BLOG ブログ

vol.93 対談「命つくすお産、だっこの記憶」第二部

vol.93 対談「命つくすお産、だっこの記憶」第二部
News・相談会情報はこちらへ

お知らせ

最新の相談会情報はこちらから


バースコーディネーター 大葉ナナコさん × 北極しろくま堂店主 園田正世
対談「命つくすお産、だっこの記憶」第二部

途上国の妊娠出産の状況を教えていただいた第一部。第二部では、赤ちゃんをだっこすることやスキンシップをとることは、コミュニケーションにつながるという大葉さんのご意見を伺いました。

第一部はこちらからどうぞ


園田
過酷な環境下にあるタンザニアの妊婦さんたちですが、写真を見ているととてもたくましく、輝いて見えますね。

大葉
タンザニアのお母さん達はとても明るくたくましく、子育てされています。過酷な状況にも関わらず、生き生きと大切な命を授かったことを楽しんでいます。その生命のエネルギーに圧倒されました。色彩豊かなカンガを身にまとい、美しいと感じました。そうそう、あちらでは、お母さんたちはみな、カンガ(※4)やチテンゲ(※5)をスリングにしたもので、赤ちゃんをだっこやおんぶしていましたよ。

園田
そうですか。赤ちゃんをくるむのもカンガで、その村や民族ごとで結び方やくるみ方が違うらしいですよ。私から見るとみんな同じ風に見えるんですけど、今日は街に行くからかっこいい都会風な結び方をしよう、とか考えるんですって。

大葉
そうなんですか。スカートと一緒の布で頭をターバンのように巻いている人もいましたね。とってもおしゃれですよね。カンガにはそれぞれことわざのような言葉が書いてあるんです。それがまたユーモアがあったりして楽しいです。
 
園田
アフリカでは、お母さんも毎日水汲みなどで移動が多いと聞きましたから、必然的に赤ちゃんをベビーウェアリングするのでしょうね。

大葉
母と子がぴったりくっついて生活するのが当然、という風景は美しかったです。お母さんは重労働で大変でしたけど、やっぱりスキンシップはたくさんとれますよね。 死を覚悟しながら出産に挑んで「生ききる」。そして、全身全霊の力を注いで赤ちゃんとともに生活していくということに、心の豊かさを感じます。


園田
確かに今の日本に身を置いていて、命の危機にさらされることは滅多にないですよね。 その分、今生きていることに感謝することもないので、それは本当の意味で豊かとはいえないのかもしれません。
 
大葉
過酷な状況にある国の親子に比べると、日本は、「いのちが安全に産まれて当たり前」という感覚にもなりがちです。子育てでも、「スキンシップが大切」というのは、“当たり前”になっていますが、言葉を聞いた時に慣れすぎてしまい、温かいイメージまで想像する人は少ないかもしれません。赤ちゃんに限らず、「ひとつ、ふたつ、、、、ここのつ」の「つ」のつく年までは膝の上と言われるように、9歳くらいまではスキンシップがたっぷり必要でしょうし、必要以上に抱きしめるくらいでちょうどいいと、個人的には思います。

園田
子どものほうも、肌と肌が触れ合うことを自然に求めているのでしょう。

大葉
肌と肌が触れ合うことによって、オキシトシンなど精神を安定させるホルモンが出るといいますよね。陣痛を起こし、射乳反射を起こすのも同じホルモンらしいです。
 
園田
そのホルモンって赤ちゃんからも出ているんですか。
 
大葉
おそらく出ているでしょうと、親しい産婦人科医が言われていました。

園田
では、赤ちゃんを言葉通り肌にくっつけて触れ合っていることは、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもやはり大事なんですね。

大葉
肌からしか本当の安心感は入らないと思いますし、言語でのコミュニケーションがとれるようになる2歳過ぎまでは、肌と肌や、目と目を通じてコミュニケーションが成立します。
そういった言葉を超えたコミュニケーションの機会は、「言葉では説明できない安心感」や「いつも受け入れてもらっている」という自己肯定感を得るために必要だと思うんです。

園田
先日聞いてびっくりした話なんですが、赤ちゃんが泣きやまずに困るとベビーカーにのせて、ガーッとスピード出して歩き回って、泣き止ませるママがいるそうです。
そうやって育てられた赤ちゃんって、オムツを替えてもらってさっぱりしたとか、食べ物を食べてお腹いっぱいだという気持ちの満たされ方はあっても、それ以外の肌と肌から入るような人間的な感覚を味わう機会がなさそうだと思います。赤ちゃんのときに肌と肌を触れ合わせるような体験が十分でないと、将来、どんな自己イメージを持つでしょうか。

大葉
赤ちゃんは泣くことで寂しい、抱いてほしいという要求を表現し、それをお母さんが受けいれて抱くことで「自分は大切にされている」ということがわかるようです。幼少の頃に受容経験が少なく、自己肯定感を十分に得られないと、自己受容できずに自己イメージも低くなってしまうかもしれません。 他者に受容してほしいという欲求がそのまま満たされなければ、「こっちを見て!」と注意をひこうとする行動が多くなるでしょう。他者から受容され、自己を受容し、他者をありのままに受容するというコミュニケーションは、育児にも社会にも大切ですよね。受け入れ認め合う社会のために、まずは人生の始まりである「子育て」で、どんな赤ちゃんもたっぷりふれられて、赤ちゃん時代を過ごせるといいなと思います。

