おんぶひもはいつまで使えるのか


おんぶ紐

夕ご飯を作ろうと思うタイミングで子どもが泣き出したり、ぐずったり。「電車みたい〜」なんて聞かなくなることも。そんなときはおんぶで乗り越えるとママもやりたいことができるし、子どもも満足することが多いようです。
でもおんぶっていつまでするんだろう? いつまでおんぶができるんだろう? 今日はおんぶのやめ時期について解説します。

1.おんぶをしなくなるタイミング

自然と子どもからおんぶをせがまなくなった場合はいわゆる「卒乳」と同じで、問題なくバイバイできますね。残るのは美しい思い出だけ…? だといいのですが。
まずはおんぶがママと子どもにとって嫌になってくる事例やタイミングをご紹介します。

1-1.身体の成長

赤ちゃんが成長してだんだん子どもらしさがましてくると、いろんな感想を言ってくれたりします。
その時におんぶやめると言い出す場合があります。

意外に多いのが男の子特有の痛みとか違和感。2歳すぎくらいの男の子をおんぶしている場合、おんぶ紐の形状によっては性器が痛いと訴える子がいます。だら〜んと緩いおんぶひもではこのようなことはないようですが、きっちりおんぶできる昔ながらのものは時々痛みを訴える子がいます。
この場合は、おんぶ紐の形状を変えると良いでしょう。

ハイキング

こちらのおんぶひもは生後4カ月から使えますが、1歳以上の大きなお子様だとお尻の部分が少し沈み込むので2〜3歳でも痛くないようです。

1-2.一人(またはきょうだい)遊びができる

ひとりでも飽きることなく十分遊べるようになったり、きょうだい間で遊びが成立するようになるとおぶわれているより遊んでいる方が楽しくなります。それもおんぶをやめるタイミングのひとつです。
でもテレビや電子機器に長時間お世話をさせるのは感心しません。ヒトは人と人との交わり、”群生環境”で育つことがとても大切であり、テレビやデバイスの決まりきった反応や一方的な情報は子どもを成長させてくれることはありません。それならば音楽をかけて楽しんだり、踊ったりという方が良いのかもしれません。

1-3.危険なことがわかる

赤ちゃんはハイハイしてしばらくすると、落ちそうな高いところとそのまま進んでも大丈夫なところを判別できるようになります。落下についてはおおよそ大丈夫になるのですが、危険なものに関しては学ばないと判断できません。赤ちゃんが学ぶ? どうしたらいいのかと途方に暮れるかもしれませんが、やり方は簡単です。見せていれば良いのです。もしママが生活の中で危険なものに対処しようとしたときにそれを隠すよりも、安全な場所から見せておくことが大切です。
南アメリカ大陸の原住民族は生まれてすぐから抱っこされて育ちます。その子ども達は危険な場所や道具などは小さいうちから理解して、それなりの所作で対応できるようになっていくそうです。
日本式のおんぶの良さは背中から親がやっていることが見えることです。お湯が沸いたら鍋がぐらぐらすること、それは熱いこと、湯気も熱いこと、包丁は切れること…。改めて言葉で教えようとすると難しくなりますが、見てなんとなく理解することは赤ちゃんでもできます。
そうして育った子どもは生活のいろはも危険なことも理解していますので、あまり大きな怪我を負うような危険なことはしなくなるでしょう。

2.おんぶがつらいと思ったら

2-1.身体への負担が少ないおんぶの仕方

おんぶは低い位置になればなるほど、使用者側の負担が増します。
重くなってきた場合は、おぶい方(紐のしばり方)を工夫すると良いでしょう。胸の前でばってんするのがスタンダードなやり方ではありますが、『リュック式+フィニッシュをチベタン』で紐をしばると比較的楽に過ごせる方が多いようです。
チベタンというのはチベット式という意味で、紐が交差していることを指すようです。詳しくはこちらのページをご覧ください。

使用者が背中をまっすぐに、あるいは反らせるような姿勢をとっているならそれはやめましょう。特に日本式のおんぶは背中で重みを支えるものです。少しかがむように肩を入れるとラクにおぶえることがあります。

2-2.言い聞かせてみる

何をやってもママの身体がもたない、つらいと思ったときには、正直にお子様に話してみてはいかがでしょうか。子どもは言葉のひとつひとつは理解できなくても、状態を理解することは得意です。表情やしぐさでわかるのです。
おんぶしているとママの肩が痛いの、だから今日はこれで遊んでくれるかな? などと話し合ってみましょう。もしこちらの言うことが理解してもらえないなら、おんぶしなくてもいいじゃないですか。おんぶは子どもにたくさんの利益ももたらしてくれますが、どちらか一方がつらい思いをしてまでするようなことではありません。

まとめ

おんぶの話しを中年以上の方にすると様々な感想を話してくれる方がいます。男性が多いです。

  • 母親の肩で聞いた声が懐かしい(身体を通じて聞こえる声は対面で聞く声と違いますね)
  • 暖かかった
  • いつも○○ができあがる様子を見ていたことを急に思い出した

など。

製品としてのおんぶひもは15キロ前後まで使えるようになっていますが、製品の安全性と使用者の体力はイコールではありません。おんぶがつらいなと思ったら上記のやり方を試してみて、それでもたいへんだったらお子様と話し合ってみてください。それもひとつのコミュニケーションではないでしょうか。

参考:
『アフォーダンスの心理学』(エドワード・S・リード著/細田直也訳、佐々木正人監修/新曜社)
『野生への旅ーいのちの連続性を求めて』(ジーン・リードロフ著/山下公子訳/新曜社)


この記事の執筆者

園田正世(そのだまさよ)
北極しろくま堂有限会社 取締役

北極しろくま堂有限会社 取締役 園田正世(そのだまさよ)

2000年〜北極しろくま堂有限会社 取締役
2010年〜非営利活動法人だっことおんぶの研究所 理事長
2013年〜本格的にベビーウェアリング(抱っこやおんぶ)の研究を続けている。
東京大学大学院学際情報学府博士前期課程修了
同大学院博士後期課程在学中

雑誌やテレビでも話題!これまで数十万人のママが愛用!ベビースリング・抱っこひもの専門店