おんぶはいつから? おんぶができると赤ちゃんが賢くなるかも!


背中に赤ちゃんをせおう「おんぶ」は日本では古くから行われてきた育児手法です。親しまれてきたが故に『おんぶおばけ』という妖怪の話しや”おんぶにだっこ”という慣用句が使われてきました。
そのおんぶは赤ちゃんが何ヶ月から、どういう状態ならできるのか。おんぶが母と子に与えるメリットを充分に活かせる方法はあるのか等々、詳しい情報をご紹介します。

1.おんぶはいつからできるの?

製品によっておんぶができる月齢が違っています。デパートでは○カ月からって言われたのに、買った商品には4カ月からって書いてある…なんて迷ってしまうママさんも多いです。

1-1.月齢でのめやす

基本的におんぶは生後4カ月頃、4カ月児健診で首すわりについて問題がないと言われた(あるいはそれについて何も言われない)赤ちゃんからOKです。姿勢発達が遅い場合はおくびがちゃんと座るまで待ちましょう。
戦前の育児書を見ると、『生後1カ月でおんぶするのはやめましょう』というような記述がありますが、昔ってそんなに小さいうちからおんぶしていたんですね。ちょっとびっくりです。というのは実はからくりがありまして、昔は赤ちゃんはかなり保温されており、真夏でなければ上掛けをかけられていました。おんぶをしているときにも「亀の甲」や「ねんねこ袢纏(はんてん)」をうえから着ていたので、赤ちゃんの頭の周りに支えになるものがあったのですよね。今は真冬でない限りは袢纏を家の中で着ているママは少数派ではないでしょうか。
おんぶ紐にも頭あてはついていますが、後ろ側をフォローするだけなので赤ちゃんの頭部全体をフォローする機能はありません。また赤ちゃんの左右の視界をふさぐようにベルトがついている商品もありますが、これは別の意味で非常に残念なことになるのでお勧めできません。

1-2.赤ちゃんの発達でのめやす

おんぶは首がすわったら可能ですが、おんぶ紐の種類によっては首すわりでも使えるものと使わない方がよいものがあります。
まず、昔ながらのおんぶ紐へこおびでのおんぶは高い位置でおんぶすることが可能なので、赤ちゃんの様子をお母さんが直接視界に入れることができます。おんぶをしていると赤ちゃんが寝ているのか活動的になっているのかがわかるものですが、いつでも直接見られるのは大きな安心につながるでしょう。このようなおんぶひもを使用する時には、ママはほんの少し前かがみになった姿勢を続けると良いでしょう。おんぶしている時間はママが家事をしたい時間ではありませんか? あるいはお散歩とか。少し前かがみになることで、次の1歩が踏み出しやすくなるために家事もはかどりそうですね。
腰ベルト付きでリュック式になっているおんぶができる抱っこひも(SSCといいます)は、どうしても赤ちゃんの位置が低くなります。腰ベルトがあることで、まずボトムの位置が決まってしまうので、高くおぶえません。そのために赤ちゃんの体格によってはお母さんの腰あたりでうずくまってしまうことがあります。視界にも入りません。低い位置のおんぶは赤ちゃんの状態が目で確認しづらい上に、うずくまって過度に揺れてしまうという点があるのです。赤ちゃんにとってソフトに揺らされることは重心を感じる良い運動になることはありますが、ママの動きを感じるのではなく動きと逆に揺らされているだけとも言えます。またママが赤ちゃんの状態を確認できないことはメリットを帳消しにしてしまうような不安要素になってしまいます。SSCをお持ちの方はまずそれでおんぶしてみて、取り扱い説明書にあるようにちゃんとストラップを調整してください。そして少し前後左右に動いてみましょう。背中の赤ちゃんがかなり揺れるようなら、赤ちゃんの体が成長するまで使用はもうしばらく先に延ばした方がよさそうです。

