プロが選ぶ抱っこ紐 | 新生児から安全につかえる抱っこひもを選ぶポイント


出産準備品のなかに「抱っこひも」もありますが、たくさんありすぎて何を選んでいいのかわからないというママが多いです。
今日は抱っこひも選びの基準をプロの目からみてご紹介します。
新生児から使える抱っこ紐も種類が増えてきました。どれを選んでも良いのですが、以下のルールが実現できるものにしましょう。
抱っこした時のチェックポイントは以下の3つです。これを【3つのルール】と呼びましょう。

  • Kissing Position(キッシング・ポジションー赤ちゃんの頭かおでこにキスができる高さ)
  • M字開脚
  • ゆるいCカーブ(いわゆる「子宮の中」の姿勢ではありません)

1.製品の特徴を理解して選ぶ

抱っこひもには大きく分けてSSC(ソフト・ストラクチャー・キャリア)と布製抱っこひも(ベビースリングやベビーラップ、へこおびなど)があります。

1-1.SSC(ソフト・ストラクチャー・キャリア)は体格に合うものを選ぶ

だっこに詳しい方は日本では多くありませんので、インストラクターやベビーウェアリング・コンシェルジュに見てもらって抱っこ紐を選ぶという機会は少ないでしょう。
本来は抱っこした時には冒頭でお示しした3つのルールが守られた状態になるはずです。

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取り扱い説明書どおりに試着したときに3つのルールを実現できなかった場合は、(1)まだ調整が不十分か、(2)そもそも抱っこ紐の設計があなたの身体にあわないかの2つが考えられます。
調整が不十分ならばストラップやベルトを締める(または緩める)必要があります。SSCの調整についてはこのページをご覧下さい。特に筆者が気になるのは、腰ベルトを前傾させて使用している方が多いことです。腰ベルトは地面に対して水平に締めましょう。ほとんどの抱っこ紐はそのように設計されています。下腹部にベルトがあたってそこに赤ちゃんのお尻があるような状態はベルトが緩すぎますし、ママの腰を痛める原因になります。
抱っこ紐を選ぶ時の基準のひとつとして、原産国をみることも大切です。日本人は国際的な試験機関でも「体格の小さいヒトがが多い」国として捉えられています。個人差はありますが、日本人の体格は世界のボトム10%に入っています。北欧の国々の方は私たちに比べると身長が高い印象があると思いますが、そういった平均的な体格の違いを試験機関でも検査の前提にしているくらいなのです。
しっかり調整してもなお不安定さが残るような余裕があったり、これ以上しめられないというくらいに絞らないと調整できない場合は、残念ながらそれはあなたにとって大きすぎるものになります。
赤ちゃんとママの安全のためにも他の抱っこ紐を選んだ方が賢明でしょう。

1-2.布製抱っこ紐は母子が溶け合うが調整は必須

ふろしきを使った経験は多くの人が持っているでしょう。ほぼ正方形の布ですがスイカも包めるし、一升瓶も包めます。これは自由自在に形作れる布の性質によるものなのです。
ほとんどの布製抱っこひも(ベビースリング、ベビーラップ、へこおび)は身長150センチBMI20のママでも175センチBMI25のママでも誰にでもフィットします。カップルで使用することも可能です。
赤ちゃんが新生児でも3歳児でも抱っこやおんぶが可能です。
つまりサイズ的な問題はほとんど発生しません。

その反面、フィットした使用が体得できるまで少し練習が必要になります。赤ちゃんをほとんど抱っこした経験がないかたがいきなりベビーラップを使用するのはハードルが高いかもしれません。
まずは素手で母子ともに気持ちよく感じる抱っこをやってみましょう。
掌をぴったりくっつけるようなイメージで、ママと赤ちゃんの身体がぴったりくっついているためにはどのように抱っこしたらよいでしょうか。
横抱きよりも縱方向の抱っこを好む赤ちゃんが多いのですが、それは問題ありません。脚をしっかりM字開脚させて、頭部がぐらぐらするのでママの体に寄り添わせてあげて下さい。頭を少し後ろに向けたい新生児ちゃんもいますが、その場合は掌で支えてあげても良いでしょう。しかし完全に天井を向くような反り返り方は頚椎に負担がかかりますのでやめましょう。

気持ちよく抱っこができたら布製だっこひもも難しくありません。

2.ママ友意見やランキングの落とし穴

ママ友の意見や雑誌のランキングを参考に購入するかたもいます。情報があふれる現代、身近な方の意見はとても参考になりますよね。
でもそこで注意していただきたいのは、いずれも被験者数1or 2程度であるということです。

2-1.現実では全ての抱っこひもを適正に装着して選ぶことができない

「この抱っこ紐、すっごい楽だった!」「あれは肩が痛かった」などなど、巷にはたくさんの感想があります。ここで注意しなければならないのは、ほとんどの抱っこ紐は適正に装着されていないということでしょう。
抱っこ紐が複雑になっているのが根本的な間違いだということはその通りです。たくさんのベルトやストラップと調整の果てにかなり難しいものになっています。
筆者が考えるメーカーや販売会社の責任は、わかりやすい取扱説明の提供と体型に合った商品の設計ではいかと思います。

