抱っこひもで腰痛にならない方法


抱っこ紐抱っこ星人の赤ちゃんが来訪されたみなさま、日々ご苦労様でございます。抱っこでは腕が疲れてしまうし両手がふさがって何もできないので救世主として期待をかけた「抱っこひも」。これが腰痛を引き起こすのでは踏んだり蹴ったりですよね。
今日はそんな皆さまへの腰痛防止や改善方法をご紹介します。

1.なぜ抱っこひもで腰痛になるのか

まずは抱っこ紐で腰が痛くなることの理由を探ってみましょう。

1-1.抱っこひもを使うようになってから腰痛になったパターン

抱っこひもを使用するようになってから腰痛がでた、悪化したママは以下のことが考えられます。

  • 抱っこ紐を使用することによって、腰が反った姿勢になっている
  • 腰に多くの負担がかかる構造の抱っこ紐を使用している

このふたつに集約されます。

抱っこ紐を使用することによって「反り腰」になるのは、抱っこ紐が大きいからです。赤ちゃんを落としそうで怖いとか赤ちゃんがリクライニングしすぎるので、自分が反ることによってバランスを保とうとします。これは意識的にするというよりも自然にしているママが多いです。
この場合は体格の良いパパが同じ抱っこ紐を使用すると改善しているため、パパは腰が痛くないということになります。原因に思い当たりませんか?
腰に負担がかかるタイプの抱っこ紐の見分け方は、抱っこした時に肩紐にもしっかり負荷がかかっているかどうかを見ればわかります。よーく見ると肩紐が浮いていたりしませんか? 浮いているということは肩では加重を支えていないので、腰だけに赤ちゃんの重みがかかっていることになります。

1-2.腰痛だから抱っこひもを使ってみたパターン

もともと腰痛持ちなので素手の抱っこが辛くて抱っこ紐を使ってみたパターンもあると思うのですが、これは抱っこ紐をつかうことによって若干の改善も期待できるでしょう。でもちっとも楽にならなかった? 理由は抱っこ紐の選び方にあります。改善するためには、腰痛にならない姿勢を保てるものを選ぶと良いでしょう。
なお、抱っこ紐を使ったからといって腰痛そのものが治ることを期待することはできません。

1-3.肩こりなどのその他の不調

その他抱っこ紐を使ったことによって肩こりや腕のしびれなどを起こす場合があります。腕のしびれは肩こりや血流阻害が原因ですが、これも抱っこ紐の種類と使い方を改善すると症状が和らいだり、肩こりにならなくても抱っこできるようになります。
肩に大きなプレッシャーがかかる抱っこ紐の場合は、腕から下への酸素の量が有意に下がるという実験結果もありますので、抱っこ紐が赤ちゃんの重みをうまく分散する構造になっているかどうかがカギになります。
また赤ちゃんが重く感じるのは重心が使用者から離れていることが大きな要因です。密着できない抱っこ紐はそれで重く感じるのです。

2.身体的な不調は姿勢が原因

筆者も姿勢が良いとはいえませんし、特に最近はついつい骨盤が後傾するような座り方をしてしまうためにお腹に脂肪がついてきてしまいました(泣)。

2-1.普段の姿勢を維持できるように調整しましょう

抱っこ紐を使っても普段と同じように立ったり歩いたりできれば過剰に腰に負担がかかることはありません。そのためには腰ベルト・肩ストラップがついたエルゴベビーのような抱っこ紐(これらをソフト・ストラクチャー・タイプなどといいます)は必ずストラップなどの調整ができる部分は調整して自分の体に合わせることが重要です。重要というか必須です。
でも体が小さいママの場合はいくらストラップを引っ張ってもこれ以上引っ張れないということもあります。つまり抱っこ紐が大きいのです。これはもうどうしようもありません。

2-2.調整できない抱っこひもの改善法

上記のようなママの体格による影響があったり、そもそも調整する部品がついていない抱っこ紐があります。そのような場合はどうするかというと、赤ちゃんの体積を大きくするしかありません。バスタオルで巻くとか、バスタオルや小さなクッションを敷くなどです。できるだけ赤ちゃんの背中がCカーブになるようにしてあげるともっと良いです。バスタオルでの巻き方で股関節の自由を妨げない方法はこちらでご紹介しています。
ただし湿度と気温ともに高い日本の夏にはこの方法は向きません。バスタオルを敷くならともかく、暑いのにタオルやクッションで赤ちゃんを包んでしまうと熱がこもって熱中症になりかねませんので、状況をみながらご判断くださいね。

