北極しろくま堂のものづくり

北極しろくま堂では安心な素材選びと安全なものづくりに注力しています。
当社の製品は布がしめる割合が大きく、資材(部品)の類はそれを補完する形で取り付けてあります。
糸の精練から染色、製織(せいしょく)まで。あるいは信頼のおける日本企業が製造した布や資材。
国内のベテランの手で裁断され、縫製された製品、検針器を通して最後は人の目で確認する仕上げまで。
このすべてを日本国内の老舗の工場と連携しながら行っています。
ここではその一端をご紹介します。


1. キュット ミー!の「しじら織り」

ママと赤ちゃんの身体を包み込むスリング、キュット ミー!の定番生地に「しじら織り」があります。
しじら織りはもともと阿波地方で織られていた日本独特の織物で、現在では阿波の他に新潟や静岡も産地として知られています。しじら織りの製織のためには特別な機械が必要なので海外では同じものは織ることができない、まさしく日本の布です。

北極しろくま堂ではスリングに必要な強度を持ち、その上で生地の薄さと通気性を実現するために、2004年からしじら織りの開発に取り組んでいます。
市 販のしじら織りの生地は夏場の甚平(じんべい)などに使用されるために色柄が渋めで糸が太いものが出回っています。糸は細くなればなるほどツヤがでてきま すが、その分値段も高価になります。しかし細い糸をたくさん織り込むと太い糸にはないしなやかな強度が出てきます。当社では市販の生地に甘んずることな く、あえてスリングのためのオリジナル生地を織ることを決断しました。
しじら織り開発までの詳細はこちらの記事をご覧下さい。


2. キュット ミー!のナイロンリング

スリングに使用するリングの要件としては単純に強いだけではいけません。滑りやすくかつずれない、強度もあって軽いなどの相反する状況を作り出せるかたちと素材が求められます。
ナイロンリングの良さは赤ちゃんの口に入れても安全なことです。デメリットとして型代が高額で、色の変更が難しくまた一度につくる量も多くなることがあげられます。

形状については力学的な検討も取り入れてこれまで様々なかたちを製作してきました。スリングのリングの大きさは布のボリュームとの兼ね合いが大切です。また抱っこしている途中で緩まないためには摩擦を利用できる形状であることも重要な要素になります。

スリング用のリングは様々な素材が使われています。海外製品ではアルミやスチールの金属製のリングが多いのですが、ナイロン(プラスティック)の方がスリングに適していると考えてナイロン製を製造しています。素材は強度を考慮してバージンナイロンを採用しています。
ただし、用途によっては金属製の方が簡易に導入できることもあるので、今後はアルミなどの金属製リングを使用する可能性もあります。

キュットミーの縫製についてはこちらのページでご紹介しています。


3. おんぶひも

おんぶひもの製造は昔ながらの子守帯の製造工程とほぼ同じように作っています。
当社のおんぶひもは昭和30年代に実際に使用されていた型紙を見つけ出して作りました。当時のおんぶひもはコール天で作られることが多く、また腰紐が比較的長く設計されていました。Dカンは金属で作られていました。
おんぶひもの製造は50年以上の歴史を持つ工場で進めています。
21世紀の現代に伝統的なおんぶひもを新たに作るにあたり、布地は現代のものを自由に選択し素材もよりよいものに改めました。しかしほとんどのかたちは50年以上前のものを踏襲しています。その方が日本人がながくやってきたおんぶのスタイルを再現できるからです。

昔ながらのおんぶひもは2002年の発売以来、以下のようなバリエーションを展開するに至っています。

昔ながらのおんぶひも スタンダード
一本ひも 昔の角帯のイメージで使うもの
ニー・トゥー・ニー 背あて幅広で長さはスタンダード
大きい子用 背あての幅・長さとも大きいー障害児のおんぶのために
特別サイズ 背あての大きさはスタンダードで肩ひもが合計約60cm長いー体格がふくよかな使用者のために

その他へこおびもやタートリーノNEOでもおんぶできますが、おんぶ専用ではありません。
おんぶひもの製造工程はこちらのページで紹介しています。

4. Wrap you?(ベビーラップ)の布

ベビーラップは世界中で赤ちゃんを抱っこやおんぶするために使われている大判の布のことです。北極しろくま堂ではその存在は知っていましたが、日本のママ達にあの大判の布が受け入られるのかという不安があって開発をためらっていました。
し かし世界のベビーウェアリング界がベビーラップに席巻される状況を見るにつけ、やはり日本の親子にもこの快適さをお知らせして広めることは私たちの責務で はないかというくらいに真剣に考え、日本のママが快適に使えるラップ布の開発に取り組みました。

北極しろくま堂ではこれまで強度が確保されていることはもちろんのこと、スリングやへこおびのために薄くて軽い生地を目指して布の開発を進めてきました。しかしベビーラップは重さの分散などのために比較的厚みのある生地が使用感に影響することがわかってきました。
日本はベビーラップが広まっている諸外国に比べて高温多湿な気候なので、熱がこもらないようにしなければなりません。赤ちゃんが熱中症になりかねないからです。そのため厚みがありながらも通気性を確保する必要があります。


日本人の清潔好きな指向を考えると、お洗濯をしても縮んだり色が変色するようでもいけません。なおかつ高価になってしまえば「ベビーウェアリングを日本に広める」という意図がかすれてしまいます。それらの要因から天然の繊維でお洗濯しやすい素材を採用することにしました。

ベビーラップは柄のおもしろさや美しさも楽しむことができますが、まずは高温多湿な環境に住み比較的体格の小さな私たちが負担なく使える素材や織り方を確立することが第一と考え、取り組んでいます。
北極しろくま堂は今後も新しい素材や織り方に挑戦して参ります。

ベビーラップについてはこちらのページで紹介しています。