園田
ふれあった記憶から生まれた、愛情の貯金というものは、次の世代にいくら渡しても減ってはいかないし、湧き出てくるものなんでしょうね。

大葉
そうですね。たった1人だけにでも自分のことを受け入れてくれた、という人に出会えることが大切ですよね。親じゃなくてもいい。他人でもいい。たった1人だけにでも、受け入れてくれたり、なでられた記憶があると、自分もだれかを受け入れていくことができるのではないでしょうか。

園田
虐待の連鎖という言葉を残念ながらよく耳にしますが、「愛情の世代間連鎖」という言葉が流行ればいいのになと思います。
 
大葉
意識しないと忘れがちだから、スリングでだっこしている写真を撮っておいて「あなたが生まれてきてから、こんな風に肌と肌をくっつけて、うれしい日々を過ごしていたんだよ」とわかる写真を子どもに渡すのも、子どもたちの未来を支える一助になると思います。「黄金の1枚」(笑)としての抱っこ写真はぜひ撮っておいて、子どもが大きくなって悩みごとなどができる時期に、渡してあげてほしいですね。

対談「命つくすお産、だっこの記憶」 第一部はこちらから


※4 カンガ:
タンザニアを中心に衣服などの用途に使われている大判の布。 チテンゲとの違いは、布に枠柄があり、1枚ごとに異なることわざがス ワヒリ語で書かれている。
 
※5 チテンゲ:
アフリカ全土で衣服などの用途に使われている大判の布


大葉ナナコさんプロフィール

東京都出身。中学、高校、短大と8年間美術教育を受け、1985年、女子美術大学短期大学部生活デザイン科卒業。1987年に自然出産や母乳育児を経験し、女性のボディ・システムやいのちをつなぐ優れたデザイン性に感動。受講した出産準備教育の分野や産後のライフデザイン、ストレスマネジメントに関心を持つ。専門職の必要性を感じ、テレビ番組や出版分野で出産・育児の情報コーディネイターをしながら、国内外で妊娠・出産の生理や心身のサポート、出産準備教育、カウンセリングやボディワーク、通信制大学で心理学や社会学、教育学などを学ぶ。
1997年より、妊娠前でもカップルでも学べる講座を助産師と開講。桜美林大学オープンカレッジ、毎日新聞カルチャーシティなどで好評を博す。2003年有限会社バースセンス研究所を設立。産前産後の生涯学習、パートナーシップ支援、女性の心身に優しく豊かな出産を実現するための調査・研究・講座運営・出版・後任の育成を開始。世代別の優しい出産の学習プログラムを生み出し「誕生学」(商標登録)と名づける。
2005年、有限責任中間法人 日本誕生学協会(現:公益社団法人誕生学協会)を設立。次世代の妊娠出産育児を豊かにするべく、助産師、産科医、学識者や保護者たちと協働し、次世代支援者「誕生学アドバイザー」育成を開始。親子のエンパワーメント活動を開始する。


大葉ナナコさん著書

「Life 誕生学の現場から」
ポプラ社

「えらぶお産 妊娠前から出産後まで、カラダとお産のホント」
河出文庫

「‘笑う’育児のすすめ 2歳〜6歳編」
実業之日本社

「二人目がほしいと思ったら」
赤ちゃんとママ社


この対談は、東日本大震災の前日3月10日に行われました。 現在、ジョイセフでは、被災地の女性・妊産婦の支援を行っています。

このたびの東日本大震災で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
1日も早く、安らかに過ごせる日々が来ることを願っております。
復興にむけて尽力される東北の方々、支援をされる方々にお会いするたびに、この国は、今、生活で、人生で、本当に大切なことをやり直す時期に入っていると感じます。
最短時間で最大効果を出す「効率主義」のビジネス論理だけでは、人はしあわせにはならず、子育ての世界では、時間をかけてコツコツと積み重ねていく関係性や、丁寧に感じあうふれあいの時間が欠かせません。今、東北の方々が教えてくださっている大切なことを、子どもたちの未来のために、つないでいきたいと思います。これからも東北の復興のために、微力ですが、ともに歩み続けさせていただきたく思います。

大葉ナナコ

東日本大震災で被災された皆様がたに、心よりお見舞い申し上げます。
また犠牲になられた方々に哀悼の意を表します。
今でも津波の被害や放射能事故の影響で苦しい毎日をお過ごしになっている方々の姿を拝見すると胸が痛みます。一日も早い復興を願っております。
私たちのところには震災後におんぶひもが役に立った、スリングがあって助かったなどのご報告や感想が届いています。Babywearingは人間が赤ちゃんを育てる基本だとの認識を新たにするとともに、このような過酷な状況がそれを知らしめてしまったことに複雑な思いがあります。しかしそれでも私たちがbabywearingを広めていくことは使命だと強く思いました。私たちがしている事業は直接の復興や支援にはならないかもしれませんが、これからも地道に声をかけ続けていく気持ちでおります。