2-3.赤ちゃんの姿勢にも気を配ろう

赤ちゃんは腰痛になっているのかどうかわかりませんが、背中が凝っている赤ちゃんは意外にも多いです。何人もの赤ちゃんに触れているベビーマッサージの講師や私たちのような抱っこのご指導をしている者は珍しく思いません。
大人でも怖い思いをすると体が強ばったりしますし、無理な姿勢を続けると腰や肩が凝ります。それと同じように赤ちゃんも凝ります。ずっとリクライニングした姿勢で完全にホールドされている場合は体がリラックスしますが、その時間が長すぎると寝たきりと同じような状況におかれます。反対に不安定な状態を続けると赤ちゃんも怖いので体のどこかに力が入ったりするようです。

残念ながら筆者もずっとひとりの赤ちゃんを観察しているわけではないので、理由と状態を紐づけて解説することはできません。この分野の研究が進むことを期待しています。

3.快適な抱っこひもの選び方

誰もが買い物には失敗したくないものです。抱っこ紐に関しては「抱っこ紐ジプシー」という揶揄した言葉があるように、何本も購入しても自分にしっくりしたものに巡り会えなかったというママも少なくありません。

3-1.申し訳ないですが、「先輩ママのリコメンド」は・・・

先輩ママお勧め! などと銘打っているものよりも、専門家が勧めるものの方が理にかなったものが多いようです。理由は先輩ママの経験よりも専門家のほうがより詳しく知っています。
が、専門家が少ないのはどうしようもないです!
それぞれのメーカーがどんな意図をもってその商品を作り上げたか、商品は自分の体型に合っているかを知るとだいたい良いものが選べます。

3-2.布はママと赤ちゃんを融合させる

このブログではベビースリングやベビーラップなどの布製抱っこ紐をお勧めすることが多いのですが、それには理由があるのです。
布はママと赤ちゃんを融合させます。構造化された硬い布(ダーツ、本体の大きさ、紐の長さなど)に影響を受けません。
ただし使用するのにコツも必要だし、慣れるまでに何回か試行錯誤をしなければなりません。昔の人たちは着物を着るのも躊躇なく着ていましたが、それは慣れているからですよね。着物という特性を知っているので多少自分の体のサイズとは違っていてもなんとか着こなしたり、同じように作られた着物でも布の特性やちょっとした縫製の違いによって「これは着やすい」「これは最初はいいけど、だんだん着崩れる」などと評価するわけです。それを着付けでカバーしたり・・・。ちゃんと着ていれば楽に過ごせるのです。
スリングやラップをお勧めする理由はここにあります。

おわりに

いかがですか。腰痛になる原因は負荷のかかる位置が普段と違うからです。
反り腰にならないような抱っこ紐を選ぶようにしてみましょう。
メーカーによってはあらかじめサンプルでお試しできるものもありますし、全国のベビーウェアリングコンシェルジュらの活動で実際にプロに教えてもらいながら抱っこ紐を試せる催しもあります。
抱っこ紐がちゃんと使えている状態というのは、

  • ママが両手を話しても安定して赤ちゃんが「落ちそうな気がしない」
  • 普段と同じような姿勢で立っていられる、歩ける

ものです。赤ちゃんも客観的に見て反ったり顎をあげて天井を見ているなど変な姿勢をしていないことも大切ですよね。
ぜひ快適な抱っこライフを実現してくださいね!


この記事の執筆者

園田正世(そのだまさよ)
北極しろくま堂有限会社 取締役

北極しろくま堂有限会社 取締役 園田正世(そのだまさよ)

2000年〜北極しろくま堂有限会社 取締役
2010年〜非営利活動法人だっことおんぶの研究所 理事長
2013年〜本格的にベビーウェアリング(抱っこやおんぶ)の研究を続けている。
東京大学大学院学際情報学府博士前期課程修了
同大学院博士後期課程在学中

雑誌やテレビでも話題!これまで数十万人のママが愛用!ベビースリング・抱っこひもの専門店