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初孫講座

お孫さんを迎えるみなさまへ

子育てをしているお母さんに対して、知らず知らずのうちに傷つける言葉や態度をとっていることがあります。みなさまが子育てをしていた時代とは環境も考え方も変わってきました。ぜひ知っておいていただきたい内容をお伝えしたいと思います。

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30年前と現代の育児環境の違い

つい30年前は自分が妊娠・出産する前に赤ちゃんに接する機会は多かったでしょう。しかし現在では自分が出産して初めて赤ちゃんを抱いたというお母さんの方が多いのです。予行練習をしている母親は「赤ちゃんはこういうもの」とドンと構えることもできますが、現代では初めての赤ちゃんに戸惑いや不安を強く感じている新米ママのほうが多いのです。だから育児雑誌やインターネットで情報を調べるのです。

また、何万年と続いてきた子育てという人間の歴史からみたら、この30年は激変の時期です。ミルクや育児グッズの登場。おんぶや抱っこからベビーカーへ。一緒の布団で寝ていたものが、ベビーベッドへ。お粥程度の離乳食が、30品目摂取の栄養学的な離乳食へ。戦前には断乳という言葉もありませんでした。

これからお孫さんを迎えるみなさんは、その激変時代の入り口にたっていました。幼少期の家族が比較的大きかったり地域で育ちあう環境が残っていたため、新しい考え方も取り入れながらなんとかうまくやっていらっしゃったと思います。

変化は今でも続いています。その中で新米ママは不安に陥り、戸惑っています。そういう状況であることをご理解下さい。

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娘との距離

自分の娘に気を遣わなければいけないの?と反感を覚えるかもしれませんが、初めての出産を終え、初めての「お母さん」をしている娘さんやお嫁さんにはいつもと違う気のつかいかたをしていただければな、と思います。新米ママには赤ちゃんを育てる戸惑いよりも実母の口出しがストレスだった、という意見もあるんです。

「この子(娘)は何も知らないから」と口を出して手を出していませんか?育児の先輩のお母さんとしてはおぼつかない赤ちゃんのお世話についつい構いたくなることでしょう。新米ママは確かに育児初心者ですがこれまで立派に社会人として生活してきたのです。いろんな情報を取り入れて工夫していくことはできます。これまで育ててきた我が子をどうぞ信頼して、まず見守ってあげてください。

通常は出産した参院や病院でひととおりの育児指導は受けてきています。そのやり方は先輩方のものとは違っているかもしれません。まず新米ママが習ってきたことをやってみて、それでうまくいかない様子だったらアドバイスをしてはどうでしょうか。新米ママがやろうとしているすぐ横で「これはこうして、あれもしなくちゃだめじゃない」なんて言わないでくださいね。その一言が新米ママの自信を少しずつ削いでいることに気づいてください。

新米ママから質問がきたり、ひどく間違ったことをしているようなら先輩としての出番です。それまではどうか見守ってくださいね。

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これだけは言わないでください。新米ママが不安になります。

以前、妊娠から出産後まで「どんな言葉や態度が嬉しかったですか、悲しかったですか」というメッセージを集めました。その結果、出産後の新米のお母さんに掛けられた言葉で、傷つくメッセージをたくさん送っていたのは残念ながら親族(身内)でした。

赤ちゃんがたびたび泣いても、
おっぱい、足りてないんじゃないの?
これだけは言わないでください。明らかにやせ細って弱くなっていくなら別ですが、人間はほ乳類なので母乳で育てられないということはめったにありません。母乳不足かどうかの判断は母乳育児に理解のある産科医か助産婦に任せましょう。母乳が足りないのは千人にひとりとも二千人にひとりとも言われています。もちろん母乳で育てるか混合にするか人工乳のみにするかは赤ちゃんのお母さんが決めることですが、新米ママが母乳で育てたいと思っているならそれを見守ってあげてください。