1-3.おまけの知識

体格や生活文化によって赤ちゃんの発達の度合いが違うことはよく知られています。赤ちゃんは経験値が多いほど早く発達する傾向がありますので、寝かせっぱなしにしているよりも抱っこやおんぶでたくさん動いている方が赤ちゃん自身が体の動かし方を学ぶ機会が多くなるのです。
アフリカのマリの赤ちゃんは生後8~10日くらいでおんぶします。この時のおんぶは布一枚を使ってお母さんの出っ張ったお尻に座らせて+赤ちゃんの首から下をぜんぶ包み込んでしまうものです。同じことを日本人がやろうとしても、アフリカの人のような出っ張ったお尻はないのでできません(危険です)。そして生後4か月にはお座りができているのだそうです。
筆者も昔の育児書や民俗学の本を調べていたところ、かつて日本でも生後30日くらいでお宮参りに行くときに必ず「おんぶで神社に行かなければならない」という決まりの地域があったことを知りました。現在70~80歳くらいの方に話を聞くと、確かに生後1ヵ月でおんぶしていた過去があったようです。しかしそれはおんぶひも(市販品でも帯の流用でも)を使った上に、かならず亀の甲ねんねこ半纏を使用していたので、首周りに支えるものがあったのですよね。

ベビーラップでおんぶする方法の技術に「スーパーマントス」というものがあります。詳細はこちらで見られます。こんなことをしちゃって大丈夫なの? と不安になると思いますが、欧米の皆さんは結構赤ちゃんの扱い方が雑というか、だいたんだと感じることがあります。もしかして関節(じん帯?)などが日本人よりも強いのかもしれませんね。

2.おんぶで赤ちゃんが賢くなる方法

2-1.肩越しにのぞき込めることが最重要

ヒトは弱い体を守って遺伝子を残していくために社会を作るという戦略を採用しました。今の地球をみるといかにも人類が最強であるかのように錯覚してしまいますが、からだだけを見ると人間は弱い生き物ですよね。強い牙や爪もないし、寒さをふせぐ毛も少ししかついていません。そこでみんなで守りあう社会を作って動物たちと戦う戦略をたてて、それが成功したから今の地球のヒエラルキーができたわけです。
社会性を持った人に育てるためには、他人の意図(考えていること)や他人の感情などを察する能力が必要になります。意図理解のためには周囲の人たちがやっていることを真似るという段階が必要です。真似てやってみて、真似ることで理解して、相手のことがわかってくるわけですが、見たことがないものを真似ることはできません。
もしあなたが赤ちゃんをよく抱っこしている期間が生後1年半まであるとしましょう。その時に抱っこ(おんぶ)されて寝ている時間もありますが、おんぶされている時間の30%は起きているという研究もあるので、その割合を採用して超・ちょーざっくりで計算してみます。いいですか、これは相当にざっくりな計算ですよ!
生後半年(今! 新生児を抱えているママは一日2時間しかだっこしてないなんてありえませんが、でもまあ一応)
2時間×182.5日=365時間
生後半年以降~1歳半まで
1.5時間×365日=547.5時間
合計 913時間×30%(起きてる時間)=273時間≒まあ270時間としておきましょう
この抱っこまたはおんぶの270時間をどう過ごすかというのは結構重要な問題ではないでしょうか。仮に(「仮に」のさらに仮なのでざっくりざっくりですよ)この時間の30%をおんぶしているとしても、1年半で81時間です。赤ちゃんが背中で覚醒している81時間をどう過ごすかで、赤ちゃんが見聞きする知識量が断然ちがってくることがわかると思います。
アフリカやSSCのおんぶは腰おんぶになることは前述の通りですが、彼らはおんぶ以外の時間で赤ちゃんに知識を与えていたり、あるいはアフリカの人たちは腰を曲げて農作業するために赤ちゃんの視界は常に開けていたのです。日本人の動作とは違うのです。
おんぶの時間をつかって赤ちゃんに日常生活や動作を見せることは、赤ちゃんの成長に大きな良い影響を与えることにつながります。その知識をあとで身につけさせるのはすっごくたいへん。
人は子育ての中でも環境や体型(骨格)にあわせて合理的に育てる術を採用してきたのです。日本人は肩越しに生活を見せることで、赤ちゃんを保護するだけでなく賢く育ててきたわけです。

