抱っこひもで赤ちゃんの脚がうっ血しちゃった!? 原因と対処法
抱っこしていたら赤ちゃんの脚がうっ血して紫色になってしまったとか、抱っこひもから赤ちゃんを降ろしたときに膝の後ろが真っ赤だった(>_<)という経験があるママも多いはず。この記事ではうっ血の原因と対処方法をご紹介します。
- なぜ赤ちゃんの脚がうっ血してしまうのか?
- 抱っこひも種類別うっ血対策
1.なぜ赤ちゃんの脚がうっ血してしまうのか?
うっ血する主な理由は赤ちゃんの脚がしっかりM字開脚になっていないことが考えられます。
1-1.赤ちゃんはお尻が下がって座る状態で抱かれる
赤ちゃんを抱っこする時には抱っこひもを使っていなくても極力M字開脚になるように抱くと赤ちゃんも楽に過ごせます。
抱っこひもを使う時にも【お尻が下がって膝が持ち上がった】姿勢がとれるように抱っこひもを調整しましょう。
1-2.M字開脚は180°広げているのではありません
M字開脚は上述したように確かに膝が持ち上がっている状態なのですが、180°開脚しているという意味ではありません。
写真は人形を床に寝かせた状態で撮影して縱方向に修正しています。黄色のラインが赤ちゃんの理想的な姿勢ですが、脚を180°開脚するとお尻が引けてしまう(ママに押しつけられる)ので背中が反り気味になります。
かかとも離した方がよりbetterです。こちらのページが参考になります。とはいえ、日本人の赤ちゃんは諸外国の赤ちゃんに比べて小さく産まれてくることが多く、新生児のうちは膝が開脚していてもかかと(いわゆるfoot)が閉じ気味になっている子も多いと思います。特に体重が3000g以下の頃には膝は開きますが、かかとをくっつけた姿勢をとることがあります。それは異常ではありませんのでご安心ください。徐々に膝もかかともあいた姿勢が取れるようになることでしょう。
1-3.腿やふくらはぎを押さえないようにしましょう
脚が充分開いておらず、その上を抱っこひもで押さえてしまうと血流が悪くなります。また、脚が下がった状態で長時間すごすとうっ血しやすくなります。赤ちゃんの体格に合わない抱っこひもを使用している場合は、うっ血することがあります。
布製抱っこひもで赤ちゃんの膝までのフォローがうまくできずに開脚が不十分なときには腿の上を押さえてしまうことがあります。反対に抱っこひもが大きすぎて膝を越えてふくらはぎを上から押さえている場合もありますので、そのような時には改善が必要になります。次項では改善の方法を確認しましょう。
1-4.おむつの締め付け感をチェックしましょう
赤ちゃんのおむつを着けるときには寝かせて着けていると思いますが、親としては漏れるのが心配でぴっちりと装着したくなるかもしれません。しかし大人がきついズボンをはいた時には動きにくいのと同じように、ぴっちりおむつを装着すると抱っこされてCカーブになったりM字に開脚すると締め付けがきつくなります。いつもうっ血するようなら、これから抱っこして外出するというタイミングでは、おむつの足回り部分を少しだけゆったり装着してあげてみてください。以前、テレビ番組の企画できついデニムジーンズをはく方法を紹介していました。座ったり立った状態ではきつくてはけなかったズボンが寝ながらはくとちゃんとはけていました。それと同じように、寝ている姿勢でぴっちり巻かれたものは垂直に立ったり脚を曲げたりするときつくなるのです。
2.抱っこひも種類別うっ血対策
2-1.SSC(ソフト・ストラクチャ・キャリア)
リュックのように使える抱っこひもの場合はあらかじめカタチができあがっているので、それに赤ちゃんを(ママも)合わせる必要があります。赤ちゃんが小さいうちは抱っこひものパネル(本体の赤ちゃんを支える全面)が大きくて、膝よりしたのふくらはぎを押さえてしまうことがありますので注意しましょう。2-2で紹介するような股だけで支える抱っこひももありますが、これも脚が下がりおしりと腿の付け根を押さえることになるのでうっ血しやすくなるでしょう。
後述する2-2で説明するような、腿の上で押さえてしまうこともあるかもしれません。いずれにしてもパネルの大きさを調整したり、赤ちゃんが小さいうちは付属のクッション材を入れるなどして脚の状態をM字に保つようにしましょう。月齢としては付属クッションを使用しないまでになっても脚がM字に開かないのであれば、底のクッションだけを座面として使用することもできます。
2-2.スリングなど布製抱っこひも
スリングなどの布製抱っこひもは赤ちゃんを全面で支える布の大きさを適宜変えられますので、膝から膝までをしっかり覆うようにしましょう。そのことを「シートをつくる」と表現することもあります。例えば、写真のような場合は、お尻だけを覆っているので腿が押さえつけられて血流が悪くなります。モデルカップルの写真のように、しっかり膝まで覆ってみましょう。
伝統的な抱っこひも兵児帯もおすすめ!
兵児帯は日本の伝統的な抱っこひもです。厚めの布1枚のシンプルな造りなので、抱っこにもおんぶにも対応しています。また、用身体への負担も軽く、長い時間赤ちゃんを抱っこし続けても赤ちゃんが鬱血しにくいのです。元は1枚の布ですから、たためばコンパクトになり、持ち運びも簡単で荷物になりません。
2-3 .おんぶひも
日本の伝統的なおんぶひも、実は膝まで覆っていません。昔のおんぶは脚を伸ばして使用していました。しかし生活の中で赤ちゃんたちはおんぶしてくれる人の身体にしがみつくことを自然に教えられてきたので、素手でおぶう時には脚を広げてくれます。
ただし、おんぶされる月齢はすでに4カ月以降の身体がしっかりしている赤ちゃんなので、脚が下がっていてうっ血することは少ないでしょう。
当店で扱っている昔ながらのおんぶひもは、昭和30年代以前からの形を保っているシンプルな抱っこひもです。赤ちゃんのお尻を支える当て布も大きいので赤ちゃんは姿勢が安定し、リラックスしやすいでしょう。
できれば昔の人のようにはんてんや亀の甲を羽織っていただくと脚が持ち上がることもあるのですが、現代生活では好まない方もいると思います。そういう場合はときどきママが後ろ手にして赤ちゃんの膝を持ち上げてみてください。そうしてママの腰にしがみつくように促してあげるとより良いでしょう。その点を解消したニー・トゥー・ニー(膝から膝まで)という商品名のおんぶひももあります。
背あてが少し広いので、4カ月で使い始めるときには難しく感じるかもしれませんが、おんぶ時間が長い子はこの方が楽に過ごせると思います。
まとめ
赤ちゃんは抱っこひもで抱かれている時には膝で体重を支えるのではなく、お尻で支えています。赤ちゃんの開脚の状態についてはブログのこちらの記事でもご紹介しておりますので、ご興味のある方は読んでみてくださいね。
※抱っこひもをつかったときの赤ちゃんの脚の開き方
〔2019.11.13.一部加筆〕