失敗しないスリングの選び方〜「使える」スリングを選ぼう!


スリングの選び方

スリングが本格的に日本に紹介されて約17年になります。タレントさんにもスリングで子育てをする方がいるなど、抱っこ紐のひとつとして定着しました。
今日は「使える」スリングの選び方をご紹介しましょう。
結論から言うと、使えるリングスリングを用意すれば損はないでしょう。

1.スリングの種類

スリングには大きく分けて3種類があります。

  • リングスリング
  • パウチ(リングなしスリング)
  • バックルスリング(バックルタイプ)

もともと世界各地の民族が長方形の布を結んだりねじったりして肩掛け(たすき掛け)で赤ちゃんを抱っこしていたのがスリングの始まりです。そのため、片方の肩に掛けて赤ちゃんを抱っこしている状態そのものをスリング状態と表現することもあります。他にはメキシコの人々は「レボゾ(Rebozo)」という専用の布を用いて腰に抱っこしていますが、その ”布” のことも ”たすき掛けにした状態での腰抱き” のこともレボゾと表現することがあります。
また「腰抱き」は英語でHip carryと言いますが、ママの正面ではなく赤ちゃんが脇腹に乗るように抱っこすることを指します。

1-1.世界中で使われているリング・スリング

リングスリング

リングスリングはスリングのなかでもっとも一般的な商品と言えるでしょう。世界中にある布製抱っこ紐のメーカーやブランドはベビーラップを主力商品としていますが、ほとんどのところでは同じ布でリングスリングを作っています。
赤ちゃんの姿勢が成長に合わせて理想的な状態を保てるという利点があります。これは親にとっては嬉しいことですよね。

リングスリングは1980年代にアメリカ・ハワイ州のガーナー夫妻が作りました。夫のレイナー氏は小児科医で、赤ちゃんを抱っこして育てることが良いと考えました。そのために長く赤ちゃんを抱っこしていても親子がお互いに疲れず、体格の違う夫婦でも使いやすい道具としてリングスリングを着想したのです。

リングスリングの特徴はこのエピソードからもわかるように、

  • どんな体格のひとでもフィットして使用することが可能であり
  • 体格差のあるカップルでも(ほとんどの場合)共有でき
  • 親子共に身体への負担が少ない

という点です。

デメリットもあります。
リングを使って抱っこの状態を調整しますが、慣れないうちは準備の程度やどのくらい密着して良いのかがわかりにくいために難しく感じるという点です。もしスリングを購入するなら、説明がしっかりできるメーカーやブランドを選びましょう。
手作りのスリングも販売されていますが、強度のかかり具合や布の広がり方についての知識がない方が作るものは使いづらい(または危険な)ことがあります。リングから布が引けないとか背中の布が広がらない、危険な布を使っている等のことは詳しい生産者にしかわからないので、よく理解している方から買いましょう。

1-2.パウチ(リングなしスリング)は・・・?

パウチ

リングのないスリングは今ではあまり見なくなってきました。理由はサイズ選びが難しい→密着できない→大きいサイズを買ってしまう→「あれ? 楽じゃない、手が離せない」というループです。
パウチはサイズ選びがもっとも大切です。
また赤ちゃんがすっぽりと袋に入ったような状態になる抱き方は窒息の危険があります。たいへん危険です。

スリング正しい方法
画像はアメリカのスリングでの正しい抱き方を紹介したものですが、ゆりかごのような状態で赤ちゃんが横に抱かれた場合は

  • 脚(股関節)が閉じていないか
  • 常に顔が見える状態になっているか

を確認しましょう。日本の赤ちゃんは欧米諸国の赤ちゃんと比べると小さいので、パウチに横抱きになった状態では沈み込み過ぎることが多いです。気を付けましょう。

メリットもあります。調整がいらないのでさくっと抱っこできますよ。
腰がしっかりすわってからなら沈み込むこともなくなるので、大きくなったお子様用にはもってこいです。

1-3.実はベビーラップもスリングの仲間

新生児では難しいですが、ある程度からだがしっかりしてきた赤ちゃんなら、大きな一枚布ベビーラップでもスリングのように使用することができます。
ポピュラーなのはRobin’s Hip Carryです。

この動画ではリングをひとつだけ使用していますが、リングスリングのように2つ使えば抱き入れる前に調整ができます。
またリングを使用しないでスリング状に使用する方法もありますので、関心のある方は【babywrap Robin’s Hip Carry】で検索してみて下さいね。

(兵児帯でもSlip Knotを使って密着したスリングにできますが、これはまたの機会にご紹介しましょう)

2.シチュエーション別、スリングのタイプ別選び方

主に使いたい場面が決まっているなら、生活のシチュエーションで選んでみては?