使い方がよくわからないままに装着したり使ってみた抱っこ紐の感想は、残念ながらあまり正確なものとはいえません。もちろん、責任の一端は供給側にもありますので今後のさらなる企業努力が求められるところです。

抱っこ紐は赤ちゃんが落下しないかという点以外にも、各種の付属品(ストラップやボタンなど)が損傷しないか、色落ちしないかなどについて充分検討した商品を出しています。
またほとんどの場合は、抱っこした赤ちゃんの体重をどう分散させるかということを考えて設計しています。
しかし難しいのは使用者(ママやパパなど)の体格はともかく、赤ちゃんの体格がどんどん変化していくという点です。ある程度かたちが決まっている抱っこ紐ーSSCに赤ちゃんを合わせていくためには、さまざまな仕掛けが必要になります。それらも適正に使用する必要があります。

2-2.ベビーウェアリングコンシェルジュは公正な立場からアドバイスできるプロ

「ベビーウェアリング」とは養育者が何か道具を使用して赤ちゃんを抱いたりおぶったりすることですが、ベビーウェアリング・コンシェルジュはさまざまな抱っこ紐に精通したプロです。使い方だけではなく、抱っこやおんぶの意義や歴史についても学んでいますので、安心して相談することができます。
ベビーウェアリング・コンシェルジュは相談者の要望や生活の状況をヒアリングした上で、適正な抱っこ紐を提案し、その装着を指導することができます。
ベビーウェアリング・コンシェルジュにご相談したい方はこちらのページを参考にして下さい。全国でたくさんの講座も行われています。

3.性格別・状況別 | 抱っこ紐の選び方

主に使用するママの状況を考慮してお勧め抱っこ紐をご紹介しましょう。

3-1.赤ちゃんがいても積極的に動きたいママ

上の子がいてゆっくりしていられないママや保育園・幼稚園への送り迎えがマストなご家庭もあるでしょう。
抱いたり降ろしたりが頻繁になることが予想される方にはリングスリングをお勧めします。例えばこちらのような商品はいかがですか。少しでも肩パットがついていた方がママの体には楽に感じることでしょう。
リングスリングはもともと①体格が違うパートナーとの抱っこに使うため、②比較的短時間に抱いたり降ろしたりしやすいものとして開発されました。がっつり長時間抱っこやおんぶをするならばベビーラップの方が身体への負担が少なくなります。

3-2.子育てに苦手意識があるママ(抱っここわい、赤ちゃんこわい)

赤ちゃんを抱っこしたりなでたりすると愛情ホルモンといわれる「オキシトシン」が分泌されることがわかっています。
もし赤ちゃんに対してネガティブな感情や子育てに対する不安があるならば、”とりあえずまず抱っこしてみる・触ってみる”ことをお勧めします。この時に泣き止んだとか寝てくれたというプラス(に思える)ような結果がでなくても問題ありません。
とにかく触れてみるだけでもうプラス方向に転んだと思って下さい。

このようなママはまず素手の抱っこに慣れることが先決です。抱っこ紐は新生児から必要なものではないので、2〜3カ月頃に選んでも問題はないでしょう。
抱っこに慣れて(あるいは赤ちゃんへの恐怖心が薄れて)きたら、密着して抱っこしたいなら布製の抱っこ紐がお勧めですし、あまり視線があうのは苦手であれば、SSCの方が良いかもしれません。

3-3.長時間の抱っこやおんぶが必須なママ

長時間のだっこやおんぶのためには、ベビーラップが一番適しています。ベビーラップが難しいと感じられるなら、兵児帯から入るのがお勧めです。

SSCであれば長時間ならば腰ベルトがあるタイプものが楽に感じられると思います。エルゴベビーの創設者は、マタニティ前のの趣味であった登山(ハイキング)を赤ちゃんといっしょにやりたいという願望もあって、しっかりした腰ベルトをつけた商品を開発しました。SSCは日本に代理店を通じて輸入されているもの以外にもたくさんありますので、興味があるかたは調べてみても楽しいと思いますよ。

ただし、「床に降ろすと赤ちゃんが泣くから」という理由で長時間抱っこしていることは赤ちゃんの体験する時間を軽減させてしまいます。
赤ちゃんはさまざまな環境に対応することで身体と知能を自ら育てています。完璧な抱っこによって寸分違わず「良い姿勢」になったとしても(相当に難しいテクニックです)、それ以外の環境との体験をさせないことは赤ちゃんにとってはたくさんの経験するチャンスを逃していることになります。

まとめ

いかがでしたか。
新生児から使える抱っこ紐はたくさんありますが、大別すればあらかじめカタチが決まっているリュックのようなSSC(ソフト・ストラクチャ・キャリア)か布製抱っこ紐のいずれか。
比較的体格が大きな方なら、SSCもフィットするでしょう。赤ちゃんとぴったりくっついていたいと思う方には布製抱っこ紐をお勧めします。

参考ページ


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