相性が悪いと使いづらかったり使用中に緩んでくることもあるでしょう。
また、ショートサイズのラップ(Baby wrapの「ベースサイズ」から2-3サイズダウンさせたもの)とリングを使ってスリング状にして使用することもあります。

2-2.パウチ(リングのないスリング)

通常はリングスリングよりも硬く、厚みのある布でつくります。綿のキャンバス地が多いです。
パウチとはカンガルーのポケットのことを指しますが、パウチでは赤ちゃんがポケットに入っているような格好になります。
アメリカやヨーロッパでは首のすわらない赤ちゃんを抱っこ具を使って横方向に抱くことは推奨されていないので、製造するメーカーも少なくなってきました。
使用者の体型にサイズを合わせることが重要なので、購入する場合にはサイズをよく検討しましょう。

2-3.バックルタイプのスリング

日本ではBaba Slingが有名です。こちらも薄手の綿キャンバス地でできており、レール(赤ちゃんが入るポーチ部分の両サイド)の布がカラフルでかわいいものがあります。

3.スリングの選び方

たくさんあるスリングの中から、なにをどういう基準で選んだらよいか考えてみましょう。

3-1.選び方のポイント

<月齢別>

赤ちゃんの良い姿勢は緩すぎないCカーブ※と和式トイレに座った時のようなM字開脚。首がのけぞりすぎないように注意しましょう。
首がすわらない時期の赤ちゃんは首回りをしっかりサポートしてくれて、なおかつ無理な姿勢にならないものが良いでしょう。お勧めはリングスリングです。

スリングで抱っこされた赤ちゃんの姿勢

首がすわり、腰もすわってきたときに購入するタイミングであれば、パウチがコンパクトで便利でしょう。その場合は正面に抱くよりも、使用者の腰に座らせるように抱っこすると足下も見えて快適に使えます。

※「子宮の中にいたような」Cカーブをイメージされるママが多いのですが、生まれてから屈曲しすぎると呼吸を阻害する可能性があるので注意しましょう。ひらがなの「し」の字をイメージされると良いでしょう。

<安全性>

製品で販売されているものは強度検査を行っていることが多いです。不安であれば当北極しろくま堂などの長く製品作りに関わっているメーカーから選ぶと良いでしょう。
製品として販売されているものでも、家庭用ミシンで縫製した手作り品もあります。そのような商品を使いたい場合には、インド綿などを使った薄手の生地や麻100%などのガサガサする生地を避けた方が良いでしょう。

スリングのような布製抱っこひもは、製品の安全性よりも使用者が正しく使えるように説明がなされているかが重要です。いくら丈夫な生地を用いても、安全でない使い方をすれば赤ちゃんを落下させてしまうかもしれません。
それを判断したい方は、そのメーカーや販売店が提供している写真をチェックしてみてください。
スリングに入っている赤ちゃんは以下のような状態になっているはずです。

  • Kissing position(赤ちゃんの頭部にキスができる位置か=赤ちゃんのお尻はおへそより上に位置しているはず)
  • M字開脚(180°開脚しているのではなく、和式トイレに座ったようなお尻が下がって奥まった開脚)
  • Cカーブ

<生活の環境>

あなたがもし寒冷地にお住まいであれば、生地の選び方に神経をとがらせる必要はないかもしれません。
たいていのスリングは厚みがある生地で作られているので、寒くて湿気のない地域で使う場合は問題は少ないのです。
日本の多くの地域は夏は暑く湿度が高いので、通気性がよい生地を探すと後悔がないと思います。
赤ちゃんはよく汗をかきますから、通気性の良い生地であれば使用中も比較的快適で、なおかつ洗濯をしても乾きやすいというメリットがあります。

3-2.北極しろくま堂のスリングの特徴

北極しろくま堂は2000年からリングスリングを販売し、2003年から国内製造しています。日本でのベビースリングのパイオニア的メーカーです。もともとアメリカの製品を輸入しておりましたが、高温多湿な日本の環境や欧米人に比べて小柄な体型などを考えて2004年に完全オリジナル製品にしました。2007年1月には欧米に先駆けて、より安全である「新生児の基本抱き」(コアラ抱っこをスリングで再現する)使用方法を採用しました。安全はもとより赤ちゃんの健やかな発達や使用者の快適性確保のために研究を続けています。布とリングは国内の工場でオリジナル品を製造しています。
北極しろくま堂のスリングは派手でもなく人目をひくようなデザインではないかもしれませんが、「気がついたら毎日使っていた」という子育ての友のような存在でありたいと願っています。

3-3.スリングの使い方

スリングの使い方は動画をみるのが最も早く理解できます。北極しろくま堂で購入された方はLINE、スカイプ、メール、お電話などでアフターフォローを受けていただけますので、リーフレットや動画ではわからない点はなんでもご質問くださいませ。

まとめ

いかがでしたか。周りにスリングを使っているママ友がいないと躊躇してしまうかもしれませんが、リングスリングは赤ちゃんの抱きおろしがとってもかんたんなので、使い方を覚えると子育ての負担が減ります!(筆者個人の意見です)
日本では古来から赤ちゃんを慈しみながら育ててきたという歴史があり、ほとんどの赤ちゃんはおぶわれるか誰かの手で抱かれていました。抱っこは時間をかけてわざわざするものではなく日常の中でできるものなので、ぜひとも快適な方法を自分のものにしていただきたいと願っています。


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