2-1.スリング1本で完了したいならこれ!

スリングを1本選ぶなら、そしてまだ赤ちゃんの頚がすわっていないなら迷わずリングスリングをお勧めします。
首すわり前から安定的にだっこできるし、赤ちゃんの成長にあわせていくつかの抱き方が楽しめます。
もともとスリングは抱いたり降ろしたりすることがちょこちょこできるのがメリットのひとつですから、泣いたら抱っこ・寝たら降ろす(成功率も高い!)がかんたんなのです。
北極しろくま堂でも数種類のスリングを製造販売していますが、今のお勧めはジャガード生地でつくった「キュット ミー!823」です。生地がやわらかくて気持ちよく、実は夏場でも通気性が良いのでそれほど蒸れません。さまざまな布でできたスリングで実験しても、とても評価が高いのです。

キュットミー

2-2.ちょい抱き用ならこれ!

ちょい抱きならパウチ(リングなしスリング)でも良いかもしれません。
サイズはかならず使用者の体格にあったものを選びましょう。もしサイズ選びに迷ったら、小さい方を選ぶと間違いありません。体格の違うカップルでの共有はできませんので、その場合は別々に購入してくださいね。

3.スリング選びの注意点

わかりやすくまとめると、厚みのある布(カーテンみたいな布)・薄すぎる布(インド綿のような)・伸びる布は要注意ということです。

3-1.伸びる素材

リングスリングのなかにはストレッチ素材(ポリウレタン混紡またはネット)でできたものがあります。これは耐荷重は15キロ程度になっていると思いますが、実際には6キロくらいまで、せいぜい8キロくらいまでしか実用性がありません。
なぜかというと赤ちゃんの重みでどんどん布が伸びてしまい、赤ちゃんの位置がママの重心よりも下がってしまうからです。
ベビーウェアリング指導者の共通した認識では、伸びる素材は新生児のうちの使用を勧めています。

反対にカンガルーケアをするような場面(多くはNICUでしょうか)では、ストレッチ性のスリングやチューブタイプの抱っこ具が良いといわれています。これは赤ちゃんの動きに無理なく動いてくれるためです。もちろん、NICUで歩き回ったりしないということが前提ですけれども。

3-2.調整が難しいもの

調整が難しいものは、赤ちゃんにとって理想的な姿勢を保つのが難しいことが多いです。
例えば、バックルタイプやパウチはポーチ(赤ちゃんが入るところ)の深さ調整が難しいことがあります。お手持ちのスリングがこのタイプのときには、赤ちゃんの下にタオルなどを敷いて沈み込みを防ぐこともできます。

布の厚みとリングの関係が悪いものがあります。これはリングの内径に対して布が多すぎる、またはその反対です。布が多ければ引きたくても引けないという状態になりますし、リングが大きすぎると布が滑ってしまったり赤ちゃんの頭にコツコツ当たることがあります。
布とリングの関係はとっても難しいのです。北極しろくま堂ではナイロン製リングを使用しており、サイズは3種類揃えています。リングの大きさがある程度良くても、布幅を100cmくらいとっているスリングがあります。これは赤ちゃんが入るポーチの調整が難しく、布が多いのでテールも引きにくいことがあります。(布が噛みすぎる)

まとめ

スリングは布製抱っこ紐のなかでも調整が簡単な方の部類に入ると思います。スリングが使えるとへこおびやラップにレベルアップしてもそれほど困らないでしょう。
赤ちゃんとの密着具合がどのくらいなのかを体感してわかるようになると、さくっと使えますのでぜひ信頼できるメーカーから購入してみて下さいね。


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