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vol.116 対談「人をつなぐコミュニティデザイン ~デザインで社会の問題を解決する~」第二部

vol.116 対談「人をつなぐコミュニティデザイン ~デザインで社会の問題を解決する~」第二部
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~だっことおんぶをとりまく業界のプロたちと店主・園田による対談シリーズ~

北極しろくま堂メールマガジン 山崎亮×園田正世001

studio-L代表 山崎 亮 氏 × 北極しろくま堂店主 園田正世
対談「人をつなぐコミュニティデザイン~デザインで社会の問題を解決する~」第二部

対談「デザインで社会の問題を解決する ~デザインで社会の問題を解決する~」 第一部


自分の型(かた)

園田
著書を読ませていただいて漠然と「このワークショップは山崎さんの人柄があってこそできるのではないか」と感じていましたが、山崎さんにしかできない仕事ではないということでしょうか。

山崎
そうなんです。ワークショップをやるメンバーは僕以外にもいて、だからこのやり方が僕の奥義かというとそうではないんです。

園田
そうだったんですね。でもきっと最初は山崎さんのやっていらっしゃることを真似することから始まるんですよね。

山崎
そうですね。まずは真似てやってみるんです。それで真似ても真似ても真似できないところが出てくる。その部分が実は本人のキャラクターなんですよ。その真似できないところが見つかった時に、自分のやり方が分かってくる。それはものすごく自分にフィットするやり方になるんです。

園田
それって子育ても同じです。私も1人目のとき、育児雑誌を見て、育児書を読んで、これが一番いいと思ってやってみるけれど、やってみたらなんだかしっくりこなかった。それでもがいて苦しんで、最後にようやく自分の赤ちゃんが見えてくる、という側面があると思います。
 
山崎
そうですよね、それが自分の赤ちゃんなんです。他でもない自分の赤ちゃん。
 
園田
そうです、そうです。
北極しろくま堂の商品も、赤ちゃんと自分の一番心地よいところを探りながら使うものなんですが、初めはみんな説明書を見て、DVDを見て真似してやってみる。真似して真似して、最後にようやく私の赤ちゃんと私に心地よい着け具合が分かってきて、自分の型(かた)がわかるんです。

山崎
デザインもそうですね。昨年お亡くなりになった建築家の菊竹清訓さん(※2)は、「か、かた、かたち」という考え方を提唱されています。「か」というのは思想です。自分の信じている構想、こうあるべきと思っているもの。この、自分がこうあるべきだと思っているものから自分なりの「かた」ができてくるわけです。この「かた」ができていれば、具体的にこうしてくださいという注文がきたときに、「かた」の中からいくつかを組み合わせて「かたち」をつくっていくことができます。逆にいえば、「かたち」をたくさん見ておくと、「かた」が見えてくるわけです。「かたち」を何種類も何種類も見ておくと、まるで骨董品の目利きのように、ある種の「かた」が見えてきて、この「かた」をまた何種類も見ていると、その人の「か」という思想が見えてくるんです。
「かたち」になれば、ずれやくずしが出てきてもいいんですが、その人の確固たる「かた」がないのにずればっかり出していても、その「かたち」は落ち着いたものにならないんです。

園田
それは分かっている人が見ればすぐ見えてしまうわけですよね。北極しろくま堂の商品はBabywearingベビーウェアリングという考え方、つまり思想に基づいたものばかりです。だっこ、要するにベビーウェアリングを体感として理解している人はやはりうちの商品を使いこなせるようになります。

復興に向かって

園田
先日岩手の産婦人科の先生から、昔ながらのおんぶひもを被災地のお母さんたちにほしいという依頼がありました。このタイプのおんぶひもが一番使いやすく、津波から避難するときも素早く赤ちゃんを連れて逃げられます。12年北極しろくま堂をやってきて、私は心からうちの商品を愛していますし、一番いいもの、自分たちができるベストなものを提供しようと思っているんですが、なんだか恥ずかしいというか、ストレートに伝えられないという気持ちがずっとどこかにありました。スリングはエスニックに見えたり、昔ながらのおんぶひもは胸の前でバッテンになるので、イマドキのお母さん達には薦めにくい場面もあったんです。
しかしあの大きな震災があって、生活をシンプルにしないといけないという中で、子育ては人類が存在したときからずっと続いている原始的なことで、そのような生活をするにはベビーウェアリングが最適で、うちの商品はやはり子育てに必要だということをちゃんと声に出していいんじゃないかと思い始めました。

山崎
なるほど。
 
園田
東日本大震災から1年が経った今、コミュニティデザインをされている山崎さんは、今回の震災やこれからの復興に関してどう感じていらっしゃいますか。
 
山崎
そうですね、感覚としては若干残念な感じがあります。震災の規模があれだけ大きなもので、色々なことが分かってきたので、日本の社会がコミュニティも含めてもっとダイナミックにあるべき方向へ進んでいくのかなと思っていたんです。2万人近くの方が犠牲になったことを考えると、この震災をポジティブに捉え直さないと亡くなった方に申し訳ないという気持ちで、30年後の未来を先取りして、コミュニティのつながり、エネルギー、食べ物、教育、様々なものを変えましたと、そんな風に大きくシフトするきっかけだと思っています。もちろんある程度は進んだと思うんですが。

