ここに注意! 抱っこ紐を安全に使用するために押さえておくべきポイント


日本では少子化になった現在でもだっこ紐が年間に80〜100万本売れています。(2014年9月21日産経新聞)せっかく買っただっこ紐も使い方を間違ってしまうと危険だったり、そもそも安全が確保されてないものも売られている可能性もあります。今日はだっこ紐を安全に使うことについて考えてみましょう。

1 抱っこ紐を安全に使用する方法

どんな抱っこ紐も一定は安全に抱っこできるようになっています。まずはその勘所からご紹介します。

1-1 安全かどうか

kayapo_brazil

右の写真を見てください。これは南アメリカ大陸に住むKayapo族の親子です。抱いているのはたぶんお母さんでしょう。抱かれているのは生後数ヶ月の赤ちゃん。この抱っこ紐は安全かどうかと聞かれたら、みなさんはどう答えますか? ・・・難しいですよね。
この抱っこ紐の耐久性は今日本に出回っている抱っこ紐よりも悪いように見えます。幅も狭いし、赤ちゃんを支える安全ベルトもついていません。しかし赤ちゃんは寝ているし、お母さんは必死で赤ちゃんをつかまえている感じはない。
このたすきのような抱っこ紐はこの母子にとっては安全なのです。このお母さんは小さい時から近くにいる赤ちゃんの世話をさせられていて、出産前から赤ちゃんの扱いに慣れていたのかもしれません。赤ちゃんは生まれたときからこのように抱かれることに慣れていて、体がそれなりにできているかもしれません。その親子が日々を暮らす中で協調した結果、この状態になっているのでしょう。
今日日本で生まれた赤ちゃんもKayapo族の赤ちゃんも生まれたときの運動能力の差はそれほどありません。しかしよく移動させられている赤ちゃんは発達が早いという知見もあるので、数ヶ月の間に体幹が育って運動能力が発達したのかもしれませんね。(体格は民族によって違いがあります。アメリカで生まれる新生児の平均体重は3300g、オランダは3500gです)

1-2 手作り品は要注意なこともあり

製品として売り出されているものはともかく、手作り品はちょっとだけ注意が必要な場合があります。ほつれや破れは気を付けるのはもちろん、手作りで作られるモノは布製品が多いのですがそれらが安全かどうか(薄すぎる、縫製部分からのほつれ・破れ、資材の安全性など)は考える必要があるかもしれないですね。特に布はアジアの他国で染色されたものはきつい薬が使用されているものがまだ多くあります。そのなかでも「赤」は色落ちしやすく、色止めのために強い薬品を使用していることもあるので注意が必要です。
リングスリングではリングの素材に注意が必要です。ナイロンリングやチタン、継ぎ目のないステンレスは安全ですが、アクリル製はちょっとの力で破断するし、アルミ製は赤ちゃんがかじったりすると危険です。

2 安全な抱っこ紐の選び方

数ある抱っこ紐のなかで安全なものを選ぶのは難しいですね。まず百貨店で扱われているものは大丈夫です。これは百貨店ごとに厳しい基準があるからです。ではネットなどで選ぶ時のポイントをご紹介します。

2-1 モデルの写真を参考にしましょう

買いたいと思った抱っこ紐を検討するときに、必ずそのメーカーや販売店が提出しているモデル着用画像を見てみましょう。そしてママが首を伸ばせば赤ちゃんの頭にキスできる位置かどうかチェックしてくださいね。
モデルさんなのでそれなりに写真写りが良いと思いますが、見るのはそこではなく、ママと赤ちゃんの位置関係です。ぶらさがっているようならママの肩がこります。赤ちゃんがパラシュートのハーネスに吊られているようなら、自分の子を数時間そのような格好にさせることになります。
またモデルさんが外国人で日本人の体型とずいぶん違うように見えたら、日本人のモデルが着用しているものを探してみると良いと思います。
特にStructured Carrier(腰ベルトや肩ストラップがついているあらかじめ抱っこ紐のカタチががっしりできているもの)は体型にあわないとどうやって調整しても難しい場合もあるので、自分と同じような体型のモデルさんが装着している写真を見てみると参考になります。