2-2.M字をキープせよ

かつての日本の市販おんぶひもを使用したおんぶは足をそろえて上から腰ベルトをしてしまうものがよくつかわれてきていました。ところが、昭和40年代の終わりごろから足をそろえたおんぶは股関節によくないと言われるようになってきました。M字をキープすることは特に月齢が小さいうちは必要な姿勢なのです。
「昔ながらのおんぶひも」を使用している時は、時々赤ちゃんの膝裏を抱えるようにしてM字を作るように促してあげてください。月齢が小さいうちは背当てに対して身幅も狭いので大丈夫ですが、生後8か月など大きくなってから昔ながらおんぶひもを使用する場合はちょっと気にしていただけると良いと思います。または最初から”ニー・トゥー・ニー”を使用されることをお勧めします。この商品は文字通り膝から膝までをカバーするので、いつでもM字をキープできます。
へこおびの場合は赤ちゃんのお尻の2枚目にかかる布をひも状にまとめて膝の裏にあてがう方法もあります。

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2-3.重心を感じさせよ

1‐3で「赤ちゃんは経験値が多いほど早く発達する傾向があ」ると書きました。これはお母さんやおんぶされた人の動きを察知して体の動かし方を学んでいるのではないかと考えられています。ですから、動きの学習は密着したおんぶでないと実現できません。ぶら下がっているおんぶ(低い位置や抱っこひも本体にもたれる姿勢しかとれない子守帯)は、ママが動いている方向と反対側に揺れますので、一緒に動くということができません。
例えばバイクにタンデムで乗ったときのことを考えてみましょう(尾崎豊か?)。自転車でも良いです。走行中右左折する時に後ろに乗った人が反対側に重心をもっていっててしまうととても運転しづらいものです。それと同じで、ママが動こうとした反対に重心が持っていかれるのは、実はママにはとっても負担がかかっているのです。

3.おんぶ紐の選び方

3-1.重心が高くなるおんぶ

さてここまでおんぶのことがわかってきたら、どんなおんぶひもを選べばよいかイメージができてきたと思いますがいかがでしょうか。
まとめると、

  • 重心が高くなるもの
  • 密着できるもの

ということになります。へこおびや昔ながらのおんぶひものニー・トゥー・ニーは特におすすめです。
布一枚では不安という方でSSCにしたい場合は、SSCの中でもメイタイに近いものを選ぶとフィット感が得られると思いますよ。SSCでも使用者の体にフィットするものであれば、前述したようなメリットを享受できます。

3-2.専用品を使わない災害時のおんぶ

おんぶで赤ちゃんも体の使い方がわかってくると、いざというときにとても役立ちます。そう、それは災害時。
地震で避難する時にはベビーカーは使用できません。ぼこぼこになった道路やがれきの上を走行することは非常に難しいです。そういう場合はおんぶが一番です。首すわり前の赤ちゃんは抱っこになりますが、足元が見づらいので注意してください。お母さんが転ぶと赤ちゃんにも大きな影響があります。4か月以降で首がすわっていたらおんぶをしましょう。その時に赤ちゃんがママの動きにあわせてしがみついてくれるかどうかは、ママの避難行動に対し相当大きな差になって表れるでしょう。
もしあなたが抱っこひもやおんぶひもを持たずに外出した先で被災した時には、子どもを服の中に入れてください。冬の時期であればコートやブルゾン、マフラー、ストールを活用しましょう。
おんぶができる月齢なら、まずおんぶして(この時点でおんぶができるかできないかが大きな差になります)その上に上着を着ます。そしてベルトやマフラーなどを上着の上から装着してください。おんぶができない月齢の赤ちゃんは抱っこして同じように上からブルゾンを着ます。その上からベルトなどをしてください。
夏の時期などで上着がない時には、長い紐やリングスリング、ストールを使っておんぶすることができます。
いずれも普段から密着した抱っこやおんぶができていないと、赤ちゃん自身もママのからだにくっついてくれないので動き回るのがとても難しくなります。

まとめ

いかがでしたか? 日本のおんぶって生活臭があってダサいって思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はメリットがたくさんあります。江戸時代から明治時代にかけて日本にやってきた外国人は、日本の赤ちゃんのすばらしさをたくさん記録に残しています。
ともに生活を楽しんだり教えたりするだけでなく、普段の体の使い方までを考えた日本の智恵、おんぶ。大切にしたいですね。


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