抱っこ紐の落下事故に注意! 転落を防止するための3つのポイント


赤ちゃん2014年の8月以降、東京都が抱っこ紐から赤ちゃんが転落している事故についての調査・事故防止のための検討を行いました。その結果は2014年12月に提出されました。
参考:「抱っこ紐などの安全対策」(東京都)
今後は都がメーカーや販売店などへ安全対策の要望を出していくということで報告はまとまっています。
今日は、なぜ抱っこ紐から赤ちゃんが転落してしまうのかということを考え、その対応について改めてまとめます。

1 なぜ抱っこ紐から赤ちゃんが落ちちゃうの

そもそもなぜ抱っこ紐から赤ちゃんが落ちてしまうのでしょう。大きな理由はひとつだと筆者は考えています。抱っこ紐が緩いからです。ではきつくすれば赤ちゃんもお母さんも苦しいかもしれないし、動きづらいかもしれない。・・・ほんとうにそうでしょうか?

1−1 「運ぶ」ことと「抱く」こと

西洋では赤ちゃんを抱いて歩く、おぶって歩くのは一般市民がやることではない、という歴史が長く続きました。励ましたり愛情を表現するために抱きしめることはたくさんあっても、外出でパパやママが抱っこしたまま歩くというはどちらかというと野蛮と思われていた期間が長く続きました。特におんぶはとっても野蛮。21世紀の現在でもフランスではおんぶしていると奇異の目で見られることもあるようです。
英語では抱っこ紐のことを一般的にBaby Carrier(赤ちゃんを運搬するもの)といいます。運搬するならベビーカーもベビーキャリアーだし、背負子みたいな登山用のおんぶ具もベビーキャリアーですよね。
しかし赤ちゃんを運搬するためには他にも方法がありますよね。そう、「抱く」のです。抱いていたら赤ちゃんを連れて一緒に動けます。

70年代には抱っこするための布をドイツのDIDYMOS社が売り出しました。80年代にはアメリカでもっと人間らしく育てましょうという運動もおこりました。そうして抱いたりおぶったりする子育てが市民権を得ていきましたが、これらの運動はあくまでも「抱いていれば一緒に移動もできるよね」というもので、運搬するという意味合いとは一線を画しています。

1−2 運んでいるものは縛らないといけない

リヤカーでもトラックでも自転車でも何でも良いのですが、モノを運ぶ時にはモノが落下しないように運ぶ主体(トラックや自転車)にモノをくくりつけます。振動で紐が緩んでしまったりすることもあるかもしれないけれど、でも落ちないように何重にもぐるぐる巻きにすれば大丈夫でしょう。
抱いているときにはそんなことはしません。腕でしっかり抱きしめる。抱いているという状態を維持しながら移動します。だって腕の中にいる人は大切なものだから。

1−3 抱いているなら・・・

抱いている状態では腕に抱き入れた子にずっと関心があるはずです。強い関心がなくても、少なくとも存在を全く忘れて落としたりしないでしょう。
結婚式でいただいた大きな花束や忘れられない誕生日のプレゼントなど、家に持って帰るあいだじゅう胸の前に抱いているとしましょう。周囲との会話が盛り上がった時などに一瞬だけそれに関心が薄れることがあっても忘れることはないはず。胸に抱きかかえた大切なものをドサッと落としてしまうことはめったにありません。人の感覚とはそういうものです。

2 赤ちゃんの身体能力

20世紀には赤ちゃんは無力なので生まれても何も感じないなどと考えられていましたが、実際はそうではないことが次々にわかっています。出産直後にも嗅覚と味覚は充分発達しているし、お母さんの声も聞き分けることができています。
他の動物に比べてかなりの早産なので身体能力は劣っているように見えますが、自分で自由に動かすのが苦手なだけで体の様々な部位ではこの環境を感じているようです。

2−1 横抱き? 縦抱き?

昭和初期の育児書にも生まれたばかりの赤ちゃんは首をしっかり支えましょう、という文章と共に横抱きにされた赤ちゃんのイラストが載っています。でも首がすわっていない赤ちゃんは横抱きにしなければならないというエビデンス(科学的証拠)はないのです。実際に縦抱きが好きな赤ちゃんは多いです。
横抱きにされたときに赤ちゃんの身体全体(特に背面)がしっかり支えられて包まれ、左右対称になっていると良いのですが、その抱き方はちょっと難しい。不安定な横抱きをされるよりは縦方向でママにしっかり寄り添っていた方が赤ちゃんも安心できるかもしれませんね。でも首はぐらぐらですから、頭はちゃんと寄り添わせて後頭部を手のひらなどで支えてあげてください。

2−2 あきらめるような環境にしない

抱っこ紐によっては赤ちゃんがいつもリクライニングしているものがあります。赤ちゃんの背面(特に腰)に重心がかかり、背中が支えてられている状態です。ゆったりしたソファでくつろいでいる姿勢に似ていますね。
でもこの姿勢が数ヶ月続いたらどうでしょうか。もともと筋肉があまりついていないので自分で起き上がることができない=大好きなママにしがみつくことができない=それが抱っこの定位置になったとしたら。
ちょっとがんばれば抱きつけるという状態は赤ちゃんの気持ちにもプラスに働くでしょう。

2−3 リクライニングの姿勢は隙間があるということ

またこのようなリクライニングの状態になっているということはママと赤ちゃんの体の間には隙間があるということです。抱き合ってくっついていると滑り落ちることもありませんが、お互いの間がゆるゆるで道具に頼り切っていると転落する隙間があるということです。
そこで赤ちゃんへの注意が向かなくなれば、ひやっとする瞬間がふえることも想像できますよね。

2−4 体で覚える

よぶんな隙間ができない抱っこ紐はbabywearingの状態を保てるベビースリングやベビーラップです。これらの抱っこ紐のメリットはたくさんありますが、デメリットもあります。
スリングやラップは道具が単純なだけに、使いこなせるかどうかはママにかかっているのです。抱いている位置や締め具合などの感覚を統合し、それを調整しないと心地よく使用できません。心地よく抱く(抱き合う)という経験そのものが少ないと、道具を使ってその状態を作り出すという状態になるまで少々ステップが多くなります。
しかし一度その感覚を覚えると忘れることもありません。自転車に乗れるようになると10年後にも乗れるのと同じです。体が覚えてくれるととってもらくなのです。

まとめ

いかがですか。抱っこ紐から赤ちゃんを転落させないためには3つのポイントに気を付けましょう。

  1. どのように調整しても赤ちゃんとママの間に隙間がたくさんできてしまう抱っこ紐を選ばない
  2. 隙間ができているか判断が難しい場合は、赤ちゃんの姿勢をよく確認する
  3. 「抱く」状態を維持できるbabywearingができる道具を選ぶ。その場合は使い方をマスターする

人は抱かれないと生命を維持していくことはできません。赤ちゃんは栄養があって清潔な環境にあっても触れらたり声を掛けられないと死んでしまうようです。抱っこしている時間も単に「運ぶ」だけではなく、「抱く」時間にしてあげられたらどれだけ赤ちゃんの心が満たされるでしょう。


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