新生児でも安心なおすすめスリングは? 選び方と使い方


エジプトの抱っこ新生児を抱っこできる抱っこひもは何種類もありますが、筆者は一人目はバックルやストラップがたくさんついた水平に寝かせるタイプものを使ったものの、次の子からはスリングだけで過ごしました。
好き嫌いもあるし合う合わないもあると思いますが、ちゃんと使える商品を選んで、正しい安全な使い方で試していただきたいというのがせめてもの願いです。
スリング状のだっこは長く人類がつづけてきた叡智でもあるのです。心の声としてはこの良さを体験してほしいと願ってこの記事を書きます。(画像は約2500年前のピラミッドに描かれた壁画。葬式での参列の様子を描いたもの。)

新生児の赤ちゃんを快適に抱っこするためのスリングとしておすすめなのは、ずばり「リングスリング」です。

1.新生児から使えるスリング

スリングには様々な種類がありますが、一般的に使用されているのは以下のもの。

  • リングスリング(リングがついて調整できる)
  • パウチ(リングなしスリングなどとも呼ばれており調整不可のためサイズ選びが重要)
  • ラップ等の長い布をスリングとして使用する(そもそもベビーラップが使えないと厳しい)

その他、素材の違いもあります。

パウチ リングスリング

1-1.調整できるリングスリングがおすすめ

新生児ちゃんは体もまだちいさくてふにゃふにゃなので、お母さんにしっかり寄り添える抱っこがおすすめです。そのため形としては「リングスリング(Ring Sling)」が良いでしょう。パウチはサイズ選びがしっかりできていてもお母さんの体に寄り添って抱くことは構造上できないので、窒息などの危険があります。もちろんぴったりとしたサイズのパウチを用いて、かなり上手に抱っこできれば危険回避は可能ですが、相当なスキルと知識が必要です。

リングスリングはちゃんとした商品ならば、ずれたり緩んだりしません。
リング周辺の布が適度にやわらかく、しっかりギャザーが寄せられる商品を選びましょう。布の厚みやボリュームとリングの経があっていない商品は調整が難しかったり、あるいは抱っこしている間に緩んでずれてきたりします。布製抱っこひもは布の摩擦をつかって安全を確保しているものが多いので、制作者がそのことを知らずに布や資材に滑りやすい(止まりにくい)ものを使っていると危ないです。

リング

1-2.ストレッチが効いたものは期間限定!?

製品や道具は耐荷重などの制限があります。詳細はこちらでもご紹介していますが、しっかりしたメーカーのものは公的な検査を受けて耐荷重を表示するなどしていますので、購入時にもご確認ください。
スリングのばあいはストレッチの効いた布は赤ちゃんの体重が6キロくらいまで、せいぜい8キロくらいまでが使用者に負担がかからずに使える範囲と言われています。
反対に何かの理由でカンガルーケアをする場合や生後すぐにたくさん抱っこしたい方には向いています。お友達が持っていたら短い期間貸してもらって試したりできると良いですね。

1-3.そのスリングは調整できますか?

最近は日本でも見かけなくなりましたが、Bag Style Sling(バッグ型スリング)というものがありました。現在流通しているバックルタイプに少し似ていますが、赤ちゃんが入る場所が袋状になっているのが特徴です。これらは密着感の調整がほとんどできない上に赤ちゃんの様子を観察することも安易ではなく、お母さんが気付かないうちに赤ちゃんが窒息していたという事故が報告されています。その結果、このタイプのスリングはリコールされてその後は市場から消えました。詳細はこちらでご確認ください。

しつこいようですが、リングスリングであっても布とリングの相性が悪いと調整が難しいことがあります。
手作りでリングスリングを作る場合は、ツイルや二重織り(例えばダブルガーゼ)、綿麻混の厚めな生地などは厚すぎて使いづらいことが多いですし、反対にインド綿や化繊混の布は薄かったり糸の性質上滑りやすいことがあります。

2.新生児のリングスリングの使い方

2-1.基本は縦方向でM字開脚

リングスリングでは新生児であっても赤ちゃんを縦方向に抱っこします。
リングスリングはまず赤ちゃんをいれる袋(ポーチといいます)をつくり、それを抱き上げた赤ちゃんにかぶせるようにして座らせていきます。背中はゆるくCカーブを維持して、脚はM字に開脚します。赤ちゃんのお尻がもっとも低くなり、両膝はお尻よりも高い位置にあります。この【Cカーブ+M字開脚+頭は寄りそう】状態がこの時期の赤ちゃんにとって最も自然な姿勢です。
少しラフな動画ですが、こちらが参考になります。モデルは生後一ヶ月の赤ちゃんです。