スマートな赤ちゃんもぽっちゃり赤ちゃんもいます。よく泣く赤ちゃんも寝ている時間が長い赤ちゃんもいて、個性豊かなのです。「私の時にはこうだった」と心の中では思っても、特に新生児期はけして口に出さないでください。目の前にいる赤ちゃんは別の個性を持つ別の赤ちゃんなのです。

みなさんが子育てしていた頃はミルクがもてはやされていました。ミルクを飲むと赤ちゃんが大きく育つと聞いた記憶はありませんか? 今ではミルクによる赤ちゃんの肥満が問題になっています。母乳で太る分にはまったく構いませんが、ミルクで太りすぎるのは健康上の問題があります。

育児書によってはミルクについて以下のようにかいてあります。母乳には何千年という歴史がある一方で、粉ミルクをたくさんの赤ちゃんが飲むようになったのは過去50年の歴史しかなく「粉ミルクによる授乳を実験段階ととらえるべきだと思います」。(「シアーズ博士のベビーブック」(シアーズ著・主婦の友社)より)粉ミルクだけで育った人間が寿命を迎え、その間どのような身体の変化(疾病やアレルギー、その他)があったのか、わかっていません。また、女性の間にも自然に育てたいという気運も高まっており、自然なお産や母乳育児が見直されています。

不思議なことに、母乳の出は精神面で大きく左右されます。「大丈夫、足りてるよ」の一言で母乳育児が成功した例はたくさんあります。

赤ちゃんが泣く理由はおっぱい以外にもたくさんありますから、赤ちゃんが泣いている理由をおっぱいにもっていかないでください。

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抱き癖は大歓迎です

泣いている赤ちゃんを抱いてあやしてばかりいると「抱き癖」がつくといいました。今ではこの考え方ははっきりと否定されています。この考え方はアメリカで自立を促すために主流になりました。しかし今ではそのアメリカでもアタッチメントペアレンティングやボンディングとよばれる、じゅうぶん抱っこして子育てに取り組むやり方や赤ちゃんとの「絆づくり」の重要性が広まっています。

赤ちゃんは泣くことしか訴える手段がありません。それをいつも無視されていると主張するのをあきらめる子になります。あるいは自分の殻にこもってしまう子・・。いつも泣いて訴えていたのに、何も手段を講じてもらえない世界で育つと人を信じることはできません。

もし、あなたが辛いことがあって泣きたくなったとしましょう。その時に周囲の人から「向こうで勝手に泣いていて」というような態度をとられたら、淋しくありませんか? 泣いている赤ちゃんを放っておくのはそれと同じことです。

現在、ほとんどの育児書-特に心理学者が書いたもの-には抱っこやおんぶで赤ちゃんとふれあうことが非常に大切だと書かれています。泣いている赤ちゃんを抱き上げることで赤ちゃんの不満が解消されなかったとしても、「わたし(ぼく)の言うことを聞いてくれようとしている」という信頼関係は結ばれます。

赤ちゃんが泣く理由は様々ですが、泣いている赤ちゃんを放っておくことは結果として赤ちゃんの存在を無視していることと同じです。抱くことで赤ちゃんが満足するかはケース・バイ・ケースですが、何かしら働きかけることは赤ちゃんにとってとても大切なことです。

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母乳の量は遺伝しません

よく同じ世代のお母さん方とお話ししていると、「母が母乳が一滴も出なかったそうで、私もあきらめました」と言われます。母乳が出るかどうかは体質ではありません。遺伝もしません。母乳が出なかったのは適切な指導を受ける機会がなかったからです。残念なことです。

母乳はつばや鼻汁と同じで「分泌物」です。条件が整えば限りなく分泌されます。(排泄物である尿や便は一定期間がすぎないと排泄されませんので、性質が違います)母乳は血液から作られている、その赤ちゃんにぴったりのオーダーメイドで作りたてのおっぱいです。


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