北極しろくま堂 店主 園田正世


おすすめ商品

キュット ミー!823
しじら織り さくら

明るいピンクで着けている人もとても魅力的に魅せてくれる色です。最近はお父さんでも抵抗のない人が増えてきました。 >>キュット ミー!商品ページへ

キュット ミー!823
しじら織り 水色

涼しげな色合いの水色。ジーンズにもスカートにも合います。 >>キュット ミー!商品ページへ

キュット ミー!823
しじら織り さくら

渋めの配色のチェックは、だっこ姿がすっきりと見えます。お子さんが大きくなったら、巾着袋などにも使えそうな色合いです。 >>キュット ミー!商品ページへ

キュット ミー!823
楊柳(クレープ)くちなし/黄

夏涼しく、冬暖かく使える楊柳。お洗濯すると、またシボ(凹凸)がきゅっと戻り新品の様な使い心地になります。 >>キュット ミー!商品ページへ

最新の相談会情報はこちらから

北極しろくま堂 へこおび チョコトリコ

兵児帯(へこおび)
チョコトリコ

一番人気の定番色。兵児帯のだっこはお母さんの体も布で覆われた状態となるので、お洋服に合わせやすい柄を選んでください。 >>へこおび商品ページへ

兵児帯(へこおび)
こきひ/赤

少しエスニックな雰囲気の赤。ジーンズやチノパン、ロングスカート・・コーディネートも楽しみになります。 >>へこおび商品ページへ

兵児帯(へこおび)
くちなし/黄

1枚は持っていたいベージュ系。ストライプ部分に様々な色の糸を使っているので、おしゃれです。 >>へこおび商品ページへ

兵児帯(へこおび)
ブラック/ティアン

黒地に薄紫の花柄の縁取りが、だっこした時にきれいなラインとなります。黒地部分は楊柳地なので、通気性抜群です。 >>へこおび商品ページへ

おすすめ商品 キュット ミー!しじら織り オーガニック/ブラウンコンビ

キュット ミー!
ししじら織り オーガニック/ブラウンコンビ

初心者にも使いやすいコンビ柄。切り返しがアクセントとなっています。出産祝いにもよく利用されます。 >>キュット ミー!商品ページへ

キュット ミー!
ししじら織り オーガニック/レイシー

価格: 11,550円 (税込)

ナチュラルな風合いのオーガニック生地に裾にレースをあしらいました。おしゃれなママに選ばれています。  >>キュット ミー!商品ページへ

キュット ミー!
ししじら織り オーガニック/みるく

白っぽい生地は汚れやすいのでは、といわれますが、実は赤ちゃん時期の汚れはミルクのはき戻しやよだれ。白地は案外そのような汚れが目立ちにくいです。 >>キュット ミー!商品ページへ

キュット ミー!
ししじら織り コピス/キャンディ

ピンクにグレーを合わせた大人のストライプ。スパイスをきかせた色合いは若いママたちにも人気です。 >>キュット ミー!商品ページへ

パッと抱っこできるから災害時の避難用にも最適 ハグパウチ

ハグパウチ
カーキー

お父さんに人気のあるカーキー。カジュアルな服装にもフォーマルにも合わせやすい色合いです。

※ハグパウチは販売終了しました。

ハグパウチ
ピンク

やさしい色合いのピンク。フェミニンな雰囲気がお好きな方にぜひどうぞ。

※ハグパウチは販売終了しました。

ハグパウチ
ライトベージュ

病院でも非常用として使われているハグパウチ。さっと開いて入れるだけなので、だっこが素早くできます。

※ハグパウチは販売終了しました。

ハグパウチ
ブラウン

濃いめの色合いが引き締め効果抜群です。ネイビー色のタグもワンポイントとなっています。

※ハグパウチは販売終了しました。


次号予告

おんぶの鉄則!高くおぶう
昔ながらのおんぶひもは、とにかく素早く手軽に使えるのが特徴です。
でも、ちょっと待って!そのおんぶ、低くありませんか?


編集後記

帰省にはキュット ミー!
もうすぐお盆休みですね。赤ちゃんを初めて遠方の親戚にお披露目するという方もいらっしゃるのではないでしょうか。赤ちゃんとの帰省のときに大活躍するのがキュット ミー!。新幹線ですこしぐずったときは、さっとキュット ミー!に入れて、デッキでゆらゆらしていれば赤ちゃんはすぐ寝てくれます。寝たらそのまま座席に戻ってだっこしたまま座ります。キュット ミー!の中なら車内で抵抗なく授乳もできます。
こちらでは帰省のコツがご覧いただけます。
こちらのブログには日除けの作り方も!
ベビーカーは鉄道では意外と邪魔になることもあります。今年はキュット ミー!で帰省をしませんか?
SHIROKUMA mail editor: MK

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mayu Kyoi
Writer Mayu Kyoi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mayu Kyoi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Chie Miwa, Nobue Kawashima (Rewrite)
☆Happy Nurturing☆
HOKKYOKU SHIROKUMADO