2-2 赤ちゃんだけでなく、ママ自身の体についても考えましょう

産後のママの悩みはいろいろありますよね。抜け毛や体型のこと、睡眠不足、抜けない疲労などなど。そのなかで他人には相談しづらいのが尿漏れなどの「おしも」のことです。骨盤は漏斗(ろうと)のようなカタチになっていて尿漏れは下の方の骨盤底筋が緩んでいることが原因であることが多いです。骨盤底筋はトレーニングでまた働くようになるのですが、それ以外にも骨盤の上の方(腰骨の付近)を抱っこ紐で締め付けてしまうと自動的に下の方(つまり締めなければならない方)が緩みがちになるという現象がおこります。
尿漏れの原因が抱っこ紐だけにあるということではありませんが、特に出産後すぐは骨盤上部を締めるような抱っこ紐の使い方は避けた方がよいでしょう。

2-3 抱っこ紐のどこで安全を担保しているかを見る

なにやら難しい言い回しですが、わかりやすくいうとこういうことです。
ブログの過去記事でも解説しましたが、抱っこ紐がいくら安全にできていても、がんじがらめに赤ちゃんを縛り付けることはできません。そのため「ある程度安全ベルトなどに頼りたい」のか「自分でなんとなく意識して抱っこしたい」のかでどの抱っこ紐を選ぶかが違ってきます。
また具体的にその商品が安全かどうかをチェックできるSGマークを基準にすることも可能です。

3 抱っこ紐の安全基準

抱っこ紐は製品安全協会で安全だと認められているものにはSGマークというものがついています。以前は百貨店ではこのマークがついていないと取り扱えないとしているところが多かったのですが、最近ではそればかりではなくなってきました。

3-1 製品安全協会が最初にSGマークをみとめたもの

製品安全協会は1950年代から徐々におこりはじめた自動車と乳母車の事故などを受けて設置の検討がなされました。ベビーカー(当時は乳母車と呼んでいたと思いますが)にブレーキを取り付けたら良いとかそういった意見もあったようです。1973年に法律が施行され、当時特別認可法人として設立された製品安全協会がSGマークを発行しはじめました。その後にベビーカー以外の様々な商品に認定・発行が広がり、子守帯(抱っこ紐・おんぶ紐)もその対象になりました。
余談ですが、この認定までの間にベビーカーの事故を予防するために様々なアイデアが出たようです。空港においてあるカートのように握っているあいだだけ動き、手を離すと車輪が止まるようにするというものもありました。これけっこう良いアイデアだと思いませんか? どうして採用されなかったのでしょう?

3-2 SGマークにおける抱っこ紐の基準

製品安全協会における子守帯の基準はこちらです。これによると赤ちゃんの体を「腰ベルトや股ベルトによって保持する」とあるので、いわゆる構造化された(Structured Carrier)ものが対象になっています。製品安全協会のSGマークを取得するには指定された検査機関に商品と共に取扱説明書を持ち込み、検査をしてもらいます。取説通りに使用して安全かどうかを見ていただきます。その他に指定工場で製造するという方法もあります。
しかしながら、Baby SlingやBaby Wrapなどの腰ベルトも股ベルトもついていないものに関しては、はなから指定対象になっていませんので、認定のための検査は受けられないということになります。
ただし認定を受けずとも安全かどうかをチェックしていただくことはできるので、北極しろくま堂の商品は認定要件と同じ検査を受けて安全性を客観的に確かめることをしています。なお、この検査結果は了承なしに公開してはいけない規定になっています。

3-3 SGマークを取得するメリット

もちろんユーザーへの安心感を見えるカタチで提供するということはあります。その他に、いわゆるPL保険と同等のものに自動的に加入できている(その分はもちろん支払うわけですが)ということがあります。手作り品を除いて、メーカーと自称しているところはPL保険にはふつう加入しているので、補償という意味ではユーザーはおなじ程度にフォローされていることになります。

おわりに

いかがですか。抱っこ紐の安全性に関する側面もご紹介しました。
どれだけ安全なものを作っても、それを使う人間には「リスクホメオスタシス理論」というものが当てはまり、新しく設けた安全のハードル以上のことをしてしまう習性があると指摘されています。赤ちゃんの身体にかかわることだからこの理論がそのまま当てはまるかはわかりませんが、そうはしたくないですよね。
道具を安全につくるのはメーカーの責任です。どうかママやパパはいつも赤ちゃんに少しだけ関心を持ちながら抱っこしてもらえればと思います。


雑誌やテレビでも話題!これまで数十万人のママが愛用!ベビースリング・抱っこひもの専門店