園田
いい意味で革命が起こる契機であったというわけですね。

山崎
そうなんです。ただ、2年3年経ってから芽が出てくるかもしれないので、まだ希望はもっています。阪神淡路大震災のときは、それまで全く注目されていなかったボランティアとかNPOが一気に注目されて、震災2年後に法律としてNPO法ができたり、指定管理者制度なんていう誰も考えたことがなかったようなことが起こりました。東日本大震災が阪神淡路大震災の5倍の規模だというなら、5倍くらいの社会変革が起きるかどうか、期待したいところでもあるんです。

園田
確かに阪神淡路大震災の後は大きな変革がありましたね。まだあれほどの動きが生まれそうな気配はないかもしれません。

山崎
それでもやっぱり人のつながりというものが大事だ、という気持ちが高まったのは間違いないので、その意味ではすごくいい方向にむかっていると思っています。僕がコミュニティに興味を持ったきっかけの1つが阪神淡路大震災なんです。まだ学生だった当時、被災地に入って調査をしたんですが、瓦礫と化した神戸のまちに人のつながりが残っていて、そこから復興への芽が育っているような気がしました。その中で神戸の人たちが苦労したのは1年2年が過ぎた後だったんです。震災のことは一段落したよねと全国の人は思っているんですが、現地は全く一段落していない状態で、土地の権利関係も全然整理できていなくて、これから復興計画を立てて、というのが一年後なんです。この頃に、ボランティアとかも興味がすーっとひいてしまって、メディアも取り上げなくなってきたので、神戸はすごく苦しかったんです。だから、阪神淡路の経験を知っている僕らは今回の震災が起きた直後から、2年目くらいから我々はやろうと考えていました。みんなの興味がある最初の1年間は我々がやらなくても誰かがやってくれるんだから、僕らはやるべき仕事をやっておいて体力を温存しようと思っていました。そしていよいよみんなが関わらなくなってきたときに、さあ東北に入りますよという感覚なので、僕らとしてはここからなんです。実際最近になって東北からいくつかの声がかかり始めています。仮の街をつくるとか、集落毎に復興計画を立てるという話し合いをどう上手くまとめていくかということこそ、我々が得意とするところなので、やっとコミュニティデザインの力を震災復興に役立てることができると感じています。

園田
これからですね。今後の山崎さんのご活躍楽しみにしています。わたしも、今まで以上に誠実にものづくりに励みます。

対談「デザインで社会の問題を解決する ~デザインで社会の問題を解決する~」 第一部


山崎亮さんプロフィール

北極しろくま堂メールマガジン 山崎亮004

studio-L代表。京都造形芸術大学教授。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザイン、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、共著に『まちの幸福論』(NHK出版)、『コミュニティデザインの仕事』(株式会社ブックエンド)、『幸せに向かうデザイン』(日経BP社)、編著に『つくること、つくらないこと』(学芸出版社)などがある。

山崎亮さん著書

北極しろくま堂メールマガジン 山崎亮氏著書コミュニティデザイン人がつながるしくみをつくる

「コミュニティデザイン
人がつながるしくみをつくる」
学芸出版社

北極しろくま堂メールマガジン 山崎亮氏著書コミュニティデザインの仕事

「コミュニティデザインの仕事」
株式会社ブックエンド


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Babywearing Conference 2012 @ Washington DC Report vol.1

北極しろくま堂店主園田が参加してきたベビーウェアリングカンファレンスのレポートを数回に分けてお届けします。第一回目は、今年のカンファレンスの概要です。

今年6月29日から7月4日にかけてアメリカのワシントンDCで開催された、第4回Babywearing Conference 2012 についてご報告します。

このカンファレンスは2006年から隔年毎に開催され、今回で4回目になります。主催はそれぞれの都市のbabywearerたち。BabyWearing International (BWI)のメンバーが中心となって準備運営をしています。この団体はアメリカとカナダをネットワークしたベビーウェアリング・エデュケーターのグループで各地にチャプターと呼ばれる小グループをつくって活動しています。
私、園田は第1回目、2回目、そして今回と計3回参加してきました。

いつも大学の建物などを会場に開催しているのですが、今回はカソリック大学が会場でした。カソリック教徒の聖地とのことで、ここもまたとても美しい大学でした。ちなみに第1回目はポートランドのリード大学が会場でした。ここは故スティーブ・ジョブズ氏が通ったところでした。2回目はシカゴ。ここの大学は街の中にありました。アメリカの大学のスケールや雰囲気にはいつも感動します。