2-2.横抱きにしたい時には特に開脚に注意

どうしても赤ちゃんを横方向に抱っこしたい場合は、脚が閉じないように気を付けてください。子どもの頃に体育の授業でやったような『体育座り(三角座り)』はNGです。脚を曲げて閉じると股関節が脱臼しやすくなるので気を付けましょう。
またそれを防止するために布おむつを使うとか、赤ちゃんの膝の間にタオルを畳んで挟んでおくなどの対応もあわせてご検討ください。
海外ではスリングやベビーラップでの新生児期の横抱きは基本的に禁止されています。ポーチ(赤ちゃんが入るところ)を緩めにして抱っこしてしまうと、赤ちゃんがちいさく丸くなりすぎるからです。丸くなりすぎた状態には特に赤ちゃんに対するメリットがないばかりか、スリング全体が緩くて位置が低くなるとお母さんがすぐに赤ちゃんの状態を確認できないことで安全が確保できないからです。

3.新生児をスリングで抱っこした時のNG集

3-1.丸くなりすぎる抱っこは危ない

赤ちゃんの背中を丸くするように抱っこすると良いということを聞いたことがある親御さんも多いと思います。この「丸み」ですが、子宮にいたころの〜というフレーズはやや大げさです。胎児と出産後の赤ちゃんとの決定的な違いは呼吸と栄養摂取の方法です。肺呼吸していなかった頃の赤ちゃんはぎゅ〜っと小さく丸くなっても酸素は供給されますが、陸地ではそうもいきません。緩く丸くなるのはOKなのですが、赤ちゃんの顎を引きすぎた状態では服が口に被さったりして危険です。
赤ちゃんにとって背中が少しカーブしている状態がとっても快適なのですが、顎を引いてまで丸くなるのは危険です。

ちなみに、抱っこして寝かしつけた赤ちゃんが布団に降ろした途端に泣き出すことがありますが、これは丸くなるの反対で背中が伸びるからです。赤ちゃんは背中をまっすぐにされることはあまり好みません。

3-2.赤ちゃんには適度な刺激や揺れも必要

赤ちゃんを激しく揺さぶると揺さぶられっ子症候群になると言われますが、この発症は普通の生活をしている場合は考えにくいです。大人が普通に歩く程度の振動やスピードならば、密着して抱っこされている状態であれば全く問題ありません。頭が守られてない(親以上にぐらぐら揺れる)とかお盆に寝かされているような状態で持ち上げられている状態では揺れすぎるので注意が必要です。
様々な生活文化からの知見では、「たくさん歩いている赤ちゃんは発達が早い」と言われています。この「歩く」は養育者です。抱いて歩いた親の子は早く発達するということでしょう。たくさんの刺激や安定した怖くない抱かれ方でバランスをとる中で、自らの身の施しようがわかってくるのではないでしょうか。

まとめ

新生児からスリングで抱っこしたいと思われるなら、迷わずリングスリングをおすすめします。
調整ができる上、抱っこしたり降ろしたりという一連の動作が他の抱っこひもに比べると簡単にらくにできるようになります。ただしそれには練習が必要ですし、そもそも素手の抱っこが不安定だと道具使用もスムーズにいかない場合もあります。
新生児からのスリングライフを楽しみたい方は、まず素手で快適に抱っこできるように練習してくださいね。新生児の素手の抱っこのキーワードは「コアラ抱っこ」ですよ!

コアラ抱っこ


この記事の執筆者

園田正世(そのだまさよ)
北極しろくま堂有限会社 取締役

北極しろくま堂有限会社 取締役 園田正世(そのだまさよ)

2000年〜北極しろくま堂有限会社 取締役
2010年〜非営利活動法人だっことおんぶの研究所 理事長
2013年〜本格的にベビーウェアリング(抱っこやおんぶ)の研究を続けている。
東京大学大学院学際情報学府博士前期課程修了
同大学院博士後期課程在学中

雑誌やテレビでも話題!これまで数十万人のママが愛用!ベビースリング・抱っこひもの専門店