トップページメールマガジン特集/カテゴリー別 ≫ 「生まれてくる目的」石田先生のご著書から

医学博士石田勝正先生×北極しろくま堂店主園田正世

対談「抱かれる子どもはよい子に育つ」

2007年暮れ 京都のホテルにて

"Babywearing"−赤ちゃんを身にまとい育てる、抱っこしておんぶして育てる方法は単に実用的であるという事実のほかに子どもの情緒発育にとても良いという研究があり、北極しろくま堂でもその調査に取り組んでいます。
そこで2008年最初のSHIROKUMA mailでは、新年特別企画として、わたしたちのホームページでもご紹介している新生児の抱っこのしかた「コアラ抱っこ」を考案した医学博士の石田勝正先生にお話を伺いました。
整形外科・心療科の医師として、40年以上にも渡り赤ちゃんの心身双方の健全な発育に身を投じてこられた石田先生の言葉には、これ以上無いほどの説得力があります。現在3児の母でもある北極しろくま堂店主園田正世との対談をどうぞお楽しみ下さい。

生まれてくる目的

 「生きる原点-心のはたらきを科学する-』(ネオ書房・愛光出版)P46より」

 育児に少し自信がなくて思案にくれているお母さんが、表情に乏しくて笑わない赤ちゃんを連れて受診されると、私はまず次のような質問から始めます。
「赤ちゃんは何を目的に生まれてくると思われますか?」
 むろん、こんな質問にすぐ答えてくださる方はいません。みんな一瞬困ったような顔をして、口をつぐんでしまわれます。しかし、やはり気になるのか、帰りぎわに
「何の目的ですか?」
 と逆に質問されます。
 私の答えは明快です。
「お母さんにひたすら抱かれるためです。それ以外に何の目的もありません!」
 私がこのように断言するものですから、お母さん達のなかには驚いたり、耳を疑うような表情をする方がいます。が、二週間ほど経って再度受診される時には、お母さんは自信に満ち、赤ちゃんは表情豊かになっています。ほとんどの方がきまってそうです。
 赤ちゃんにとって、お母さんに抱かれてあやされることほど大切なことはありません。母親がよく抱いてあやしてやると、赤ちゃんは満足してほほえみ返します。すると母親はますます赤ちゃんを抱いてやりたくなります。まさに良循環です。そして、この抱いてあやすことが母親にとっては母性愛を強めることになり、赤ちゃんにとっては安心・快による人との関わり合いの判断基準をしっかりさせ、将来、豊かで幅のある人格形成に役立つことになるのです。
「赤ちゃんはお母さんに抱かれるためだけに生まれてくる」−短くて単純な言い方ですが、人が生まれてくる目的を、これほど正しく表現している言葉は他にないと思います。
 この言葉に対してあらゆる思想や哲学は耳を傾けるべきです。いうまでもなく、赤ちゃんは人間が考え出した思想や哲学のために生まれてくるのではありません。自然はそんな難しいことを赤ちゃんにおしつけてはいません。赤ちゃんはお母さんに抱かれることをひたすら望んでいるだけです。赤ちゃんは抱かれるためだけにこの世に生まれてくるのです。ゼロ歳時に充分抱くことはあまやかしではないのです。必要なことなのです。この時期に充分抱かないと、将来赤ちゃん時代をいつまでたっても卒業できない心の苦しい人間にしてしまいます。
 赤ちゃんの生まれてくる目的は何かという質問をした場合、ゆっくり考えてからならいろいろな答えが返ってきます。
 例えば、立派な人間になるためとか、世の中の役に立つ人間になるためとか、将来子孫をつくるためとか、有名大学に入って人の上に立つ人間になるためとかいった類の答えです。
しかし、これらの答えはみな間違っています。いずれも大人の勝手な考えを子どもに託した夢の反映でしかありません。大人が子どもにいろいろな夢を託すのは自由ですが、そのことを一方的におしつけられるのは、赤ちゃんにとって大変迷惑なことです。ただひたすらお母さんに抱かれることを希望しているのが赤ちゃんなのですから。
 赤ちゃんの脳は胎内に似たものを求める活動から関わり合いを始めようとしているのです。このことを考えれば、お母さんが生まれたばかりの赤ちゃんを優しく抱いてあやしてやり、胎内に似た状態をつくってやることがいかに大切かおわかりいただけると思います。
 そして、この時期に体験した安心で快い母親との関わり合いをしっかりと潜在記憶にとどめ、それをベースにして人生の次の段階に進んでゆき、少しずつ関わり合いの生活を広げてゆくのです。出産直後、母親に抱かれてあやされることによる安心で快い関わり合いがなければ、赤ちゃんのその後の人生での関わり合い活動は何らかの形で歪められてしまうはずです。

石田勝正先生

医学博士 整形外科/心療科医師
昭和11年名古屋市生まれ。京都大学医学部卒。昭和52年医学博士号取得。翌年、先天性股関節脱臼の発生・防止の研究と実践の成果により京都新聞文化章受賞。神経、筋肉、骨、関節など運動器の外科(整形外科)の他、精神医学にも深く携わる。日本心身医学会会員。著書に『図説・先天性股関節脱臼-予防・みかた・治し方-』(金原出版・愛光出版、増刷中)、『抱かれる子どもはよい子に育つ』(PHP研究所)、『生きる原点-心のはたらきを科学する-』(ネオ書房・愛光出版)、『心って何だろう』(麗澤大学出版会)がある。
※これらの本はもよりの書店でお求めになれますし、愛光出版のFAX(075-712-0086)サービスでもお求めになれます。
石田診療所 京都市北区小山上総町11 フェニックス21ビル2階 〒603-8143
TEL・FAX:075-432-9360

『抱かれる子どもはよい子に育つ』PHP研究所のページはこちら↓
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-54144-0


カスタマーセンター

北極しろくま堂有限会社

420-0868
静岡市葵区宮ヶ崎町91
TEL: 054-653-4700
FAX: 054-653-4701
月〜金曜日 9:00-17:00 (祝日除く)
お支払い方法の詳しい説明は
特定商取引表示をご覧下さい。

だっことおんぶの専門店
北極しろくま堂有限会社・静岡市葵区宮ヶ崎町91
TEL: 054-653-4700 / FAX: 054-653-4701