カンファレンスでは4日間で50程度のクラス(プログラム)が組まれます。同時間に5つぐらいのクラスがあるので、もちろん全部に参加することはできません。あらかじめプログラムを見て自分の興味があるクラスを渡り歩くようにスケジュールをたてて挑むわけです。

毎回3日目あたりにカンファレンスのkeynote(=その年のカンファレンスの顔となる人物の講演)があります。今回はレイチェルさんという2人のお子さんのお母さんタレントが登場しました。お子さんは二人とも女の子でお一人目は聾唖(ろうあ)、二人目は小児麻痺で生まれたそうです。そこで彼女は手話を歌とダンスにして覚えやすく工夫しDVD化しました。おかげで子どもとのコミュニケーションが深くなり、お子さんの友達も手話を覚えやすくなったため、たくさんのお友達に恵まれて育っているということでした。彼女はふたりの子どもをベビーウェアリングで育てていたということもあり、アメリカのベビーウェアラーには憧れの人なのだそうです。

カンファレンスの特徴はスリングやラップの使い方を教える初歩的なクラスから、わりと専門的な内容のクラスまで内容が幅広いということでしょうか。私は使い方のクラスには参加しませんが、アメリカのベビーウェアラーのあいだではラップ(babywrap)が大人気です。ほとんどの人がラップしてます。4年前にはメイタイの人気がありましたが、情勢が変わったように感じました。
今回印象的だった話があります。
通訳にDC在住の日本人女性の通訳者を依頼し、打ち合わせ含めて5日間一緒に参加しました。彼女が何度も
「このカンファレンスに参加している赤ちゃんや子どもが落ち着いている」
と感心していました。
私の周りはいつもベビーウェアリングされている赤ちゃんやお子さんばかりなのでこれが普通だと思っているのですが、彼女は一般的なアメリカの赤ちゃんとはぜったいに違うと言い切っていました。曰く、キーキーわめかない、ねぇ!私を見て見て!こっちこっち!というアテンションプリーズがないそうです。

考えてみればベビーウェアリングされている赤ちゃんはいつも穏やかです。泣き出したらおっぱいをあげたりおしめを確認したり、眠そうだったらだっこすればいいのです。話しかけたり、くすぐったりして遊べばいいのです。赤ちゃんってそんなもの、と思っているのですがどうもそれは少数派のようでした。
 

また私にとってたくさんのベビーウェアリングに興味がある方々にお会いできたのはとても嬉しいことでした。
アメリカ在住のナンシー、彼女はベビーウェアリングと布の関係に興味があり研究しているということでした。ノルウェーのエデュケーターの子は週に40時間も専門的な授業を受けながらベビーウェアリングを独自で学んでいました。ドイツから来ていた子は今年の秋から大学院でベビーウェアリングの心理学を研究すると言っていました。

そうなんです。残念ながらまだ世界にはベビーウェアリングの専門家はいません。ベビーウェアリングの研究はこれから。でも世界各地でその萌芽があるということが頼もしく、期待したいところです。 
 
次回は印象に残ったクラスの内容をいくつかご紹介します。


バッテン隠して、おんぶでおしゃれにお出掛け マザリングチュニック マターナル
マザリングチュニック マターナル/ネイビー

マターナル
ネイビー

1枚は持っていたいネイビー色。さっと羽織ってお出掛けできる気軽さが、子育て中のママから支持される理由です。

※マザリングチュニック マターナルは生産終了いたしました。

マターナル
パープル

普段柄物を着ないママも、マターナルにはちょっとはっきりした色合いはいかがですか?紫のチェックはとっても素敵です。

※マザリングチュニック マターナルは生産終了いたしました。

マザリングチュニック マターナル/ブラウン

マターナル
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ナチュラル感ある茶のチェック。薄めと濃いめの2色のブラウンラインで、おんぶ姿をすっきりさせます。

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マザリングチュニック マターナル/ブラックウォッチ

マターナル
ブラックウォッチ

ダブルガーゼが柔らかくて気持ちいいマターナル。ブラックウォッチも爽やかに着こなすことができます。

※マザリングチュニック マターナルは生産終了いたしました。


編集後記

本州では梅雨も明け、暑い季節がやってきました。
暑い季節に赤ちゃんをだっこしていると、お互い汗だくに。北極しろくま堂のベビーウェアリング用品は全て洗濯機でお洗濯が可能です。汗をかいたらじゃぶじゃぶ洗って、清潔に使える布。
赤ちゃんにとっては、ベビーカーよりだっこされている方がずっと涼しいそうです。夏にこそベビーウェアリングをしてくださいね。
 
SHIROKUMA mail editor: MK 

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mayu Kyoi
Writer Mayu Kyoi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mayu Kyoi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Chie Miwa, Nobue Kawashima(Rewrite)
 
☆Happy Nurturing☆
HOKKYOKU SHIROKUMADO