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しろくまのお店づくり vol.2

「商品を見てから買いたい」というお客様の声に応えたい、そんな店主の想いが初めてお店という形になったのが、2005年11月3日「いいお産の日」にオープンした北極しろくま堂の東京・自由が丘店でした。
自由が丘というまちを選んだ理由、「想い」をカタチにする仕事。内装を手がけた(株)スタンダードトレード渡邊代表のお話とあわせて、お店づくりの興味深い裏側をご紹介します。

お家にいるような感覚で

わたしたちのお店にいらしたことがあるお客様は、一般的な育児用品店とはちょっと違った印象を受けたのではないでしょうか。
例えば、入り口のドア、床板からブラインド、内装家具の全てが落ちついた深い色の天然木でつくられているところ。自由が丘店のお店の真ん中には大家族の食卓のような存在感たっぷりの大きいテーブルがあって、ご来店する皆様を出迎えます。そこでは店主が仕事のうちあわせをしたり、抱っことおんぶの練習がはじまったら、やわらかいタオルをさっとひいて赤ちゃんをころりと寝転ばせてみたり。天井からつり下がる白熱灯のやわらかな照明の下、聞こえてくる音楽はときどきラジオで耳にするバラードやジャズ系の女性ボーカルの歌とBGM。
まるで誰かさんのお家みたい。

「北極しろくま堂の商品は家の中で使う時間が特に長いので、お客さんにはお店というよりは『家』に近い感覚で商品を試着したり選んでもらおうと思いました。そのほうが、手にした抱っこやおんぶの道具の【ふだん使う場面】をイメージしやすいのではないかと考えたのです。通常、家の中は真っ白い壁と真っ白い家具ばかりではありませんし、家族が使う大きな家具があったりします。お店だからといって特別な場所にする必要がありませんでした。」(渡邊氏)

「それから、北極しろくま堂のお店は『良い時間を共有』できるところになったらいいなあと思いました。 “子育てに悩んでいるのですが”とか、“自由が丘に散歩に来たついでによってみました”といった会話が聞こえてくる場所になるのが理想的だと感じたのです。いまの時代、特に大都市では、おばあちゃんやおじいちゃんといった子育てにおける『アドバイザー』が身の回りにいない新米お母さん、お父さんが多い気がします。近場に育児のことを気軽に相談できる人がいるかいないか、それは大きい問題です。その役割を少しでも担うのが北極しろくま堂です。」(渡邊氏)

「授乳させてもらっていいですか?」「このあいだ買ったんですが、使い方が合っているのかどうか不安で来てみました。」「寝返りをうつようになったんですが…」
店頭で耳にするこうしたお客様の声に、渡邊氏の思い描いた北極しろくま堂のあるべき姿が自然と形づくられている様子がうかがえます。

こだわり抜く仕事

さて、そんな渡邊氏ひきいる(株)スタンダードトレードはオリジナル家具のデザイン・製造販売を業務としているわけですが、興味深いことに、彼らとわたしたち北極しろくま堂のお仕事には共通点があったのです!

「僕はナラ(楢)材にこだわっています。この木材は固くて扱いづらく、難しい技術が必要になります。26歳で独立した当時、その後も技術は磨き続けなくてはならないと考え、あえて自分の商材としてナラを選びました。
そうしたら、ナラのような難しい木を扱うことが出来る人が少ないため、ナラ=渡邊というブランドが出来上がっていったのです。次第にナラ材の仕事ばかりが来るようになりました。あわせて僕はこの木材についてどんどん詳しくなってゆきました。

スタンダードトレードは売った家具を買い取るサービスを提供しています。引っ越しと共に使っていた家具が新居に入らなくなったり、結婚でソファやテーブルが必要以上に増えてしまったということはよくあります。そういうときに僕らは自分達のつくった家具を買い取って、修理して、こんどは少し安く売るのです。そうすると若年層の人にも買ってもらうことができます。このような仕組みは、ナラ材だけにこだわっているからこそ成立しました。出来上がった家具の端材は次の家具をつくるときに役立ちますし、木は大切な自然資源ですから、無駄のでないように循環する仕組みが必要だと考えています。
常に同じ材料を使い、変わらないテイストで技術を高めてゆくことに専念するのは一見つまらなそうに思えるかもしれませんが、仕事の細部をみればみるほどもっと出来ることがあると感じます。北極しろくま堂も同じです。」(渡邊氏)

「その通りですね。一番はじめは、わたしはただの一(いち)スリングユーザーでした。スリングを使ってみて本当に良いものだと実感したので、自分が輸入して他のお母さんたちにも知らせてあげよう、そう思って行動しただけなのです。
後にサイズや生地質について妥協できなくなって、日本向けのスリングを作り始めたらより機能的にしたいと思って追求しだしました。こだわり抜いた結果、オリジナルの布の生産までたどりついたのです。
つきつめてゆくとそこから逃げることができなくなりますが、お客様がわたしたちに求めているのはそういった極めようとする姿勢だと思います。」(店主・園田)

提供するモノこそ違えども、同じ精神を共有するスタンダードトレードさんとの出会いは、わたしたち北極しろくま堂のお店づくりに欠かせない出来事でした。こんな想いを込めてつくった東京と神戸の空間、ぜひお立ち寄りくださいませ。

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